秘密 (文春文庫 ひ 13-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110062

感想・レビュー・書評

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  • なぜ評価が高いかわからない。妻と娘の体と心が入れ替わったとはいえ、父親が娘のお風呂に勝手に入ったり、彼氏に嫉妬して盗聴機をつけたり、気持ち悪かった。最後もこじつけみたいで、全く共感できない。東野圭吾作品なら他を薦めたい。

  • とにかく驚いた。
    びっくりするほどつまらなかった。

    発想はすごく面白い。そして映画も面白かった。
    だからきっと面白くなるはずの物語だった。
    とっても期待もしてた。

    なのに!!!

    主人公の思考回路やその言動にまったく共感できず、
    不要なエピソードや背景描写が満載。
    つまらない本を読む苦痛を短くするためにだけ一気読みしました。

    あらためて思いました。
    東野圭吾はやっぱり発想だけで、文章や構成力は下手だ。
    もう読まなくていいや。

    • hs19501112さん
      【東野圭吾はやっぱり発想だけで、文章や構成力は下手だ】
      ↑↑↑↑
      この一文に、納得しました。
      興味深い設定、わりと感動できる“ストーリ...
      【東野圭吾はやっぱり発想だけで、文章や構成力は下手だ】
      ↑↑↑↑
      この一文に、納得しました。
      興味深い設定、わりと感動できる“ストーリー”な作品を、気が向いた度に買って・・・・・・・・これまで10作くらいは読んできましたが・・・・・・・なぜか、「好きな作家」と思えませんでした。


      発想力は認めるが、構成や文章力に不満
      ・・・・目から鱗、の思いです。

      胸につかえていたモヤモヤが晴れた気分です。
      2013/01/31
  • ある事故で妻と娘を失った男性の前に妻の意識を持った娘が現れる。世間に本当のことを隠しながら、徐々にお互いに秘密を抱えるようになり、殺伐とした生活を送るようになる。

    正直、駄作でした。湊かなえや宮部みゆきの作品が好きだからか、東野圭吾の文体には全く驚きも感動もない。描写や状況が客観的すぎて心がこもってない文章ばかり。その上、各人物らの心情や心理を示す文がほぼ皆無。ただ状況だけを並べられても、各人物らがどう思ってどう捉えたのかという面が無さすぎる。結果、内容が表面的すぎて筆者ならではの個性的な面白さが何1つない。小説はフィクションだから想像も表現も無限大、ゆえに筆者がどのような描き方をするかで内容の広さや深さが変わる。本作はストーリーはまだしも、表現は平均的で突出した魅力がない。サイコパスやグロテスクな描写があってこそ刺激は生まれるし、ストーリーに関しても普通すぎてつまらない。事故を起こした原因が大したことないし、次の展開に持ち込み方も下手。タイトルで引かれたが、日常的な小説ならもっと表紙を変えろ。

    興味深い文章や心情がなくて本当にがっかり。本作は駄作、断言できる。

  • 途中までぐだぐだ→最後数ページでの超展開 …この人の作品自体が合わないのかもしれん。私には。

  • 【秘密】タイトルにぴったりでラストを見てからまた読み返すと、初めは主人公目線でのストーリーとして読んだが、直子の心情などもふくめて読むと2度楽しめる作品だと思う。

