秘密 (文春文庫)

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著者 : 東野圭吾
  • 文藝春秋 (2001年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (452ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110062

秘密 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 先ごろ短編集を読んでから本作品、長編を読むことになった。さすがに職業作家であると感じさせる技術があった。伏線がたくさんできて物語が膨らむ。そして結末はこうなったか!と思わせるところが良かった。
    現実としては起こりえないことであるが夫(父)の葛藤が描かれているなとおもった。性の問題は生活上にしめる割合が大きいのだと感じた。娘に対しての感情=愛情はどんなものなのか?占有したい欲はあるのか?ストーカーまがいの行為も愛情なのだろうか?悶々とした気分 というのが物語全体に行きわたっていると思う。

  • もう言うことなし!
    名作!これぞ名作!!
    騙されて、愛しくて、切なくて…
    本当にいい作品です。

    これまたいい作品に出会えたと思っています。
    バス転落事故から意識を取り戻した娘の体に宿っていた死んだはずの妻。そこから奇妙な生活が始まります。
    悲しみを抱えながらも懸命に現実を受け入れようとする姿に共感し泣けます。
    超過労働という社会問題にも目を向け、そこに潜む現実を問題視し、様々な人物の心情を絡めた丁寧な作品だと思います。是非一読を!

  • これを読むと、大人になっても後悔しないように勉強しておかないとな、と思わされます。実際全く出来ていませんが。

  • ☆3.5かな。悲惨な事故から始まる話だが、このような設定なので、展開に気を取られ先を読み進める。平介の嫉妬や葛藤を、まるで自分の身に起きた事のようにジタバタしながら読んだ。また、サイドストーリーもなかなか泣かせる。結末は…、藻奈美が本当に戻ってきた、という方が良かったかなあ。直子はいずれ、藻奈美に返す人生を、だからこそ精一杯生きた、という形の方が…。ラストは切ない終わり方だった。東野圭吾さんの本は合わないと思っていたが、この本良かったわ!

  •  最後まで読んで本当に平介は直子のことがスキなんだなぁと思いました。それは語りの部分では常に「藻奈美」という表記じゃなくて「直子」だった事から、平介は直子を見ていたんだと思います

     直子の事を想っていたからこそ、再婚という選択肢を消し、盗聴器まで仕掛け、ソーマという直子のテニス部の先輩にも、クリスマスの日に注意を促した。ラストシーンでは娘の藻奈美を、妻・直子を取られるという二重の苦しみに悲しんだ
    だってそれは、直子自身が考え選んだ選択だからだ。自分の愛する妻が藻奈美として生きること、平介を騙して直子という人格を直子自身が消したという事、そして指輪を加工して結婚した事

     直子が指輪を加工した理由は、やはり「平介の妻である証」を消したかったからだと推測する。例え目に見えなくても、実際にどこかに実在してあることが嫌なのだろう。でも証を消したかったなら、海にでも投げ捨てる事だって出来たはず。
     それをしないのは、直子の心のどこかで「平介の妻」である事を想いたかった。と、かなり矛盾する中での苦肉の策だったのではないか。山下公園のシーンでこんな直子のセリフがある「引き延ばせたのはあなたのおかげよ」

     もう少し早くに「直子」を終わらせるつもりでいたのかもしれない。それは藻奈美が出てきた日(直子が藻奈美として生きようと決心した日)まで、平介との生活に嫌気がさしてきたのかもしれない

     藻奈美が出てきてからは、平介が好きな明るい直子が戻ってきて、いままでの卑劣な平介ではなくなっていた。そんないつも通りの平介(直子にとってスキな平介)を見ると、どうしても気持ちが揺らいでしまう
     「もうこのまま平介といていたい」という気持ちと「いや、自分の決めた設定(徐々に直子がいなくなって、藻奈美がその人格を支配する)を貫き通す」という気持ちが交差して、計画が遅れてしまった=引き延ばせた、という結果になった

