- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166609345
作品紹介・あらすじ
古代ローマ、あるいはルネサンス。先進的な文明、そして数々の芸術作品を生んだエネルギッシュな時代には、いつも知的好奇心あふれる熱き男たちがいた――。ハドリアヌス、プリニウス、フェデリーコ2世(フリードリヒ2世)、ラファエロ、そしてスティーブ・ジョブズ、安部公房まで。確かな技術と壮大な空想力で時代の一歩先を読み、新たな次元を切り拓いた古今東西のボーダレスな男たちを軸に、『テルマエ・ロマエ』の作者・ヤマザキマリが語る想像力の在り処。
感想・レビュー・書評
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ヤマザキマリさんの文章は読んでいてとてもスカッとします。
時間軸を縦に掘り下げる、すなわち歴史を遡って自分に似たタイプの人間を探す…という発想にまずびっくり。
私の中では「歴史上の人物=偉人」なので、そんな偉大な人と自分が同じタイプかどうかなんて、考えてみたこともなかったのです。
ヤマザキさんにとって、似たタイプの人は古代ローマの博物学者・プリニウスであり、ルネサンス期の画家・ラファエロなのだそう。
やはりスケールが違う…!
イタリア男性の好みの女性は「共犯者になれる人」なのだそう。
何かやらかしてしまっても、一緒に状況を面白がりながら手を取って飛び込んでくれる人…これって、自分の男性の好みとも同じかも…と気付かされました。
ヤマザキさんがいい女のお手本として挙げているのが須賀敦子さん。
穏やかで知的、かつしたたかでチャーミング…ああ、確かにかっこいい。
『男性論』というタイトルではありますが、「こんな女性でありたい」という私なりのイメージをより明確にしてくれる1冊となりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校を辞めてイタリアへ絵の勉強をするため日本を脱出したマリさん。さまざまな辛酸をなめ、恋愛し結婚し子供を産み一所懸命仕事をし、ユニークな視点をもつマリさん。
外から見た日本、ほんとのイタリア。
最近ヤマザキマリさんに心酔する私が、喝を入れられた言葉がこの本にある。
「置かれた場所で咲かない」
マリさんは、居心地が悪ければその外に出ればいい、自分にはここしか居場所がないと考えることは自己暗示、一歩外にでれば多様な価値観が認められる広い世界だってある・・・
忍耐強さが唯一長所だと思っていた自分に、子供のころの自分に、言って聞かせたい言葉だ。
いま苦しんでいる子どもや大人に(特に子どもたちに)聞かせてあげたい言葉。
大人はそう簡単にはいかない、それは自分勝手というものでしょ。そんなのわかってます、だけど、自分で自分を縛ることはない。状況をかえることが難しくても、せめて固執した考えからフリーになりたい。
そんな人にはまず、1日でもいいから、旅をお勧めしたい・・・などと、いろんなことを考えてしまった。旅といってもいろんな旅の方法がある・・ -
テルマエロマエの作者ヤマザキマリさんのエッセイ。タイトルほど男性論は語っていないが、ヤマザキさんのイタリア愛がひしひしと伝わってくる情熱を感じる一冊だった。
私はヤマザキさんの漫画を読んだこともなければ古代ローマ史の知識も教科書情報がおぼろげに残っている程度だったので、共感が少なくあまり入り込めなかった。
一方で女性論については激しく同意。ルリ子ちゃんの例えのように、日本人は男性も女性も外見的な美しさに執着せず、成熟美を知るべきだと思う。
また、調和の美しさというのは初めての観点で、肩に力の入っていないナチュラルな人が特段美人でなくても素敵に見えるのは、この調和によるものなのだと勉強になった。 -
面白かったです。
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自分自身で時間をかけて『辞書』を作り上げて行く。これが人生ですね。
ヤマザキマリさんの人生観についての本でした。私は彼女ほどしっかりはしていませんが、同じ人生観を持ってます。特に若い人はどんどん外に出て行っていろいろな体験をするべきです。
今まで当たり前と思ってたことは当たり前ではなくなりますから。
その時々の体験が自分の辞書の1ページとなり、いつかは分厚い辞書となるでしょう。困った時には、想い出してページをめくってみればヒントが隠されていると思います。 -
テルマエロマエの著者ヤマザキマリさんによる、現代人には内歴史的背景も含めた、さまざま男性・女性像の解説本。
⇨そこから、教養を吸収しながら自己啓発が出来るような本である。
超読書家で好奇心旺盛だった、古代ローマのプリニウスや、ルネサンスの実業家的なラファエロのマインドは個人的に好きでした。 -
不思議な体裁の本。カットアップした様な編集に感じた。編集者との対談を文書化した感覚。第6章が良かった。
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男性論というタイトルや惹句に思い込み過ぎた。
普通のエッセイ。