戦争にチャンスを与えよ (文春新書 1120)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611201

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『中国4.0』の著者、待望の最新作! 国連・NGO・他国の介入が戦争を長引かせるのだ!――本当の戦争を知る大人の戦略論 著者のルトワック氏は、ローマ帝国の戦略に関する論文で博士号を取得するなど、古今東西の歴史に関する博識を有する一方で、実際の戦場も経験し、安全保障に関して各国のアドバイザーとして活躍している異色の人物です。「歴史」も「理論」も「実践」も知り尽くした「最強の戦略家」です。 旧ユーゴ内戦、ルワンダ内戦、シリア内戦といった紛争において、実は「良心」や「正義感」や「人道的配慮」にもとづく国連やNGOや他国による中途半端な「介入」が、「戦争」を終わらせるのではなく、「戦争」を長引かせている――ルトワック氏はこう断言します。だからといって「戦争」を奨励しているわけではありません。「戦争」を無理に「停戦」させても、「戦争の火種を凍結する」だけだという事実を指摘しているだけなのです。「本当の平和は、戦争の当事者自身が戦争を倦むほど、徹底的に戦った後でなければ訪れない」と。 「難民支援が難民を永続化させる」「国際組織やNGOは紛争をビジネスにしている」「軍事力ではなく同盟関係がすべてを制す」など、本書は私たちが見誤りがちな「戦争」と「平和」の見方を正してくれます。また、「平和のためにこそ尖閣に武装人員を常駐させろ」「日本の「あいまいさ」が中国の誤解を生む」「北朝鮮の核・ミサイル能力を侮るな」「日本が国連常任理事国になる秘策」といった日本に対する具体的な提言も満載です。現代の「戦争」と「平和」を考える際の必読書です。キーワード:戦争、平和、紛争、介入、難民、人道支援、同盟、戦略、戦術、シリア、ユーゴ、ウクライナ、尖閣、中国、北朝鮮、南シナ海、核、ミサイル、パラドキシカル・ロジック、ヨーロッパ、ビザンティン帝国、トランプ政権、国連常任理事国

感想・レビュー・書評

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  •  なかなか挑発的なタイトルです。
     本書は経済学者、戦略家、歴史家、国防アドバイザー、シンクタンクの上級顧問といった様々な肩書を持つエドワード・ルトワックの著作。
     
     「戦争の目的は平和をもたらすことにある」

     著者は本書の中でそう説きます。
     この逆説的に思えるテーゼが何故言えるのか、それを実際の戦争(紛争)の歴史を振り返って説明をしてくれます。

     本書は著者が過去に寄稿したいくつかの論文で構成されています。
     そのため章ごとにテーマが変わるので、最初から最後まで一貫したテーマで通底しているわけではありません。
     いうなれば過去論文の短編集、といった感じです。

    ◆「1. 自己解題「戦争にチャンスを与えよ」」および「2. 論文「戦争にチャンスを与えよ」」

     冒頭にある通り、著者は「戦争は平和をもたらす」と説明します。
     太平洋戦争や第二次世界大戦後、日米や西欧諸国の間に戦争は起こっていません。
     一方でパレスチナや旧ユーゴスラビア諸国、ルワンダなど、長年にわたって紛争状態が続き、ゆえに国土が荒廃して発展の余地すらない地域が数多くある。両者の違いはどこから来るのか。著者は「外部から戦争が調停されたか否か」であるといいます。
     なぜ外部調停により停戦を迎えた紛争が長年にわたり対立状態を解消できないのか、その理由が語られます。なかなか説得力のある理論であはありますが、現代の価値観からすると受け入れづらいものでもあります。


    ◆「3. 尖閣に武装人員を常駐させろ(中国論)」

     ここでは、日中の尖閣諸島をめぐる対立について、日本側の「あいまいな」態度に警鐘をならしています。
     なぜ「あいまいな」態度が事態を悪化させてしまうのか。中国の特異な政体と絡めて理由が語られます。


