新装版 西海道談綺 (1) (文春文庫) (文春文庫 ま 1-76)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (573ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167106768

作品紹介・あらすじ

密通を怒って上司を斬り、妻を廃坑に突き落として出奔した男の数奇な運命。直参に変身した恵之助は隠し金山探索の密命を帯びて日田へ。多彩な人物が織りなす伝奇長篇。(三浦朱門)

感想・レビュー・書評

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  • 長くて字も小さく、説明がくどい。
    なのにぐいぐい吸い込まれるように話にのめり込んでいった。
    松本清張といえば推理小説。が、これは伝綺小説というジャンルに属するらしい(解説三浦朱門)。伝綺って伝奇のことか?…だとすると怪奇小説。いわゆる陰陽師的な?豊後肥後の山伏である宇佐石体権現修験者阿闍梨こと秀観と、犬神宗彦山の山伏喜右衛門の戦いを指してそう言うのかなぁ。
    でもこの小説はどう見ても江戸時代の冒険小説。
    大分県日田を拠点に湯山村、津江村など山間の村を含む山岳地帯に入り込み、隠し金山の謎を解くべく、そして愛人であるおえんを山伏どもから救うべく、足元の悪い山の中を歩き回るという冒険小説に違いない。松本先生もそのつもりで書いたと思うけど…。
    しかしまぁ、週間文春に5年間も連載し続けたって、読むほうも書く方も根気のいる話ですわなぁ。

    話がおもしろくなってくるのは文庫本3冊目から。
    主人公恵之助、愛人おえん、恵之助の女房志津(お島)、山師甚兵衛、恵之助の部下浜島孝介、恵之助の同僚向井平三郎、恵之助の付き人嘉助、山伏の先達筒井秀観、これらの人物が山の中で出会ったり別れたり、いろんなグループになって行動するのである。それぞれの思惑もまた濃い。
    そんな山奥でよくまあ偶然に出会えること。と感心するがそこは娯楽小説。先に書いた男性は嘉助以外の全員(甚兵衛、浜島、向井、秀観)が、おえんを好きになってしまうのだから話はますますおもしろい。
    甚兵衛が面倒をみていた女(お島)が、恵之助の女房だということはすぐに想像がついたけれど、3冊目の終盤になって、なよなよした浜島が実は金山隠しの黒幕で、殺されたことになっていた恵之助の前任者鈴木が実は金山で生きていたと知る。
    さていよいよ話はクライマックスを迎える。果たして恵之助はおえんを助けられるのか!…ってこの人実は何にもしてないんだよね。嘉助と甚兵衛に助けられて(途中までは浜島も)ハッピーエンドにはなるけどさ。
    誰が主人公かわからない~まいっか。

    今も博物館として残る鯛生金山がその隠し金山のモデルらしい。行ってみたーい。
    http://taiokinzan.jp/index.html

  • 日田などを舞台とした作品です。

  • 始まりはなかなか緊張感があって今後の展開が楽しみである。

  • ~内容(「BOOK」データベースより)~
    妻と密通した上司を斬り、妻をも廃坑に突き落して逐電した勝山藩士・伊丹恵之助。お茶壷騒動にまきこまれて実力者北条宗全と知合い、江戸へ出る。養子縁組で直参旗本に変身、太田と改姓した恵之助は、契りを結んだ柳橋芸者おえんに3年間待つよう因果を含め、西国郡代手附として日田へ赴く。
    任務は隠し鉱山の銅の流失探査だ。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 2008/08/XX読了

  • 多少展開が見えようがそんなことは関係ない。清張の傑作!

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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