新装版 坂の上の雲 (8) (文春文庫)

  • 3474人登録
  • 4.10評価
    • (614)
    • (290)
    • (441)
    • (11)
    • (6)
  • 268レビュー
著者 : 司馬遼太郎
  • 文藝春秋 (1999年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167105839

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

新装版 坂の上の雲 (8) (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • ‪読み終えた。長かった… やっと積読中の本読める。‬司馬遼太郎読んだことないから、一作くらいはと思って読んだけど、やっぱり苦手。お勉強にはなったけど、だからなんだと。子規についての本をがっつり読みたいとか、真之のその後とかをがっつり読みたい。まあ、読んだ。やれやれ。
    蛇足ながら、こんなゴミみたいな解説と題された駄文を付け続けるのはどうなのか。

  • 2017.04.26読了。

  •  日本海海戦。この日露戦における唯一かつ最後の完勝が、従前の薄氷を踏む辛勝、勝ちを拾い続けてきた事実を完全に隠蔽したのか?。
     日露の実力面・現実面でみると、辛勝とは言いながら、互角の近い勝負を展開してきた陸軍の成果は出来過ぎではある。しかしながら、客観的に見て陸軍の現実は、余りに派手な海軍の成果に比して、お粗末に見えるのも事実だ。その一見お粗末に思える状況を、素晴らしい成果に仕立て粉飾する必要があった。
     それが日露の陸軍会戦や要塞攻略の問題点や実、また銃火器・砲兵の重要性という当然のことを軽視する方向で歪曲したのではという印象を強くする。

     ところで、ここで筆をおくのはどうなのか。
     日露戦では、実は最も重要な、ポーツマス条約締結の描写がないのはどうなんだろうという疑義も。吉村昭の小説で補完しなければなるまい。


     全8巻中の第8巻。
     なお、産経新聞の夕刊連載小説であったことは付言しておく。

  •  蘊蓄と余談に溢れた長ーい日露戦争物語。 この時代の空気感をお腹いっぱい味わうことができた。
     思っている以上に、同じ時代を生きる人達は似ているのかもしれない。 それは、いつの時代にも特有の悩みと希望と使命が存在するからだと思う。 それらを無意識に共有している人達は、その行動(何をやり何をやらないか)は千差万別であれど、やはり根底的な部分で似ている。
     作者は、あとがきにおいて、主人公二人についてこう述べている。「この兄弟がいなければあるいは日本列島は朝鮮半島もふくめてロシア領になっていたかもしれないという大げさな想像はできぬことはないが、かれらがいなければいないで、この時代の他の平均的時代人がその席をうずめていたにちがいない」  
     そういうことなんだろう。

     現代、満員電車で乗り合わせるあの人もあの人も、社会を変える大きな動力となっているあの人もあの人も、僕に似ているはずなのだ。 少なくとも、違う時代を生きてもうこの世にいない祖父母よりも。
     そう思うと、同時代を生きる人への愛情と、この時代を生きる人としての使命感が、小さな泡のように立ちのぼってくる気がした。

  • 秋山好古が主人公って言う奴いるけど日露戦争が主人公だろ?正岡子規が死んでからがこの小説の始まり。そこまでが長くてくそつまんないけど。開戦してからの面白さったらなかった。やっぱ勝ち戦題材だから面白いよね

  • ついにバルチック艦隊との日本海決戦。完全勝利の爽快感にため息が出る。後日談の虚しさとの対比も鮮やか。

    全巻通しての感想。当初、この物語は秋山兄弟ならびに正岡子規という3人の青年を追いながら、近代日本の青年期ともいうべき明治時代を描き出すものだと思わせたし、作者もそのつもりで書き始めたと思われる。

    しかし子規は早々に病没。話がすすむにつれ、秋山兄弟も戦場の男たちの中に埋没してゆき、個人の心情や生き様とは無縁の戦争の経過に焦点が当てられていくことになる。その点でこの作品は、小説的というよりはむしろ叙事詩的、緻密というよりは荒削り、個々の人物に寄り添うというよりは、とあるがむしゃらな時代の様相を味わうものと捉えたほうがよさそうだ。