    ◆「4. 対中包囲網の作り方(東アジア論)」

     中国(というよりも習近平)の野心的な行為と中国という国の幼児性・特異性が分析されると同時に、その覇権主義的な行動を抑え込むためのアジア各国およびアメリカの連携について語られています。
     中国の分析がなかなか面白い。それと同時に反中同盟から脱落しつつあるフィリピンの分析もなかなか面白い。


    ◆「5. 平和が戦争につながる(北朝鮮論)」

     本章は以下の指摘から始まります。

    「北朝鮮は特異な政権である。特異な点として二つ挙げられるだろう。一つはリーダーのヘアスタイルがひどい、ということだ。」

     ちょっと吹き出しました。本書ではこのような表現がちょいちょい出てくるのでなかなか楽しませてくれます。
     しかしその後はまじめな話となり、北朝鮮が侮れない国であると説きます。
     そして北朝鮮に相対する日本に選択肢を提示しますが、これがなかなか厳しい。。。


    ◆「6. パラドキシカル・ロジックとは何か(戦略論)」

     パラドキシカル・ロジック(逆説的論理)について説明がされます。
     これは1章や2章にも通底する内容です。つまり「戦争が平和をもたらす」「敗北が勝利をもたらす(逆に勝利が敗北をもたらす)」「大国は打倒できるが、小国は打倒できない」ということ・・・。なぜそのように言えるのか?
     身近な例でいうと「中国は大洋覇権を握るために空母建設を進めているが、それがゆえに大洋覇権を握れない」。なぜそのように言えるのか。この分析はなかなか面白い。


    ◆「7. 「同盟」がすべてを制す(戦国武将論)」

     ここでは戦国時代の武田信玄、徳川家康、織田信長の3名を取り上げて、彼らの戦略的優秀さを語っています。
     外国人が日本の戦国大名について分析するとはなんだか違和感がありますね。ただここでの分析は一般論の範囲であり、要は戦術性と戦略性の2点が語られています。
     本章終盤のメッセージは、今の日米同盟に照らし合わせるとなかなか含蓄があります。

    「「同盟」は大戦略を遂行し、勝利を獲得するうえで不可欠な選択である。あらゆること(を一国でなす)には限界があるからだ。
    ・・・そして、もう一つ忘れてはならないのは、「同盟」という戦略は、しばしば不快で苦難を伴うものでもある、ということだ。」


    ◆「8. 戦争から見たヨーロッパ」

     ここはなかなか面白い。著者の(マッチョイムズな)性格がもっともよく表れた章といえます。
     一言でいうと、「戦士の文化の衰えた国は衰退する」ということです。
     なんじゃそら!?と思いますが、ここで展開される論理がなかなか面白い。

    「いずれにせよ、ここにシンプルな一つの事実がある。アンダーソン・クーパー(CNNのアンカー。すこぶるイケメンで紳士。だがゲイである。)には子供がいないが、トランプには子供が五人、孫に至っては娘のイヴァンカだけでも三人いる。将来、孫が10人から15人程度になるのはほぼ確実だ。

     もちろん、アンダーソン・クーパーはフライトアテンダントの胸を触ったことがないほど上品だろう。ところが、彼には未来がない。トランプには未来がある。」


    ◆「9. もし私が米国大統領顧問だったら」

     タイトル通りアメリカに提言する政策論が展開されます。それがビザンティン帝国や徳川幕府の戦略から導出されている点が面白い。
     それに著者がオバマ大統領を良く思っていないところも面白い。オバマ大統領の上品さと著者のマッチョイムズの相容れなさがよくわかります。


    ◆「10. 日本が国連常任理事国になる方法」

     まず著者が指摘するのは「常任理事国入りを目指して日本がとっている戦略は全くの誤りだ」という点です。
     日本はブラジル、インド、ドイツ、ナイジェリア、南アフリカなどとタッグを組んで常任理事国入りを目指しているが、これで目標を達成できる見込みはゼロである、なぜか?日本は「誰も欲しない」プランを追及しているからだ、と著者は言う。
     ではどうすればよいか?「カギを握るのはインド、そしてロシアである。」著者がこう説く論理はなかなか面白い。