    私は自尊心を保つ葛藤により、家族愛が一線を超えそうになるものは受け付けない為、嫌悪感が残る作品だった。

  • 母の言動ひとつひとつを受け入れられませんでした
    嫌悪感しか残らない作品でした

  • 娘の存在感をお父さんの中にほとんど感じられなかったのが悲しかった。
    娘のことばかり考えながら読んでしまった。

  •  まず本筋以外にツッコむとしたら、自分が認識した上で再婚した後妻と連れ子との生活をないがしろに崩壊寸前までして、黙って託卵されて戸籍も同一にされてた前妻とその子に過労働してまで給料のほとんどを送っていた運転手が全く理解出来ない。挙句事故ってりゃ救いようも無いバカとしか言えないわ。
     さて本筋。小学生の時は直子の理性が完全に勝っていた。中学生の時に少し思春期の本能で恥じらいが見え始めた。高校生は完全に思春期本能に飲まれていて支離滅裂。
     あんだけキッパリしていた性格だったのにキッチリと断らない。「告白してきたら断ればいいでしょ」と言っていたが、相馬からしてみても思わせぶりな態度や拒絶が無かったのに告ったら断るとか残酷すぎる。とはいえ、付き合っても無いのに彼氏面なコイツも大概だけど。
     まぁ、若い女子だったら「こっちはその気が無くて普通だったのに向こうが勝手に」と経験値少ない無知故に言い訳出来るけど、直子は30年以上も生きてきたわけでそんな言い訳は通用しない。そして、「心配させたくないから(黙ってた、嘘ついた)」ここらへんも苦しすぎる弁明だ。
     よって直子も相馬に惹かれてた部分はあった。藻奈美の思春期本能に引き摺られてたとはいえ。
     平介が小学校担任に揺れながらも動かなかったという面から見れば不公平だけど、思春期本能と戦っている直子と、理性が完全に確立してる大人の平介とではまた違ってくるしなぁ…
     盗聴云々に関しては女性からはドン引きの声があるかもしれないけど、例えばこれが父と娘ってだけなら平介が完全に過干渉でやりすぎで非難されても仕方ない。が、夫婦って考えたら浮気云々と疑われても仕方もないのでは?そうなった場合に証拠保全に走るのは男も女も変わらないだろうし。疑われた人間は「信じてないのか!」とお門違いなキレ方が多いですが、信じてる信じてないじゃなくて、疑わしい=相手に信じてもらえない のが問題。もちろん疑わしいだけでは罪ではないですがね。ですから、疑わしいから証拠を抑えたいという気持ちの裏には、思い違いの気のせいであってほしい=信じていたい という期待も含まれているのですよーっと。
     考えさせられるといえば聞こえは良いけど、解釈の幅がありすぎてちと苦手。主人公解釈のこの結末は本当に真実なのかすらよくわからんし、どこか読み落とした伏線(この真実が決定的といえるもの、他解釈要因となりうるもの)が無いか気になる。
     ああそうか。小学生時代は大人理性が勝ってたから直子としての性欲がちょいちょい顔を覗かせていたのか。とはいえ、身体は藻奈美なわけだし到底理解出来る行動言動ではない。
     そして高校生の時の未遂は理性も本能もではなく、その前の事でショックと自棄気味でなった感がある。妻として娘として「自分」がわからなくなってたから確認してほしい。
     禁断を超えるのならそれでも良い、そして超えられなかったのとその後の平介の覚悟で切り替わった。
     憑依物作品としてありきたりな設定だし、そういう他作品なら公園で別れて終わりだったのだろうけど… 蛇足といえば蛇足だし、最大の真実といえば見所と謎が湧き出てくるし。
     自分が藻奈美に戻ったフリをしている直子である事を「秘密」にしておきたいのならば指輪のリメイクなんて頼まないし、頼んだとしても別の所でやればいい。藻奈美として生きていくと決意して直子と決別しつつも、指輪と店に拘るのは半端だし、バレてしまうリスクを孕んでるのは分かりきってる事。
     それに平介が気付いたとしても「藻奈美として生きろ」と決意固めたとはいえ揺らぐだろうし、かといって一度そう言った以上は知らないフリをするしかないわけだし、残酷すぎる。
     結局は娘と父親でしかないから結ばれるわけにはいかない。からの折衷案として仕方ないけれど…結局、高校時代からの他の男への揺らいだ気持ちの延長戦上の第二の人生謳歌の正当化と、直子として生きる事での平介との板ばさみから逃げたようにも見える。もちろん、平介がそうしてくれたように、平介を解放してあげようという気持ちから自分を消して完全な藻奈美になろうという想いが無かったとは言わないけど。
     それでも藻奈美(直子)は藻奈美としての若さと本能によって惹かれた文也との幸せも想像出来る。平介の妻としての直子としたら幸せなのかは疑問だけれど、藻奈美として生きる中身体の本能に直子の理性が同化して、幸せになるような未来も見える。
     対して平介は、直子を解放して藻奈美として生きろとは言ったが、自分が他と幸せになる決意なんてしてないし、今までもそのフラグは捨ててきた。事故から15年経ってるし54歳くらい。これから新しい恋を探すのは現実的にも厳しいし、元から直子一筋だった気持ちがそうそう切り替わるものでもないし、それに歳と共に新たな恋愛へのモチベーションだって無くなるだろうし…不平等感はある。
     フラグはたいして無かったから突然すぎるけど、平介が認めた相手を自分の相手に選んでおけばそうそう反対もされないだろうという計算高さもあったように思えるし、種類は違うが悲劇を背負った男&お酒が好き&理系 というどこか平介に似た文也に惹かれたのもまた事実かもしれない。
     そして平介が導いたそれが真実であるという前提ではあるけど、本当に藻奈美は帰ってきてないのか?
     知識は共有出来てた、記憶は別個。記憶についても共有出来てて、藻奈美が自らの意思で母親の指輪をリメイクして、それをサプライズで秘密にしてたとも考えたけど、戻った初期(意識小5)に記憶を共有してた事を隠すメリットが無いから違うのかな。
    ・「お母さんからの手紙に「藻奈美がもし大切な人と結ばれる事があったら、お母さんが藻奈美として生きてた間近くにあったぬいぐるみの中にお父さんとの指輪があるので、藻奈美の為に作り直してお母さんも一緒に見守らせてね」って書いてあったの」
     とかなら藻奈美復活としてもありうるかな? そして直子の自演だったとしても、どうしても指輪リメイクと店に拘りたいのならこうやって先に言っておけばリスク軽減出来たんじゃないかな?
     まぁ先に言っておけば内緒の口止めすら必要無いから、疑われて黙認された以上は弁明のしようがないけれど、例えば披露宴での親宛の手紙の中で上記の母親からの手紙と指輪を言って、サプライズの為に口止めしてたんだと平介に思わせればいいとも思うなぁ。
     「秘密」とは最後の「隠そうと決めた秘密」「知ってるのを知らないフリをする秘密」というトコが注目されがちですけど、本文中にどれほど「秘密」が散っていたかを考えるとニヤっとする。
     うん。読後感も共感もまったく良くないんだけど、疑う要素、可能性の模索、ツッコミ、とか色々と考える事が多い点では意外に自分としては高評価なのかな…(でも★×1ですいません)