    もう少し全体を俯瞰して書き進められていたら、もう少し個々の人物が深められていたら、その完成度は如何ばかりだったろうとつい考えてしまう。しかし全8巻の大作を苦もなくぐいぐいと読ませてしまうのだから、これは自分にとって間違いなく面白い作品であった。

  • ついにロシアのバルチック艦隊が対馬沖に到来する。満を持して迎え撃つ、司令長官・東郷平八郎が率いる連合艦隊。真之の参謀としての実力がいかんなく発揮される。

    日本を勝利に導いた有名な海戦についての詳細を知り、興奮した。あのロシアを相手に完勝できたなんて。陸軍とは違い、海軍では適材適所の人事だったことがよくわかる。

  • 最後はどんどんロシアの戦艦を沈めてお終い。
    クライマックスのはずだが、盛り上がりに欠けるように思うのは、記載が淡々としており、場面がめまぐるしくかわるからだろうか。
    あとがきに書いてあった歴史とは誰が作り、どのように認識されるのかという点については興味深かった。また、巷では色々と言われているが、本人は本気で歴史を正しく書こうとしていたことはよくわかった。

  • 最初に読みたいと思ってから4,5年かけて(2回途中で挫折したため)ようやく読破。それだけに8巻で東郷艦隊とバルチック艦隊が海戦を始めた時には電車の中で興奮が収まらなかった。
    坂の上の雲は日本人とは何かという主題のもと書かれている作品である。それを正岡子規、秋山好古、秋山真之という3人の人物を通して描いている。司馬遼太郎はあくまでも明治時代の日本人を描こうとしているため、陸軍や海軍という組織についての描写も多く、非常に濃厚。私は1,2巻あたりにあるこの小説の雰囲気が好き(特に正岡子規に関する描写。病気の中身の回りにあることに関して感性が研ぎ澄まされていく様子が好き。)でそれだけに途中日清戦争や日露戦争の旅順攻略の場面は読んでいて辛くなる時があった。しかしそれに耐えて8巻に到達した時の8巻目の持つ破壊力は他のどの本でも味わえないものである。結局主人公三人の成長過程、日清戦争や日露戦争の序盤があってからこその8巻の読み応えなのである。
    一度読んだだけでは日本人とは何かということに関して私はまだぼんやりとしか見えてきていない。それだけに何回でも読んで新しい発見のある小説だと思う。これから読み返して司馬遼太郎の説く日本人を見つけたい。世界との境界線が曖昧になる近年だからこそ日本人とは何かということは自分の中で持つ必要があると思うからだ。

  • 四国を旅行してから興味を持ち、
    時には少しずつ、時には一気に読み進めて
    ついに文庫版全8巻読破しました。

    愛媛県松山出身の秋山兄弟と正岡子規を主人公に
    日露戦争から見る日本を描いた作品

    初めての歴史小説、初めての司馬遼太郎
    感想がいろいろありすぎるけど特に思ったことを

    「戦争とは買っても負けても虚しいもの」
    これは本文中にあった言葉

    それぞれの大将、東郷とロジェストウェンスキーが
    最初で最期の対面をするシーンで、本当にそう思った

    失敗すれば国や大量の命がなくなるという
    超ハイリスクを背負っているのに
    ほとんどそのリターンが見込めないのだから
    (その当時の民衆は開戦気分で気づいていなかったけど)

    「適材適所の重要性」
    この小説読んで強烈に思ったこと

    人には性格とか立場とか思想とかいろいろある
    どんなに完璧に見える人でも短所や不得意なこともある
    目立たないやつが役立たないとは限らない

    役割を与えられて生き生きする人がいれば、
    立場にあぐらかくやつもいる

    せっかく能力を持っていても場所が悪ければ活かせない
    場所がよければわずかな特技が活かせるかもしれない

    日本という国の存亡をかけて
    今じゃ考えられないほど莫大な量の
    人やものやお金を投入したこの戦争

    ロシアという強大な国となんとか渡り合うには、
    できるだけ正確に、そして臨機応変に
    作戦を遂行しなければならない

    そんな超巨大プロジェクトで最も重要だったのは
    どこにどんな人を配置するかだと思った

    あと最後、「謙虚でいることの難しさ」も

    この巨大な作戦遂行の歯車をなんとか
    きちんと噛み合ったままにしたのは
    東郷や好古が持っていた謙虚さにあるような気がする

    まだまだ感想は語り尽くせないけどこのへんで
    歴史の授業で習う部分なんて、出来事全体の
    0.1% ぐらいにしか満たない情報量なんだろうな
    これをまとめあげた作者は本当に超人的