     本書は上記の1,2が本書のハイライトでしょう。挑発的なタイトルですし。
     ここでのメッセージを簡単に要約するならば「対立する両者が自国のリソースを使い切るまで戦ってこそ、その後に平和が訪れる」ということです。
     もし外部の調停で生煮えの状態で戦争を終えても、両者はまだ戦う力と戦意を残しているため、その後も対立と緊張状態が解消されないのです。この状態は国土の復興と発展を妨げるわけです。

     また上記のアジェンダを通して分析される北朝鮮や中国、ロシアの性格についても興味深い。
     著者は中国を「鈍感な国」といいます。

    「さらに厄介な問題がある。中国は、隣国を完全に見誤る伝統を持っている点だ。
    ・・・この理解力のなさは1979年の中越戦争を考えても驚きだ。
    ・・・つまりベトナムは、中国にとって、隣国であるだけでなく、つい最近も一度敗北した相手なのだ。にもかかわらず、今回もまた失敗を繰り返しているのである。」

     この鈍感さは中国の「組織的欠陥」に由来すると著者は言います。この分析はなかなか面白い。

     またロシアにおいて、プーチンの国民に対する態度について説明した以下の内容はおもしろい。ロシアという国と国民の特異性をよく表していると思います。

    「プーチン氏が自国民に発しているメッセージは、以下のようなものだ。

    ”ロシア国民よ、あなた方はアメリカ人のようにリッチにはなれないし、フランス人のようにエレガントにはなれないし、イタリア人のようにおいしいものも食べれられない。しかしあなた方は、世界最大の領土を持つ帝国の人間であり、これは誰に与えられたものではなく、戦争に勝つことによってロシア人自身が獲得したのである。・・・その代わりにロシア人は耐えなければならない。帝国の人間として耐え忍んでほしい”

     このメッセージに対してロシア国民たちは「いいでしょう。あなたの言う通り耐え忍びます。国際的な経済制裁にも負けずに頑張ります」といっているのだ。」

     こういった著者の歯に衣着せぬ分析やマッチョイムズな主張はなかなかユニークです。しかしその内容には的確さがある。
     いつもは「まじめな評論家先生」の国際分析本を読んでいる方に、本書は面白い視点を与えてくれると思います。

  • 昔から思ってたことが書かれてた。

    他国の紛争に中途半端に介入して、それで平和になるわけでなく、紛争状態がだらだら続くだけなのが不思議で、いっそどっちかに肩入れしてさっさと終わらさせちゃえば良いのにと思ってた。

  • 雑な戦略論で、返って驚いた。個々の事例も簡略化し過ぎのままそれを根拠として自論へ持っていく我田引水ぶりで、正直これはない。

  • 2024.02.07
    2017年に刊行された本だが、ロシアのウクライナ侵攻、ハマスとイスラエルの戦いが現在進行形のいま読むと示唆に富んでいることに驚く。すると、尖閣はどうなるのか!
    考えると恐ろしさしかないが、そういった「思考停止」状態こそ筆者の忌むところである。

  • 国連・NGO・他国の介入が、戦争を長引かせる−。戦略家エドワード・ルトワックが、その独特の戦争観から戦略論を展開する。2016年10月に行った6回のインタビューをもとにまとめた書。【「TRC MARC」の商品解説】

