秘密 (文春文庫 ひ 13-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.96
  • (4601)
  • (4341)
  • (3978)
  • (454)
  • (101)
本棚登録 : 41863
感想 : 3299
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110062

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 主人公の言動が不快に感じる場面(時期)もある。
    けれど、最後の最後に本当の意味の「秘密」が出現して、これには泣かされてしまった。

  • ずっと積読してた。

    なんとも切ないファンタジー。
    こんなことあってたまるか。私が平介ならどうなる・・・・・・。ううん。笑えない。
    平介も直子も藻奈美も、よくやったよ。

    妻と娘。
    どっちも大切に決まってる。
    ずっと三人の生活であればうれしい。

    非現実的なのに、生々しさを感じる物語に妙な読後感。
    秘密という覚悟、決意、妥協。

    読了。

  • フォローさせて頂いているアンシロさんお勧めの東野作品。

    主人公・平介の妻・直子と小学生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。
    娘だけが奇跡的に助かりますが、なんとその身体には妻の意識が宿っていて・・。

    “転生したら、自分の娘だった”・・とは、またちょっと違うのですが、身体は少女(娘)、人格は大人の女性(妻)という、アンビリバボーな状況での奇妙な生活と、夫婦(父娘?)の困惑や葛藤が描かれています。
    娘・藻奈美としての人生を生きようと決意する直子に対する、平介の複雑な心理描写がなんとも絶妙でお上手なんですよね。
    ただ、物語の半ばでは平介の嫉妬心がエスカレートして、行動がストーカー化していく様子(“自分の家族”にストーカーってww)には、“あちゃ~・・(ノ_<;)”と、目を覆いたくなりました。
    そして、バス事故の加害者側である、亡くなった運転手が超過酷労働をしていた背景も、もう一つのテーマとして話に深みを持たせていて、この運転手の遺族との接点が、終盤に思わぬ縁となってくるのも注目です。
    そして、後半ではある異変が起こって家族の関係性が変わってくる展開になるのですが、結局ラストでは・・・それは「秘密」に隠された意味がオチになっているということなんですかね・・・ということで、なんとも切ない余韻が残る読後感でした。
    個人的には、亡くなったバス運転手の娘、梶川逸美さんが幸せになっていてほしいです。

    因みに、本書(文庫版)の巻末に、この作品の映画版に出演して、ちょっと前に世間をザワつかせた広末涼子さんが文書を寄稿されているのを読んで、却って映画版を見てみたくなった私でした。

  • 最後はやばい。
    まさかまさか…でした、アタシはてっきりコレでさよならかとずーっと考えてたけど、逆なんだーって。
    でもヒントはあった、最後があまりにもサッパリし過ぎてたなぁって。
    読み終えて冷静に考えると、奥さんが凄いのと役者だなぁと、あの環境でやる怖さと覚悟が凄い。

  • 妻の精神が宿った娘と父、っていうちょっとファンタジー的なお話。

    平介が途中、体は娘だと分かっていても妻として見ているあまり、色んなことが心配不安になって堕ちていく感じは読んでいて辛かった…

    他の方の感想にあるように、秘密の中身が最後分かった時はかなり心揺さぶられたけれど、もっとみんなが幸せになる方法は無かったのかなーいやこれが最大限の幸せなのかなーと、やるせない気持ちになりました。

    勝手にもっと号泣すると思ってしまっていたので、ちょっと期待値高すぎたかなあ。

  • 胸が苦しくて、読み続けたくなくなってしまった中盤。題名の「秘密」という意味に気が付き、涙なしでは読めないラスト。なんて運命はむごいのだと思い、それぞれの立場で考えるとそれぞれの辛さ、葛藤に胸が痛くなった。私が直子だったとしても、同じ選択をしたと思う。やっぱり東野圭吾はいいと思い直した1冊。

  • 父のリアルな葛藤や見事な伏線そして最後にわかる秘密。
    寝る前に読み終わったのでなかなか寝付けなくなるほど、考えさせられ、胸が締め付けられた。

  • 「よしっ!感動するぞっ!!」という気持ちで読んでしまったので、号泣とまではいかなかった。少し現実離れした内容が意外だった。

  • 2022.12.3 読了。

    ☆3.5くらいにしたい。
    映画化もされ話題にもなった作品だが、やっと機会を得て読み終えた。東野圭吾作品は本格派のミステリーを読んだことがなく感動ミステリー系を何作か読んでいるのだが、少々似通った筋書きがあるなぁ〜ということで個人的に☆4には届かず、といったところ。
    文庫本の初版が20年以上前だから読む順番がこちらが先だったらもっと感動していたかもしれないと思った。

    「秘密」という言葉から作中に何度もこれが最大の秘密なのか?連想させられる部分があるが、最後の最後にきて「こう落としたか!」というところは東野さんの作品の素晴らしいところだなぁと思った。
    明るい未来を暗示させるラストで物語はここで終わりを迎えるが、現実に杉田家の一員になってしまったらやっぱり今後も「何か」を抱えながら生きていくしかないのだな。
    題名「秘密」納得です。

  • 最後が少し腑に落ちなかった。
    直子の決断を美談として捉えたいが、どうしても自分の新しい人生を謳歌する事が、何よりも最優先に置かれている様に感じてモヤモヤした。
    とにかく、平介が気の毒でならない。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×