第一次世界大戦はなぜ始まったのか (文春新書 979)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166609796

作品紹介・あらすじ

戦争とは、自らの意思に関係なく巻き込まれることがある――。今をさる100年前、サラエボで数発の銃声が鳴り響いた。オーストリア・ハンガリー二重帝国皇太子フェルディナンド大公がセビリア人テロリストに暗殺された「サラエボ事件」。これをきっかけとしたオーストリアとセルビアによる「ちっぽけな限定戦争」のはずが、4年3カ月におよぶ戦火に発展する。脅しをかけるつもりにすぎなかったロシア、引き金を引くことになったドイツ、当事者であるオーストリア、そしてフランスとイギリス。「コンサート・オブ・ヨーロッパ」と呼ばれる国々は、当初、貴族的な外交手段で、あくまで戦争回避に動いたが……。この「誰もがやりたくなかった戦争」が、なぜ860万人の若い兵士の命を奪い、ヨーロッパを崩壊に導く大戦争に至ったのかを軍事史の鬼才が存分に分析。第二次大戦と比べて、日本人には時代的、地理的に「遠い戦争」として馴染みの薄い第一次大戦だが、尖閣、西沙諸島における中国との緊張、ロシアとウクライナの衝突を目の当たりにした今、日本の外交、安全保障を考えるうえで多くの示唆に富んでいる。

感想・レビュー・書評

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  • いまいち印象の薄かった第一次世界大戦。サラエボ事件が切欠で勃発と習ったけど、当時の世界情勢、色んな人物の思惑など複雑な背景があり、開戦となったんですね。
    途中少し脱線したり、著者の主観が強いかなと感じる部分もあったけど、面白いテーマの本だったと思う。

  • なぜオーストリアとサラエボの間の戦争が欧州を巻き込む大戦争になってしまったのか。
    ドイツに重点を置いて説明される「サラエボ事件」以前の欧州の動き、「サラエボ事件」、「サラエボ事件」以後の各国外交官や閣僚の動きと戦争が始まり欧州が巻き込まれる様子が書かれています。
    しかし、詳細に書かれ過ぎていて読むのが大変でした。情報量が多過ぎてまとまりにくいのでしょうが本の中盤に差し掛かってようやくサラエボ事件に入ったのには参りました…。

  • 【由来】
    ・文春のメルマガ

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 安定の読みにくさです。この著者の文章はクセが強くて好き嫌いがはっきり分かれると思います。しかし私にとっては読ませる文章なので、別宮本は大抵目を通しています。

    第一次大戦は一見してよくわからない戦争です。サラエボ事件をきっかけにオーストラリアがセルビアに宣戦布告したが、この戦争はあくまで局地戦です。
    しかしその後なぜかロシアが総動員を発令する。セルビアはどの国とも攻守同盟は結んでいないにも関わらず。
    これに対してドイツが反応する。ロシアとともになぜかフランスにも最後通牒を突きつけ、挙句に宣戦布告する。
    しかしドイツ軍の飛び込んだ先はなぜかベルギーで、これになぜかイギリスが反応してドイツに宣戦布告する。
    知らない人から見れば「なぜ?」のオンパレードですが、本書を丁寧に読み解けばおおよその事情がわかってきます。
    はっきり言えることは、サラエボ事件は原因ではなく単なるきっかけに過ぎず、それまでには長い長い布石がいくつもあった、ということです。サラエボ事件だとか同盟、協商間対立など学校で習った説明がいかに薄っぺらいものかがわかるでしょう。

    大戦勃発前夜の各国外交官らの緊迫のやり取りは本書の大きな見所です。同時に当時の在外駐在大使の権限がいかに大きかったがわかります。

    また本書だけでなく、他のWW1本も合わせて読むことをお勧めします。両者が補い合うことが多々あります。個人的にはバーバラ・タックマンの『8月の砲声』がオススメ。

  • あまりに細かい内容。もっと概要を知ってから読むと楽しめるかも。それにしても読みにくい文。

  • 本書のタイトルは「第一次世界大戦はなぜ始まったのか」だが、Howは分かったがWhyは謎のまま。おそらく著者は分かっているのだろうが、頭の悪い私には読み解く力がなかった。

    とはいえ、本書の魅力は、外交の舞台裏、実務面が丹念に描き出されていることだと思う。外交官とは忍耐強くないとなれない職業だと痛感。

    経済にしろ政治にしろ、こういう細部を理解せずに新聞やニュース見てても、よくわからないままだ。

  • わかるような、わからぬような。

  • 第一次世界大戦の発端として、サラエボ事件は有名ですが、この一見小さな事件が、なぜあのような大きな戦争を起こしてしまったのか。第一次世界大戦が起こるまでの背景を、その重要な要素であるドイツの歴史的背景からサラエボ事件の詳細、外交官達のやりとりなどを中心に書かれています。
    事態は想像以上に複雑で、いちど読んだだけでは分かりにくく、またある程度の前提知識を要求されます。ちょっと難しいです。雰囲気だけでも頑張って読み通せば、この世界大戦は、だれも起こしたくなく、得もしなかった戦争だったのだと、改めて戦争の愚かさを感じずにはいられませんでした。争っている方々に言いたい、外から見たら喜劇ですよと。

  • なんとも読むに耐えない本だった。著者に知識があって、言いたいことが山ほどあって、それを思いつくまま順番に書きなぐると、読者のことをほったらかしにした本ができるという見本だ。

    著者の経歴を見ると、歴史学者ではなく、歴史オタクが高じて、こうした本まで書くようになったようだ。「自称歴史家」で、人に教えたり、論文を発表することはシロウト。だから、話があちこち飛びまくるし、何の説明もなく新たな登場人物や事件を登場させる。普通なら編集側で訂正が入るんだろうけど、この手の「オタク」は他人の忠告なんぞ、聞く耳を持たないんだろう。編集者の苦労は想像できる。

    結局、「第一次世界大戦はなぜ始まったのか」について、理解できなかった。

  • 文筆が本業ではないから?か、読みにくくて内容がない。~ので、だから~がつながってないようなレベル。どちらかというと編集の問題?

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