それでもこの世は悪くなかった (文春新書)

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著者 : 佐藤愛子
  • 文藝春秋 (2017年1月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611164

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それでもこの世は悪くなかった (文春新書)の感想・レビュー・書評

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  • 作家を「先生」と呼ぶのはヘンだと思う。それでもやはりそう呼びたくなる人はいて、その筆頭が愛子先生だ。この本は語りおろしで、特に目新しいことが出てくるわけではないけれど、私は愛子先生については同じ話を何遍聞いてもまったく飽きない。全部が全部「その通り」と思うわけではないが、なにかもう根本の所で仰ぎ見てしまうものがある。それでまた、どういうわけか読んでいると目頭が熱くなってしまうのだ。

    「人生というものはね、幸福だのなんだのと言ったって、どうということはないんですよ」」「苦労したってどうということはない。反対に、幸福になったからと言って、別にどうということはない」

  • 著者の本を読んだのは、「九十歳。何がめでたい」についで2作目。そもそもこの人の本は、エッセイ以外の小説を読んだことはないので作家としての実力は知らないが、90歳を過ぎてこれだけ世の中に対してハッキリとした認識があるのは、素直にすごいと思う。いろいろな苦労を経験されたようで、その中から紡ぎ出される言葉は一つ一つに含蓄があり、説得力がある。また、遠藤周作や北杜夫など超有名作家との変人エピソードも満載で、おおらかな、古き良き時代の一旦を知ることができる。

  • 御年93歳、戦争や、高度経済成長、バブル崩壊と不況の時期、3種の神器誕生など、幾多の時代背景と様々な人生経験をしてきた著者の人生観などを語る姿、経験から学んだこと、世の中から見えるものを切り出す言葉は、辛口であり、温かみがあり、爽快感があり、一つ一つが重みのあるものだと感じる。人生は苦しみがあってこそ幸せがあるだろう、自身のこと、まわりのこと、昭和、平成の時代に起こったことなどから見えてくる自身の揺るぎない思いと、辛くとも困難と思わずに自分の方法で切り抜く姿が、今の笑いあり、感動ありの人生だと感じる。

  • 著者が人生・幸福・死について語る。幸福は苦労の上に在るもの、だとか、損があればあとに得がくるという考え方が面白い。とくに印象的だったのは、最後5ページ、死後の世界のこと。物質主義の現代で精神的な事柄を語る点が興味深かった。佐藤愛子さんの他の本も読みたくなった。

  • 【最終レビュー】

    予約著書・約、4ヶ月半弱待ち。図書館貸出。

    愛子さんの著書・4冊目。

    *前作:人間の煩悩ー既読レビューー

    〈17.5.25既読〉

    http://booklog.jp/users/sapphire913/archives/1/4344984285

    前作から1ヶ月半後、やや間が空いている分、上手く貸出の順番が回りタイミングもちょうど良かったです。

    ー目次ー

    *はじめに

    *第一章:私をつくった言葉

    *第二章:幸福とは何か

    *第三章:死とは何か

    *あとがき

    佐藤家の世界でどう、愛子さんご自身が、自分の家族、その周りの人達を通して吸収していった

    『教育法・信条・心得・生き方の欠片のヒントとなる土台の数々』

    今でもしっかりと『柱の一部分』として、愛子さんご自身の中で刻んでいること。

    今作は、これらがベースになっている内容。

    至って、ありふれているメッセージながら、今の時代でも適応できる

    [ズッシリと腰を据えるように込められている『深みある言葉』]

