新装版 竜馬がゆく (3) (文春文庫) (文春文庫 し 1-69)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105693

感想・レビュー・書評

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  • 行け行け竜馬。時代が自分を求めるまで待つ。そんな姿勢で生きてみたいものです。勝海舟と出会い、いよいよ竜馬が時代の要請に応えるべく、活動を始める一冊。竜馬の恋の行方にも興味津々です。

  • ◯いったん志を抱けば、この志にむかって事が進捗するような手段のみをとり、いやしくも弱気を発してはいけない。たとえその目的が成就できなくても、その目的への道中で死ぬべきだ。(410p)

    ★勝海舟と出会い、龍馬は表舞台に出る。おりょうとも出会う。

  • 再読中。脱藩後、竜馬は沢村と共に最終的に江戸へむかうが吉田東洋暗殺の疑いをかけられ藩から追われるはめに。そして伏見寺田屋では薩摩藩士による寺田屋事件が勃発。千葉道場に身を隠している竜馬は、急に勤王思想にかぶれた重太郎に引っ張られて開国派の幕臣・勝海舟を斬ろうと勝邸に出向くが、逆に勝に弟子入りすることに。

    桂小五郎が竜馬に話して聞かせた、薩長懇親会の荒れ具合には爆笑。剣舞を舞う周布政之助に畳を回す大久保利通、あげく西郷隆盛は・・・。司馬さんがどこまで読者を笑わすつもりで書いていたのかは不明ながら(でも関西人だし絶対無意識下に読者を笑かしたろと思ってた気はするのだけど)英雄豪傑を美談化するばかりでなくこうやってクスッとできる場面を作ってあるから、司馬さんの描く歴史上の人物には親近感が沸いちゃうんだよなあ。

    相変わらずモテまくりの竜馬の恋愛関係のほうは、終盤でついに大本命のおりょうさんが登場。

  • ヒロイン集結みたいになってるけど、それでいいのか女性に対する接し方…あの頃はそれでよかったのでしょうか。
    もしかしたら一番のヒロインは勝さんなのかもしれないけれどね。
    以蔵さんも可愛らしい。
    可愛らしいではすまないのだけど。

  • やっぱりおもしろいなぁ。時代だけに怖いと感じることもあるけれど、勝海舟と出会った場面だったり影響をうけているところは本当に生き生きとしている。重太郎さんをはじめ、みんなが竜馬にひきこまれていくのもすごい人間性の魅力があるんだろうな。とてもうらやましい。

  • なんとなくフラフラしていた竜馬が自分のやりたい事をみつけて動き出す巻。
    なんといっても勝海舟との出会いが一番なんだろうな。竜馬に「気づき」を与えた勝海舟の偉大さよ。

    そして、生涯の伴侶、おりょうさんとの出会いも!
    あんなに女性に奥手な竜馬が人前でハグしちゃうぐらいなんだから(このあたりも固定概念がない竜馬らしい)さぞ衝撃な出会いだったんだろうな。

    間に寺田屋騒動あり生麦事件あり(今年の大河でちらっとしか流されず意味がわからなかったんだけど、司馬先生のおかげで分かりました(笑))幕末に向けてガンガン話が進んでます。

    印象的なセリフ

    249
    「相手が幕臣であろうと乞食であろうと、教えを受けるべき人間なら俺は受けるわい」

    409
    「藤兵衛、人間はなんのために生きちょるかしっちょるか」
    と、竜馬は膳ごしにいった。
    「事をなすためじゃ。ただし、事をなすにあたっては、人の真似をしちゃいかん」

    430
    アメリカでは、大統領が下駄屋の暮らしの立つような政治をする。なぜといえば、下駄屋どもが大統領をえらぶからだ。おれはそういう日本をつくる


    あと、個人的なツボ

    234
    「岡健、やる気が」
    「いや、逃げる用意じゃ」

    竜馬とのこういうやりとり、大好き。

  • 2018/9 2冊目(2018年通算128冊目)。龍馬の行く道を決定づけた勝海舟と出会う。薩摩や長州とは違う道で、「日本」という国を作ろうと奮闘する龍馬。その道は、読んでいるとこの時代にはなかった新しいものを作り上げようとする行動、この点が龍馬が支持される所以なのかなとも思える。物語的にはいよいよ面白くなってきた。続きを読んでいきたいと思う。

  • 日本史は好きだったけど、坂本竜馬の活躍なんかは戦国武将同様あまり扱われないから知らない分野だったがソフトバンク損社長が、竜馬がゆくを読んでいてもたってもいられなくて海外留学したエピソードを知って、読み始めてみた。1、2巻はあまりぱっとしなかった(その実力を持て余してぶらぶらしている竜馬のエピソードが多かった)が、3巻以降はどんどんおもしろくなりそう…読むスピードも上がってきた。

    攘夷が一種の流行になっていて、竜馬は腹の底では別の考えを持ちながらも、人に合わせてだらだらとした日を送っている。そんなとき、幕臣勝海舟と出会う。千葉重太郎が勝を暗殺したいというのでついて行くが、勝の開国論に魅力されて即弟子入り。勝から軍艦や外国のことについて学ぶようになる。先生には土佐出身のジョン万次郎も。このときから自分の船を持ちたい、と思い始めていた竜馬の人生がはじまる。28歳。割と遅咲き。竜馬のことを気に入った勝海舟のはからいで土佐藩内の脱藩の罪を解いてもらい、軍艦の塾、を兵庫の生田に勝と作るために奔走しはじめる。そして火事でのおりょうとの出会い。こんな出会いだったとは知らなかった。。海兵隊をつくるためにまず向かったのは越前福井藩、家来の由利公正(五箇条のご誓文の起草者)を通じて利口な藩主から5千両を借りる。これは勝から教えてもらった日本の株式会社、の始まりでもありのちの岩崎弥太郎の三菱。

  • 脱藩後、道が定まりきらなかった竜馬が勝海舟と運命的な出会いを果たし、自分の成すべき道がより明確になり物語はスピードを増していく。竜馬は勝海舟と共にし、他の尊皇攘夷志士たちとは一線を画した考えを持ち、神戸海軍操練所の設立に至る。ペリー来航時も黒船を見て周りが恐れ慄く中、あの船に乗りたいと言っていた竜馬は、自身で艦隊を作って幕府を倒し日本を変えるという想いが日に日に確固たるものになっていく。「人間は何のために生きているか。事を成すためだ。志を抱けばそこに向かって事が進捗するようにのみ動く。目的が成就できなくても目的への道中で死ぬべきだ。」というこの巻で出て来る竜馬の言葉は非常に印象的だった。志を抱かない者、志を抱いても途中で投げ出してしまう者、確固たる志を持ち貫ける者が最も少ないように思う。その中で、この言葉を言ってのけ、この言葉通りに生きた竜馬に真の強さを感じた。

  • 三菱財閥の創始者、岩崎弥太郎か竜馬を追い江戸へ下るところから、運命の人、おりょうとの親密なエピソードまでを描く第3巻。
    史実に忠実に描かれているようで数々の文献を紹介していながらもわからないところは素直にそう書かれている。
    ストーリー運びといい、余談といいとても読みやすくかつ面白い。西郷の、薩長の宴席での余興に思わず笑いました。その他、「姉ちゃんが札入れですか」などシリアスな展開の中でも時よりクスリとさせるところも多い。勝海舟、由利公正、ジョン万次郎、大山巌などビッグネームも多く出て来て知的好奇心をくすぐります。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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