予言者 梅棹忠夫 (文春新書 1106)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611065

感想・レビュー・書評

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  • 梅棹忠夫と交流のあったジャーナリストの著者が、梅棹の仕事について解説している本です。

    梅棹の生涯と思想の全貌をえがいているわけではないので、評伝というにはすこしもの足りなく感じられますが、たんに著者自身の目を通して見られた梅棹にかんするエピソードが紹介されている本ではなく、文明論者としての梅棹の「予言」に着目し、現代の視点からその先駆性を評価するという試みがなされています。

    わたくし自身は、歴史や社会についての歴史法則主義的な議論には意味があるとは思えず、梅棹の文明史的な立場からなされた「予言」についても、著者のように高い評価ができるかいささか疑問をいだいているのですが、梅棹のユニークな思索についてわかりやすく説明がなされているという点では、興味深く読むことができたように思います。また、国立民族学博物館の設立や、田園都市国家の構想など、梅棹の文化行政へのかかわりについても改めていろいろな事実を知ることができたのも有益でした。

著者プロフィール

1953年山形県に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。ビジネス誌や論壇誌の編集者として活動、「ザ・ビッグマン」編集長、「発言者」編集長、「表現者」編集委員を歴任後、1997年よりフリーのジャーナリストとして活躍中。
『エコノミストは信用できるか』『エコノミストを格付けする』『予言者 梅棹忠夫』(以上、文春新書)、『日本経済新聞は信用できるか』(PHP研究所)、『経済学者の栄光と敗北』『不毛な憲法論議』(以上、朝日新書)など著書多数。

「2017年 『山本七平の思想 日本教と天皇制の70年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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