    様々な現代の風潮に関しての

    [一歩引いた『客観的視点での捉え方』だからこその『あらゆる場面での『違和感・不思議・疑問視・怒り・文句に込められた「真の意味合い…」』]等

    なるほどなるほどと…確かに大いに腑に落ちる所が多々あった点、明瞭に伝わるものを感じていたのは事実。

    それは、作家の顔として、ひとりの人間として

    『あらゆる場数の数々』を、真正面から受け止め、『己の心身で』踏みしめながら

    ささやかながらも、一つ一つの小さな出来事を通して

    [培ってきたもの]という

    〈愛子さんの心底からの魂・生き方そのもの〉

    今まで既読した著書以上に

    『鮮明かつ生身の姿』更に表沙汰に伝わっているのが印象深かったです。

    〈同人誌を通して出会った、個性派揃いの作家の方々との交友の裏話〉

    〈北海道での別宅においての、年一・期間限定ライフスタイルの裏話の数々・別宅を建てたことに対する『ありふれた心境』〉

    〈人間の真実とは〉

    〈奥行きのある日本語・故事を散りばめながら〉

    〈著名人の方々がズラリ…正岡子規・高浜虚子・遠藤周作さん・斉藤茂吉・北杜夫さん・瀬戸内寂聴さん〉

    〈先へ進む人と、先へ進まない人の対比~自らの経験談があるからこそ〉

    〈敬愛する哲学者:アラン氏の好きなメッセージを通しての、愛子さんの『根っことして置いていた姿勢』〉

    これ以上は、ネタバレになりそうなので、このあたりで。

    瀬戸内寂聴さん同様、愛子さんも

    〈愛子さん流:振り幅の広い視野・冴え渡る『斬新な想いの数々』〉

    再度、つくづく身に染みた著書。

  • 講演を元にした語りおろしなので、愛子節を堪能できた

    遠藤周作、川上宗薫、北杜夫などの作家陣との思い出や、とんでもない亭主と結婚しての苦労話など。

    とてつもない借金を背負ってもたくましく立ち向かって返済し、たくましく生きる姿はかっこいい。

    まだまだお元気で頑張って欲しい

  • 講演などを元にしたものなので
    軽く読めた。

    遠藤周作などのエピも面白かった。

  • 川上宗薫、遠藤周作、北杜夫のエピソードは多少面白かった。いわゆる「昭和」というよりも、大正生まれの人だから、価値観についてはとても古風。女子大での講演会の話があるが、メモを取るだけまだ良いかとは思う。前半の、佐藤自身の強い生き様には脱帽させられるが、後半は「あの時代は良かった」的な話が多く、それは単に時代についていけない老人のひとりごちた語らいでもある。どんな時代であれ、今を生きる若者もいつか、「あの頃は良かった」と懐古する時が来る。神経質で観念的な時代を過ぎ、別の時代に突入すれば、老人たちはかつての時代をただ懐かしむ。いつの時代も、生きることが困難なことは変わりはない。

  • 講演が元になっているので
    話が軽快にかわり
    佐藤先生の面白さ
    サービス精神が良く感じられます

    川上宗薫氏のエピソードが
    とても良かった
    浮気して身ごもった奥様の
    嘘をまんまと信じるところや
    佐藤先生の苦しいときに
    援助を申し出たなど
    非常に人間味豊かで
    優しい方だったんだぁ

  • 2017年1月文藝新書刊。講演などを元にした語り下ろし。過剰編集か、語りという形のせいか、いつもの愛子さんが感じられず、あまり楽しめませんでした。

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それでもこの世は悪くなかった (文春新書)の作品紹介

人から見たら悲劇かもしれない人生。しかし、正々堂々、力いっぱい生きた私はいま、満足だ――こんな佐藤愛子は、どうしてできた? ワガママ盛りの6歳で聞いた乳母の言葉は、思えば初めての人生の教訓だった。以来、父・佐藤紅緑、母、先輩や友の影響を受けて出来上がったのは、「他人から理解されないばかりでなく、自分でも何かわけのわからない、ヘンな佐藤愛子」。そして二度の結婚に失敗、夫の借金に巻き込まれ、それでも人は幸福に生きられる! 93歳、初の語り下ろし人生論。佐藤愛子を作った言葉「なんぼお嬢ちゃんやかて、大きゅうなったらどうしてもせんならんということが、世の中にはおますのやで」(乳母)「豆腐屋のオッサンかて校長先生かて、おんなじ人間ですがな」(母)「カネカネという奴にろくな奴はいない」(父・佐藤紅緑)「女に小説は書けないよ。女はいつも自分を正しいと思っている」(師・吉田一穂)「君はね、平林たい子さんのような作家になりなさい」(師・北原武夫)「苦しいことが来た時にそこから逃げようと思うと、もっと苦しくなる」(師・臼井栄子)「君は男運が悪いんやない。男の運を悪くするんや」(友・遠藤周作)

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