- Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167105372
感想・レビュー・書評
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先日偶々乃木神社に寄って、乃木大将夫妻殉死の間を観たので、読んでみた。
1967年の作品。翌1968年から『坂の上の雲』の連載がスタートするので、その草稿的な記述が多い。現に、一章に、『筆者自身の思考材料として書いた。』『筆者自身のための覚えがき』とある。
従って、『坂の上の雲』の中で、乃木大将を愚将としてこき下ろしている記述ぶりは変わらない。(というかこちらが先。)
が、明治帝になぜ愛されたか、児玉源太郎にも構ってもらえたか、という点については、不思議な納得感のある記述で、いろんなカリスマの在り方があるのだなと思う。
15分後に一緒に自決しよう、と突然道連れにされた妻静子は不憫。
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乃木将軍がまさかの萌えキャラでビックーリしました…好き!
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作者が今作を「思考の契機」と位置づけているように、小説らしくない。が、新書評論とも思えない。ただ
今作は確かに坂の上の雲の土台になったのだろう。陽明学にも注目したのは、鋭い視点だと思う。 -
この作品は、坂の上の雲より前に書かれているそうです。前半は坂の上の雲の旅順部分を再読している錯覚をしてしまうほど、似ています。
軍人としては無能でかつ不運の人、詩人としては一流というのが司馬遼太郎の乃木希典の下した評価のようです。
後半は奥さんの静子か共に自決するまでの心の動きが描かれています。
坂の上の雲ファンは、読むべき作品とおもいました。
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難解な言い回しに読み込めず。ただ、幼い頃、なにかと友達とくちずさんだうたをおもいだした。『陸軍の、乃木さんが、合戦す、すすめ、メジロ、ロシア...』、あとは出てこない。
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乃木将軍が無能か、有能なのかなどということはどうでもよいと思います。将軍が後を追うほど、明治帝が彼に与えたものとはなんだったんだろうと考えさせられます。
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理想、形式、美意識に傾倒。ドイツ留学で学んだことは、実務よりも制服をしっかり着る礼節や威厳など。日本の精神主義の恐ろしいところ。何より、こういう人を美しいと思うところが恐ろしい。
西郷に似ているが、西郷は、理想主義でも合理性もある。
実際に明治を回したのはゴリゴリの現実主義である大久保、陸軍では児玉という対比。しかし、われわれ日本人は理想主義の空っぽな前者を過剰評価してしまう。 -
毎日芸術賞
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「坂の上の雲」を読んだ後、司馬先生は乃木希典のことをあまりよく思っていないように感じたのだけど、これを読むと、実は一周回って大好きなんじゃないかと思えてきた。
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2019.5.2(木)¥100(20%引き)+税。
2019.5.9(木)。