殉死 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.51
  • (37)
  • (84)
  • (145)
  • (10)
  • (3)
本棚登録 : 641
感想 : 78
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105372

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 坂の上の雲を読んで、旅順攻略の指揮をとった乃木希典に興味を持って読んだ本。


    この本を読んで、乃木は思想家であって、軍人ではなかったということと、乃木の性質を知りつつ、旅順攻略の司令官という人事を行った陸軍というか山県有朋?がクソだったていうことがわかった。


    やっぱ、人には適材適所ってもんがあるんだよ、きっと。

  • 軍神の内面。

  • 軍人としては散々無能無能と書かれてるのだけど興味深い人物です。乃木希典。

  • 日露戦争の旅順攻撃で苦闘した乃木希典の殉死をテーマにした作品。
    司馬遼太郎自身にとって、好き嫌いを通り越して、自分の粘液が入っているような感じ、と表現されるほど、司馬遼太郎の乃木に対する感情が入り込んでいる。
    二部構成で、一部は旅順攻撃、二部は日露戦争後の殉死に至る経緯。一部の旅順攻撃については、坂の上の雲とほぼ同内容であるが、二部の経緯部分は、明治天皇と皇孫時代の昭和天皇に対する乃木の感情は主人と郎党のような関係であったことや、乃木が「おのれが是と信ずることが絶対心理であり、行動することに思想は完結する」という陽明学派の系譜に連なることなど、様々な観点から殉死に至る経緯を分析している。
    ページ数で言えば、文庫本170ページほどだが、非常に重厚な内容。

  • 乃木希典についての文章。

    軍人としての彼の無能を書き連ねているのに、どこか惹かれるものがあるのは、かれの人間としての魅力なんだろう。

    能力のない人間が指揮官となってしまったがゆえの日露戦争の不幸を呪うとすれば、そうした人間を幹部に据えた上層部にあるだろう。

    軍人としてではなく、ひとりの人間として見れば、確かに英雄というにふさわしいかもしれないが、


    かと言って、そうした彼の精神構造のみが一人歩きしてしまっているのは、どうかと思う。

  • 日露戦争で二百三高地の攻略を任された乃木将軍のことが書かれた本です。

    読めば読むほど乃木希助という人物の愚鈍さによって、若い兵士が命を落としたことに怒りがこみ上げてきます。

    要塞の攻略はこの方法しかなかったという歴史家もいますが、児玉源次郎が指揮をとってから事態は劇的に変化するわけですから、やっぱり乃木に任せていたら攻略は出来ていなかった思います。

    馬鹿な人は上に立ってはいけない!という戒めを教えてくれた本でした。

  • 下関に行く前に読もうと借りた。実際は行った後で読んだ。行く前に読めばよかったと後悔した。司馬さんがどんなに「無能乃木」を描いても、乃木さんは長府で愛されている。

  • 考えさせられる内容。
    だがこれが全て真実だと思うと思わぬしっぺ返しをくらう可能性がある。
    よくよく吟味しないと。

  • 乃木希典を全否定

  • みんな自分のみたいものしかみえない。
    私にも少ししかみえてないんだろうな。怖いことだ。
    せめて奢らずにいきたいと思います。

全78件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×