新装版 坂の上の雲 (2) (文春文庫)

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著者 : 司馬遼太郎
  • 文藝春秋 (1999年1月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105778

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新装版 坂の上の雲 (2) (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 明治中期(日露戦争の手前)俳句の正岡子規、陸海軍人である秋山兄弟、それぞれが己の進路を見定めた。これからがむしゃらに走る。

  • 少し急ぎ目で読んでも、かなり時間がかかった。日清戰争、日露戰争に向かう過程を「ふんふん」と読んで堪能したつもりでいるが、いざ読み終わってみるとなんだかわからなくなっている。色んな国の思惑があり、同じ国の中でも色んな人がいて、おそらく忠実に描いているだけに複雑。著者も日清戰争の理由について触れるとき「歴史科学は善玉と悪玉に分けようとする性質があるが、歴史にそのような区分をつけると見誤る」というような趣旨の事を言っていて、その通りだなと思う。

  • 日本史の中でも、あまり興味なかった、日清戰争〜北清事変。真之の米国調査中に発生する米西戰争。帝国主義真っ盛りの欧米列強国から見たアジア、アメリカ。また、ロシアの極東侵略。何故日本がロシアと戦うことになったのか…
    正岡子規の病床でのホトトギスの執筆。病状悪化。写生主義を貫くその精神が人を集めるのか…
    好古の人生哲学に共感。

  • 日本人すごい。

    日本人は努力する、日本人は頭がいい
    と外国におるとよくいわれる。
    世界中に日本車の車や電子機器がいっぱい出回っとるのが所以やと思う。
    でも、そこに行きつくまでには日本人の民族性があったからこそやとすごく感じさせられた。
    そこまで作り上げてきた日本人に対して、本当に敬意を感じる。

    それを伝えてくれる司馬遼太郎にも敬意を感じまくっている。

  • この章の最後にある 司馬遼太郎の言葉に「日露戦争に勝って、舞い上がった気持ちが、昭和の戦争につながり原爆を落とされてしまったかも知れない。」
    という意味が少しだけ理解できました。 この戦争は英雄達というが、市民の実情が描かれていないので、実際はかなりひもじい時期が長く続いたのではとも著書を読んで思う所です。

  • 近代日本初の対外戦争となる日清戦争と、近代短歌確立のため旧弊勢力への論証を仕掛ける正岡子規。共に鍵となるのが規制概念に対する新しい思考を貫こうとする意思の強さ。旧態依然の体質で衰退する清国やスペインが象徴的。目標に向け一途に邁進する明治日本人の姿勢が実に眩しい。

  • 司馬遼太郎はやはり面白い。
    畦道に落ちた馬糞が真夏の太陽に焼かれてにおってくるような熱気を感じる。

  • 平易な表現で書いてあり、読みやすく面白い。

    日本やアメリカが新興国であった頃。16世紀に無敵艦隊を誇ったスペインはイギリスにとってかわられ、清やロシアはその国家体制が古びてほころんでいたころ。

    海軍も幹部候補生を留学に送り出したようだが、その人材の育て様は、おおらかであった分、本人たちに裁量権があったようで、やりがいがあったに違いない。

    一方、この時代にも固定観念にとらわれた「かきがら」はいたはずで、維新の功労者たる彼らは、その後どういう処遇に生きたのか。

  • 日清戦争での勝利、真之のアメリカでの留学の様子、子規の文学活動、三国干渉、義和団事件を経て日露戦争の足音が聞こえてくるまで。

    山川の日本史教科書では「日本軍は、清国軍を朝鮮から駆逐するとさらに遼東半島を占領し、清国の北洋艦隊を黄海海戦で撃破し、根拠地の威海衛を占領した」と一行で記述されている箇所に150ページ近くを費やして詳細に描写している。

  • この巻は日清戦争とその後の三国干渉を経て、日露衝突が近くなるまでが内容。

    後の日本軍部の大物が、この戦争では現場で指揮官やってたり、清国側の政治構造と軍の関係、黄海海戦の動きなど、詳細な情報を知れて、全体的に深められた。

    正岡子規は病床の中、俳句短歌の革新に本格的に乗り出していく。
    自らの生命が短いことを自覚し、その運命に苦しみながらも、熱い思いで革新の動きをしていくのは、まじで格好いい。


    激動の明治世代でも、この時期の人達のアツさには感化されずにはいられないな

  • 長所も短所も含めた登場人物たちの姿が描かれており、読みやすい。ただ、戦争の描写が淡々とし過ぎてややリアリティに欠ける。

  • 明治27年(1894)子規の退学と「日本」入社、日清戦争〜明治36年(1903)ベゾブラゾフの宮廷工作、ニコライ2世の保養海外旅行。

    ついに戦争が起こった。一巻とはうってかわって世界がぐんと広がった。日清戦争ではテレビでは扱われなかった、海上での具体的作戦を知る事ができたし、なにより清国側の腐敗、丁汝昌の悲劇ぶりが凄まじかった。これは小説にしか取り上げられてないので原作の特典のひとつ。米西戦争のセルベラ少将も同様に悲劇的であった。