    作者の40才代がこの作品の調査・執筆のために
    ほとんど費やされたというのも納得です

  • 文庫本で全8巻。NHKのドラマを見てから、読み始めたが、やはり、ドラマとは全く別物。現在の日本だからこそ、読むべき小説。

  • 労作。

    話が脇に流れることが多いこと、誇張が多いことが気になった。

  • 対馬海峡において
    バルチック艦隊と日本海軍の戦闘の火蓋が開かれた。日本の圧勝で終わった。

    物量では圧倒的に劣っているもののその腐敗的というか官僚主義的なロシア
    近代化に向けて走り出して直ぐ国家存亡危機を背負った日本

    教科書のような内容だったが面白かった。


    敵艦見ユトノ警報ニ接シ、聯合艦隊ハ直ニ出動、之ヲ撃滅セントス
    本日天気晴朗ナレドモ浪高シ

  •  日露戦争もいよいよ最終局面。バルチック艦隊と日本海軍の海戦を描く最終巻。

     国の威信と命運を懸けた海戦の読み応えはすごい! 砲弾の打ち合いということはもちろんですが、なにより興奮するのは一瞬の判断が勝敗を大きく左右したということ。こうした歴史的に大きな事件も行き着くところに行き着くと、結局は人の一瞬の判断だとか、その人が持っている性質とかに行き着くのだろうな、と思いました。

     8巻まで読んできましたが、情報量がやっぱりすごい。今巻も当日の気象の話や、艦隊を実際に見た、という人の証言まで入っていたのが驚きでした。この本が書かれた時は、まだ日露戦争にも生き証人がいたんですね。平成生まれの自分からすると全く想像がつかないです。

     右翼だとか左翼だとかを抜きにして、国のために懸命に戦う人たちの姿は本当にかっこよく、強い感銘を受けました。国を背負っている、とまではいかないまでも、自分も日々を一生懸命に生き、物事に向かいあいたいと強く思わされました。 

  • 国家とは何か?
    民族とは何か?
    個人とは何か?
    この作品を読んで、わずか100年でこんなにも人類の在り様が変わるのか、と感じずにいられない。

  • 日本海海戦、そして物語は終章へ。

    日本海軍の圧勝と、帰港後の旗艦三笠の自爆。

    日露戦争は日本側の勝利とされたけれども、とても喜べない状態のまま、物語は終わります。

    歴史の一場面にふれられたような興奮と、もの悲しさを感じた物語でした。

  • もちろん、本編があってこそ活きるんでしょうが、作者の主張は本館に纏められた6つのあとがき+αに集約されている気がする。極端な話、読んでいて一番楽しめた部分かも。そんなことじゃイカンですけど。それにしても、徹頭徹尾、ロシアが自滅してくれた感が大きい戦争だったんですね。最後の海戦に関しては、地力でもぎ取った勝利と思いましたが、それでもあそこまでの完勝が得られたのは、相手の指揮官が自滅した部分もやっぱり大きいみたいだし。最後まで読んで感じたことは、やっぱり戦争ものは自分に合いませんでした。戦争と平和、とかいう意味でなく、機械同士の戦いがどうしても… 人と人の知力・武力がせめぎ合う、中世以前の物語が好きです。という訳で、次の歴史ものはそういうのにいこうかな。

  • 本を書くために一人でこれだけのことを調べた司馬先生は、偉大だと思います。あとがきも印象深かったです。

  • 司馬さんの意図もそうであったように、私なりに15年戦争を念頭において読みました。日露戦争、満州事変、日米開戦、事実を振り返ればそれぞれの基点で時の政府は消極的であり、むしろ反対していたということ。そうであるのにその後に向かえる国民的な熱狂と悲惨な戦況の事実、その隠蔽ともいえるような戦後の総括の不徹底と不明瞭さ。悲しいくらいに共通点があるうえ、より悪化しているなぁ、と…。日本人という民族のあいまいさというものに対する見方や考え方をも含めて日本国民というものについて考えさせられた。