  • 東野圭吾嫌いはこの作品から始まった。
    未だに、何度読んでも理解不能、気持ち悪いの一言です。


    【妻・直子と小学5年生の娘・藻奈美を乗せたバスが崖から転落。
    妻の葬儀後、意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。
    その日から杉田家の切なく奇妙な“秘密”の生活が始まった。】


    私が娘だったら、こんな母親最悪です。
    娘の体を使って夫とSEXしようとしたり、娘の分まで"自分の"人生を生き直したりして醜悪。
    旦那さんが本当に気の毒です。

    東野さんが世に知られるキッカケとなった作品として有名ですが、
    自分はこの作品で初めて東野作品を読んで、「なんて気持ち悪い作家!!」って思って、
    その後もずっと、人から勧められて読んだ『時生』でそのイメージが払拭されるまで
    毛嫌いしてました。

    読後感が悪く、人には絶対にオススメしません。
    唯一の救いは、この旦那さんがとってもまともな人間であること。
    故に、妻のしているトンデモ行動が余計目につきます。

    あまりにもひどい内容に、思わず母親に「これ理解できる?」って聞いちゃいました。
    (もちろん、「理解できない」と答えてくれる母でした。良かった…)

  • ちょっと残念だったかな…。この本はこの著者だから書けたとは思うし、それなりの深みも葛藤もある。ただ最後がちょっと単純すぎるように思った。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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