    また、軍事色が濃くなる2巻だからこそ、子規の生活、くだりが一巻以上に際立って面白く感じた。
    これはドラマの中での子規の台詞ー
    「こうして世間と戦っておると、その反面、のどかなという風な趣に強くひかれるときがある」という言葉にも凝縮されているように、この小説では戦いと日常お互いを引き立てるために相互が本当にうまく化学反応を起こしていると思う。

    また、原作にはないドラマのよかったところは多美との結婚するときのくだり。好古のドラマでのプロポーズがなんともいえない心地よさでした。

    司馬さんの小説は土地勘の強いものが多く、その点においてもドラマと重複して読む事でイメージがつきやすくなる相乗効果を生み出していると思う。

    まとまらないけどもあとはやはり人物の個性の豊かさに感情移入してしまう。子規、小村寿太郎、ウィッテ等々。

    ドラマの第二部に突入!!

  • 日清戦争から日露戦争の兆しの見える時代を描く第2巻。主人公の3人がそれぞれが自己に課した目的に向けて邁進する期間でもある。やはり正岡子規の姿に胸を打たれる。

  • 正岡子規という人にすごく魅力を感じた。外をで歩くのが好きで、人とつるむのが好きな子規が、病床にしばられる。いっぽう海軍に入って海外で様々なものを見聞きしている真之は、文学をやりたかったという志を思い出したくなくて「心に錠をおろしている」という。そして、彼はまた俳句の既成概念をひっくり返そうとしている子規のエネルギーに圧倒される。環境がどうであれ、人は感受性によって自分の世界を広げられるんだなと思った。

  • 歴史的な事実を追う場面が多く。少し読むのが大変でした。

  • 原作も面白いが、ドラマはよく膨らませてある、と思う。特に好古の妻の描写なんて、ほんのちょっとしかない。その逆に原作にあるエピソードをカットしてあるのは惜しいなーと思いつつ、これを読むと実によくできたドラマといわざるを得ない。(実は腐女子がさぞかし騒いだろうと思っていたのに、ちっとも話題になっていないので逆に驚いた)
    それにしても、アメリカもロシアも、全っ然変わっていないのに笑う。特にアメリカ。まあ、向こうからしたら、日本もそうかもしれんけど。国民性って、そう簡単に変わるもんじゃないわけね。

  • 第一巻が主要三人物と時代背景のイントロダクションを主としたのに対し、第二巻は実戦の様子やそれに伴う戦術や艦隊についての説明のウエイトがぐっと増え、なんとか読み切ったという感じ。頭が凝った。ただ日清戦争や米西戦争について、いきさつがよくわかる。

  • 4月9日読了。第2巻。日清戦争の顛末と、秋山兄弟の軍人としての目覚め・存在感を増す様子と、病魔に冒された正岡子規の編集長としての才能の発揮が描かれる。凡百の作家なら日清戦争⇒日露戦争の大局と主要人物を描くだけでいっぱいになるところ、正岡子規や日本の文壇・俳句会までも物語に組み入れているのはやはりこの作者の凄みだと思う。「戦争」はあくまで外交の手段であり、国が国として主権を主張するためにはやむをえない局面もあるのだな・・・これは現在も変わらない話だが。当時の欧米列強・ロシアの横暴には目に余るものがあり、読んでいくと「日本!やったれ!」という気持ちになるが・・・複雑な心持でもある。艦隊戦の描写が、緻密だが饒舌すぎずすばらしいバランス。まだ6冊ある、先が楽しみ。

  • 正岡子規の、周りが敵だらけという環境でもひるまず、
    意思を貫き通すという生き方に感動した。

    どんな時代、環境であれ、
    心が折れず、他人の意見に負けずに常に強い精神を持って
    生きていける人間は素晴らしいと思う。

  • 己の生きる道を模索していた一巻と比べ、主として日清戦争を描いていることから、軍事オタクではない私にとっては少々読み辛かった。日清戦争の舞台となった旅順、威海衛などの地名は日本史の近代史で勉強して以来なのでイメージが涌かず、地図を片手に2度繰り返し読んでようやく流れが理解できた。
    以下に興味深かった文章をいくつか引用したい。

    ・この当時の日本は、個人の立身出世ということが、この新興国家の目的に合致したという時代であり、青年はすべからく大臣や大将、博士にならなければならず、大志にむかって勉強することが疑いもない正義とされていた。
    →ある意味単純で幸せなのかもしれない。現代では必死に勉強して一流企業のサラリーマンや高級官僚となっても、それが社会に貢献してるという実感が得られにくい。そんな悩みから目標を定めきれない若者が少なからず存在している。それだけ社会が複雑化してきたということなのだろうか。