    関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40257574

  • タイトルが気になり本書を手に取ってみた。一見すると戦争する事で生み出される利益に注目する様な刺激的な内容を想像するタイトルだが、戦争は極力避けるべきという考え方に基づいて書かれている。
    筆者エドワード・ルトワックが1999年に記した同タイトルの論文について訳者のインタビュー形式にて日本語化されたもののようだ。全編にわたってベースとなる考え方は「パラドキシカル・ロジック(逆説的理論)」で、私の理解ではある一方向からみた正しさはその影響を受ける他方から見た場合、誤った見方になっているという点だろうか。良かれと思ってしている事が、実は物事の根本解決にはなっておらず、逆に本来望んでいる姿とは真逆の結果を引き起こしているという事だ。例に挙げられているものの一つに、一方的に攻撃を受けて、難民化した人々の難民キャンプを支援するNGOのケースである。食糧支援や過度の保護が、却ってキャンプ内の反撃者を増加させ、結果的に「一時的な停戦状態」を作れても、攻撃者に対する憎しみは「永久に消えない」といったものだ。こうしたパラドキシカル・ロジックを国家の戦略レベルに適用する必要性を説く。太平洋戦争での日本の真珠湾攻撃も部分的な戦術では勝利したが、最終的に日本への原子爆弾投下によって敗戦に繋がった。日本に足りなかったのは長期視点に基づく戦略があまりに甘い予想だった事もあるが、期待する同盟関係が全く役に立たなかった事が最終的な敗北に繋がった。当時同盟を結んでいたドイツ・イタリアは遥かに遠い存在であり、戦力的な面でも軍需支援もほぼ期待できない。ソ連との不可侵条約も中身が無く強固なものではないから(何より相手は簡単に裏切るソ連)、最後の最後で北方領土まで失った。日本は決定的に同盟の存在が足りてなかったと言える。ならば外交力であろうか。筆者は何より周辺諸国の情報を重視するが、これも我が国では耳が痛いインテリジェンスの話だから、当時のレーダー能力が示す様に、また現代においても期待は薄い。ならば対外的には意思をはっきり表示せよ、これは尖閣問題での中国に対する態度をはっきり示す必要性へと繋がる。
    いずれにしても、日本の周辺は北朝鮮に代表される危険な国、アジア最大の経済国となったが大国として安定性に欠ける中国、そして態度を明確にせずに安全に慢心しつつ自国経済最優先する韓国と、同盟相手になり得ない国家から、同盟関係を築いてもさして得られる利益の無い国家ばかり。当面はアメリカの軍事力頼みになるのは間違いないし、その結果戦後の高度成長の恩恵が得られたのも事実だ。
    筆者は日本の読者のためにか、戦国武将の武田信玄や徳川家康、織田信長も引き合いに出し、それらの戦い方や戦略における凄さにも着目している。遥か歴史上には優れたリーダーが多くいたが、再び世界に目を向け、今日本がとるべき戦略(大戦略)を真剣に考える時が来ていると、読みながら強く感じた。
    現在の敵は将来の味方、その逆、今の味方は将来の敵といった様に必ずしも近視眼的に相手を選ぶのでは無く同盟国は長期視点で選ぶべきであり、また仮に不安定で先読みの難しい状況では、一時的な利用と割り切る事も必要だ。そのベースには相手を知る深い情報と、グローバル化によって距離に関係なく地球規模で影響し合う国家間の力関係を見誤らない事が重要だと感じた。

  • 「戦争を無理に止めると平和はやってこないから最後までやらせろ」
    「西ヨーロッパの国々では人々の戦う気持ちが失われてるから人口が減少している」
    「アメリカはロシアを刺激するのではなく、ロシアとうまくやるべき。そのために、ウクライナの大統領を親露派にするなどの交渉をロシアに持ちかけるべき」
    主張が極論すぎる。

  • 戦略家であり国防アドバイザーでもあるらしい著者のインタビュー記事をまとめた本。読んでいる最中にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、こうも絶妙なタイミングで該当ジャンルの本に出合うもんかね、と、我ながら驚きつつ読了。

    著者は「戦争の目的は平和をもたらすことにある」と説く。戦争は人の夢や希望、野望によって始められ、戦争が進むにつれて資源や資産を消耗させるプロセスに発展し、当初の夢や野望が幻滅に変わっていき、最後には資源や資産が底をつき、人材が枯渇し、国庫が空になって戦争が終わり、その後の再建のプロセスの中で平和が訪れる、というのが著者の考え方。

    その「平和を作るプロセス」としての戦争に対し、中途半端に他国が干渉したりNGOなどが仲裁することで、資源や資産がしっかり消耗されず、戦争当事者間の合意が形成されず、「戦闘行為が凍結されたまま」火種がくすぶり続けるため、いつまでも平和が訪れない。だから、いったん戦争が始まったら当事者間で徹底的にやらせるべきだ、というのが、簡単にまとめると本書全体を通じての著者の主張になる。

