新装版 坂の上の雲 (5) (文春文庫) (文春文庫 し 1-80)
- 文藝春秋 (1999年2月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167105808
感想・レビュー・書評
-
二百三高地の激戦の話は聞いたことがあったが、日露戦争において、日本軍がいかに分不相応な戦をしようとし、いかに多くの日本兵を無駄死にさせたか、改めて思い知った。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
乃木将軍って戦が上手じゃなかったの⁉︎
-
正岡子規はもとより秋山兄弟さえもほとんど出ない巻です。しかし、日露戦を追っていく中では重要な巻。読みごたえがあります。
-
激戦はますます佳境となり、その凄まじさ、彼我の犠牲者の数の多さには驚きと傷ましさしかない。
何千何万の兵士達のそれぞれの人生を思うと気が遠くなります。
余談なのですが、司馬遼太郎氏の小説は、その流れの中で、『余談だが』『先に述べた』『話を元に戻す』『○○は既に述べた』、など出来事が前後したり、ある人物を掘り下げたり、色々な要素が盛り込まれて話に奥行きが出て、話は長いがとても面白くて引き込まれてしまう大学教授の講義を受けている様な印象を受けます。私だけかも知れませんが(笑)。 -
大学2年または3年の時、同期から「読んだこともないの?」と言われてくやしくて読んだ。
長くかかったことだけを覚えている。
文庫本は実家にあるか、売却した。
そして2009年のNHKドラマの数年前にまた入手して読んだ。
秋山好古・真之、正岡子規について、初期など部分的に爽快感はあるが、とにかく二百三高地の長く暗い場面の印象が強い。
読むのにとても時間がかかった。
その後3回目を読んだ。
バルチック艦隊の軌跡など勉強になる点はある。なお現職の同僚が、バルチック艦隊を見つけて通報した者の子孫であることを知った。
いずれまた読んでみようと思う。(2021.9.7)
※売却済み -
乃木希典、児玉源太郎、ロジェストヴェンスキー、ステッセル、、、大将の人間味を丁寧に描いてます。
-
ロシア軍が一旦戦闘を休止するために、白旗を掲げた時に、日本兵、ロシア兵が抱き合って喜んだというシーンが印象的でした。
軍人とはいえど、本当に揉めているのは人同士ではなく、国同士でしかないということですね。
ロシア軍内部のまとまりのなさも見えてきました。 -
ようやく旅順陥落の5巻
乃木に代わってやってきた児玉の漢っぷりがかっこよかった巻に尽きるかなあ、と個人的には思います。師団の参謀たちを叱り飛ばし、それでいて長年の友である乃木への気遣いを忘れない。そんな姿がかっこよかったです。
旅順陥落後の日本軍とロシア軍の会談の場面も印象的でした。戦時下の将軍同士の会話なんて、もっとぎすぎすしたものかと思っていましたが、
お互いに相手のことを認め合っている節があって、兵器が戦争の主軸になり始めた近代の戦争と違ってまだわずかながらも、戦争に情のあった時代だったのかもしれないですね。
また停戦後日本兵とロシア兵が抱き合ったり酒を酌み交わしていた、という記述が印象的でした。勝利も敗北も関係なく、戦闘が終わったという解放感からの出来事と書いてあるのですがそれが真実だとすると、改めて戦争って何なのかな、と思ってしまいます。
説明的記述がまた増え始めてきたのが少し辛いところですが、ロシアの石炭事情や外交事情などいろいろな見方がされていてそちらも興味深かったです。