     でももう後戻りは出来ない。「直子」をいつか消さなくてはならない。「直子」がいなくなれば直子は平介と会話する事が出来なくなる。藻奈美として会話する事はできる。しかし「直子」として平介との会話を楽しむ事が出来なくなる

     山下公園で「直子」を消した後、彼女は泣いた。彼女としては藻奈美として泣いていたように見せたかったのだろうけど、実際我慢できずに直子として泣いていたのかもしれない。いっぱい涙を流した。ボク等からは想像もつかないような悲しみのこもった涙を・・・

  • 周りの人に言われたとおり、
    最後の最後で あああーとなりました。

    直子という女性の愛の深さが…

    女性の目線で読んでるので、

    直子に対して感情移入してしまい、

    いいようのない、表現しきれない気持ちです。

    物語的に仕方ないのですが、
    ◯◯屋さんは口滑らすぎですわ。笑

    秘密を抱えた女性の美しさたるや。
    感無量です。。

  • 読後、何となく開いた手のひらを、じっ…と見つめてしまった。

    (持っているものと、
    私のものだ、と信じていたけれど。)

    その手の中には何も無かった。


    妻と娘を乗せたバスが崖から転落。
    奇跡的に娘は助かったが、妻は死んだ。

    「行ってきまーす♪」
    笑顔で出かけて行った彼女達は
    数日後には
    「ただいまぁ~♪」と、
    元気に帰ってくるはずだったのに。

    何て不確かな明日。
    握りしめていた、と信じていたモノは
    いとも容易くするり、と抜けて無くなってしまう…。

    元々、無いものだったのだろうか?
    仏教でいう『本来無一物』と言う言葉が示すように。

    が、
    東野さんは『死』から再び妻を取り戻してくれた。
    それも、娘の肉体に。

    (…ファンタジー?)
    現実を突きつけられて絶望している身に、
    寓話の類は浸透しにくいかな…と、一瞬感じた警戒心であったが、それも
    あっという間に消滅してしまった。

    妻の魂が宿った娘と共に生きる、父親の複雑かつ深い心情には、ほんと涙が溢れて止まらなかった。

    『死』なんかには絶対わからない。
    この手の中には元々何も無い、
    何一つ、自分のものじゃない、なんて嘘。

    妻も夫も子供も家族も、そりゃ自分の体でさえ
    自分のものでは無い…かも知れないけれど、

    大事な人達への愛だけは
    この手の中から溢れ出す。

    手のひらのなかに温かさが戻った気がして、
    もう一度、硬くぎゅっと握り締めてみた。

  • 東野圭吾はメジャー過ぎて今まで読む気にならなかったのですが、ライター講座の飲み会で皆さん絶賛だったので意を決して読んでみました。

    母親と娘が入れ替わる話。

    という設定も気になって。


    最後に、あ、秘密って、
    こういうことだったんだ…!!
    と裏切られるというか腹落ちするのが快感。
    あと、直接的な表現をせず
    読者の想像を掻き立て伝える文章が
    うまいな~と感じました。

    今後はひねくれず、王道的面白さを
    積極的に享受していく所存です。

  • 「秘密」の意味を知った時、無性に泣けてきた。
    妻と娘の関係、そして夫と父親。

    この関係の複雑な思いがたまらなかった。

  • 読了日2010/04
    久しぶりに本を読んで泣きました。
    いやぁ~切ない・・切なすぎる・・
    最後の最後で表題「秘密」の本当の理由がわかった時はしばし呆然。
    読後、2.3日は考えさせられました。
    誰も悪くないから、気持ちの持って行きようがないんです。

    作者が男性なので、かなり男性目線から書かれている感はあったけど、とても胸がつまる、素晴らしい作品です。
    夫婦とは・・・奥が深いなぁ~と改めて思いました。

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秘密 (文春文庫)の作品紹介

妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。その日から杉田家の切なく奇妙な"秘密"の生活が始まった。映画「秘密」の原作であり、98年度のベストミステリーとして話題をさらった長篇、ついに文庫化。

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