    仲介者、仲裁者である第三者の国や組織が、責任を引き受ける覚悟無しに安易に独立を承認したり、片方に味方して強制的に調停を結んでしまうことは、結局は紛争を長引かせるだけだ、という著者の視点には、頷かざるを得ないところもある。特にアフガニスタンの混乱において、アメリカが打ち立てた政権をアフガニスタン人は決して認めないだろう、という主張は、タリバンが甦ってしまった今、事実を言い当てていたとするしかないだろう。

    それでも、私は著者の主張には賛成できない。

    著者はあくまで「戦略」としての戦争の有効性、あるいは必要性を述べているに過ぎない。これは、自らは手を汚さず、空調の効いた部屋でモニターを見ながら侵略を指示する指導者たちが見ている世界と変わらない。「ウクライナに平和をもたらすための戦いだ」というプロパガンダを流し続けるプーチンの思想と著者の主張は、不気味なまでに合致する。

    戦禍に巻き込まれ、肉親を目の前で吹き飛ばされ、それまでの平穏な日常が一瞬にして灰燼に帰し、人権を踏みにじられながら必死に生き延びる、「戦争に巻き込まれた人たち」の悲しみ、怒り、絶望を、著者は理解していない。理解しているのかもしれないが、少なくとも本書の主張において考慮はしていない。
    著者の主張は、極論すれば「国家戦略として必要である以上、戦争が行われている地域の人は死んでも構わない」ということになる。しかし、「戦略」と「人権」は相反するものではなく、どちらかを立てればどちらかが立たない、というものでもないはずだ。

    自らの身体、財産、地位に被害が及ばない、安全な場所から高見の見物を決め込んでいる著者の「戦略論」は、検証や議論の的として取り上げるにはいいかもしれないが、人としての尊厳と人権を尊重するにあたり、現実世界で実践されてはならないものだと思う。
    第三者による「中途半端な介入」が駄目ならば、「徹底的に当事者意識と責任を持った介入」であれば、戦争をやり尽くさなくても平和をもたらすことはできるのではないか。その可能性を模索せず、安易に戦争という暴力に希望を見出す著者の理論を、私は許容できない。

  • 「日本4.0 国家戦略の新しいリアル」(エドワード・ルトワック著。奥山真司訳。文春新書)
    読了。honto電子書籍にて。
     
    大変面白かった。いつ買ったか忘れたが、2018年9月刊ということで、もう2年経つものの、内容が新鮮に感じられるほどで、歴史の分析も含めた戦略論はとても参考になった。
     
    簡潔な文体で分かりやすく(訳者がうまいらしい)、何が正解か分からない世界の中で、一段高い視座で考える、または情報収集を含めて「探ること」の重要性をとらえられたように思う。
     
    読みやすいので、電子書籍のしおりは入れたが、必要な部分を読み直すこともやっていきたくなる、そんな良書と思いました。

  • 東2法経図・6F開架:319A/L97s//K

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著者プロフィール

ワシントンにある大手シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の上級アドバイザー。戦略家であり、歴史家、経済学者、国防アドバイザーとしての顔も持つ。国防省の官僚や軍のアドバイザー、そしてホワイトハウスの国家安全保障会議のメンバーを務めた経歴もあり。米国だけでなく、日本を含む世界各国の政府や高級士官学校でレクチャーやブリーフィングを行う。1942年、ルーマニアのトランシルヴァニア地方のアラド生まれ。イタリアやイギリス(英軍)で教育を受け、ロンドン大学(LSE)で経済学で学位を取った後、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学で1975年に博士号を取得。同年国防省長官府に任用される。専門は軍事史、軍事戦略研究、安全保障論。著書は約20ヵ国語に翻訳されている。邦訳には『クーデター入門』(徳間書店)、『ペンタゴン』(光文社)、『アメリカンドリームの終焉』(飛鳥新社)、『ターボ資本主義』(TBSブリタニカ)、『エドワード・ルトワックの戦略論』(毎日新聞社)、『自滅する中国』(芙蓉書房出版)、『中国4.0』(文春新書)、『戦争にチャンスを与えよ』(文春新書)がある。

「2018年 『ルトワックの”クーデター入門"』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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