    ・「人間は友をえらばんといけんぞな。正しく学問の出来る人を周りに持つのと持たんのとでは一生がちごうてくるぞな。」
    →正岡子規が就職先に悩む後輩にしたアドバイスである。新聞社への就職を希望する後輩は月給の高い「朝日新聞」と安い「日本」とで選択に悩んでいるが、正岡子規は、給料の多寡よりも質的マンパワーを基準に選べと説いている。正しく正論だ。目先の待遇よりも職場環境が最も大切であるのは現代でも変わらないと思う。

    ・「派閥抗争は老朽した国家の特徴である。彼らは敵より味方の中の他閥をはるかに憎む」
    →日清戦争に際して米国人ホーウィーが清に対して嘆いた言葉である。これはそのまま企業にもあてはまる。対立すべきは企業外の他社であるべきはずが、ややもすると自社内の他部門であったりしてしまう。企業戦略的には、それを利用して老舗企業に競争を挑めば勝ち目はあるのだろう。

    ・国家を動かしている少壮の連中は、自分の一日の怠慢が国家の進運を一日遅らせるという緊張感の中で日常業務をすすめていた。
    →今、そんな危機感をもって仕事をしている人間が、官民問わずどれだけ存在するだろうか。少なくとも今の私にはない。逆に、メンタルヘルス対策として「あなた一人休んだところで会社はちゃんと回っていく」という概念を普及すべしという流れが強い。時代が違うということで片付けて良いのだろうか。

    ・日清戦争後、好古は「みなで凱旋祝いをやれ」と戦争中の数カ月分の給料袋をすべて部下に手渡してしまった。明治陸軍の草分けのころに生きた男は、金銭については常にこのようであり、留守宅の生活費ということについてはほとんど留意しないという習慣があった。
    →さすが人の上に立つ者。格好いい。だが私にはそんな真似はできない。

    ・この頃(明治時代)のアメリカ海軍は世界の二流かそれ以下でしかない。ヨーロッパ風の帝国主義は、アメリカ国家の風土とあっていない。国内に未開(フロンティア)が多く、それをアメリカ化していくことで十分であり、外交的にも19世紀前半いっぱいは孤立主義をとっていた。こういった国情のもとでは、海軍が大拡充される必然性がない。
    →なるほど、国内に未開の地があれば外に出る必要がないわけである。開拓し終えた19世紀中盤から遅まきの帝国主義国として追い上げていったのだ。

    ・「人間の頭に上下などはない。要点をつかむという能力と、不要不急のものは切り捨てるという大胆さだけが問題だ。従って、物事ができる、できぬというのは頭ではなく性格だ。」
    →真之が海軍兵学校時代に同期に語った言葉である。仕事でも勉強でも要点把握術は有効である。私は頭の回転が遅いと自覚しているが、諦めずこの術を身につけようと思う。

    ・「得た知識を分解し、自分で編成しなおし、自分で自分なりの原理原則を打ち立てる... 続きを読む

  • 日清戦争から日露開戦前まで
    説明が多いのにやっぱり物語だなと思わせるところがすごいです。

    明治という時代が何だか羨ましい感じもします。
    日本国民という意識、ナショナリズムが高揚した時代の勢いというものを感じます。
    転換期にある現代の日本を考えざるを得ません。

  • この時代の背景が詳しく書かれており、歴史が楽しくなる。ロシアの動きがおもしろい。

  • 世界と戦うためにも日本人は読んだほうがいいと思う。サッカーの岡田監督も南アに持っていった本。

  • 時代は日清戦争からロシアの南下、義和団の乱、北清事変へ。ロシアの強かさと欲望、またその他列強の帝国主義、アメリカの「善意」に戦慄の走る第2巻。改めて世界の恐ろしさを知る想いです。余談ですがニコライ2世って「オルフェウスの窓」で影薄いイメージがあったんですがこういう人だったのか…。もし一人の大馬鹿な日本人がいなければ日露戦争はもう少し避けられたのか…とも思いました。面白いなあもう。

  • 日清戦争が終わった。正岡子規も他界した。日英同盟も結んだ。日露戦争がもうすぐ開戦しそうだがまだ二巻を終えたばかり。

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戦争が勃発した…。世界を吹き荒れる帝国主義の嵐は、維新からわずか二十数年の小国を根底からゆさぶり、日本は朝鮮をめぐって大国「清」と交戦状態に突入する。陸軍少佐秋山好古は騎兵を率い、海軍少尉真之も洋上に出撃した。一方正岡子規は胸を病みながらも近代短歌・俳句を確立しようと、旧弊な勢力との対決を決意する。

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