  • 日露戦争クライマックスの日本海海戦。日本が完勝しただけに一番読み応えがある。
    先の70年談話にも影響を大きな影響を与えた(はず?)の司馬史観のベースとなったシリーズ。小説とは言え、膨大な資料をもとに展開されていて、説得力が強く、そう簡単にこの史観は覆らないと思う。ただ、細かい逸話(特に児玉が旅順で秘密裏に指揮権を奪ったところとか)は、研究が進んだ今となっては事実とはいえないものもあるようなので、他の書物もぼちぼちとあたってみたい。

  • 全8巻を読了。最後のバルチック艦隊との決戦と勝利のくだりは、まさに息もつかせぬ展開。歴史的事実を積み重ね、過度な描写を排し、淡々とした語り口でここまで読ませるというのは、さすがにすごい。

    戦後70年ということで、太平洋戦争を振り返る本などが多く出ているようです。ただ、やはり太平洋戦争を理解するためには。そこに至るまでの明治維新から日露戦争までの経緯、国際情勢を知ることは重要だと改めて感じました。欧米列強の帝国主義の中で、日本は本当にきわめてギリギリで生き残り、しかし最後に崩壊した。政策、経済、リーダーシップ、マスコミ、そして国民の意識と、この歴史から学ぶところはあまりに多い。

    現在の安全保障をめぐる議論も、内向きの議論だけではなく、広く国際情勢を眺め、各方面からバランスのとれた議論ができるとよいのだが、と感じます。

  • 要するに、ロシアはみずからに敗けたところが多く、日本はそのすぐれた計画性と敵軍のそのような事情のためにきわどい勝利をひろいつづけたというのが日露戦争であろう。
    戦後の日本は、この冷厳な相対関係を国民に教えようとせず、国民もそれを知ろうとはしなかった。むしろ勝利を絶対化し、日本軍の神秘的強さを信仰するようになり、その部分において民族的に痴呆化した。日露戦争を境として日本人の国民的理性が大きく後退して狂躁の昭和期に入る。やがて国家と国民が狂いだして太平洋戦争をやってのけて敗北するのは、日露戦争後わずか四十年のちの事である。敗戦が国民に理性をあたえ、勝利が国民を狂気にするとすれば、長い民族の歴史からみれば、戦争の勝敗などというものはまことに不思議なものである。

    小説とは要するに、人間と人生につき、印刷するに足るだけの何事かを書くというだけのもので、それ以外の文学理論は私にはない。以前から私はそういう簡単明瞭な考え方だけを頼りにしてやってきた。いまひとついえば自分が最初の読者になるというだけを考え、自分以外の読者を考えないようにしていままでやってきた(むろん自分に似た人が世の中には何人かいて、きっと読んでくれるという期待感はあるが)。私以外の読者の存在というのは、実感としているのは家内だけだったし、いまもまあそういうものだろうと思ってこの作品を書いてきた。

  • やっと読み終わった。司馬さんは作品をかくたびに2トントラックいっぱいの資料を読み込んだって話は本当?すごいなあ。よく勝てたなあ。そしてその後は…的な。今の日本も戦後復興をかなえて、坂の上の雲状態なのか。だから変な空気になってるのか。わけわかんない空気ばっかりで怖いな。

全268件中 1 - 25件を表示

新装版 坂の上の雲 (8) (文春文庫)に関連する談話室の質問

新装版 坂の上の雲 (8) (文春文庫)に関連するまとめ

新装版 坂の上の雲 (8) (文春文庫)を本棚に「読みたい」で登録しているひと

新装版 坂の上の雲 (8) (文春文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

新装版 坂の上の雲 (8) (文春文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

新装版 坂の上の雲 (8) (文春文庫)の作品紹介

本日天気晴朗ナレドモ浪高シ-明治三十八年五月二十七日早朝、日本海の濛気の中にロシア帝国の威信をかけたバルチック大艦隊がついにその姿を現わした。国家の命運を背負って戦艦三笠を先頭に迎撃に向かう連合艦隊。大海戦の火蓋が今切られようとしている。感動の完結篇。巻末に「あとがき集」他を収む。

新装版 坂の上の雲 (8) (文春文庫)のKindle版

ツイートする