容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110123

感想・レビュー・書評

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  • 献身ってそこまでするのかって言う感じ。東野氏のミステリー作家としてのセンスを余すところなく感じさせる一冊。常軌を逸した愛の形が切ない。読み終わってからAmazonプライムで映画まで見てしまった。湯川の「誰も幸せになれない」のセリフが印象に残った。

  • 数年前に映画で観て、とても泣いた記憶だけあったので、改めて小説で読みました。

    「人はこんなにも献身的になれるのか」と感動した物語でした。物語の序盤からいきなり展開が早く、「え、え!?」と思いながら一気に読んでしまいました…。読んだことの無いタイプの小説で驚きました。

    とりあえず、1度映画の予告編を観ておくと、湯川教授が全て福山雅治に置き換えられるので、読んでいて大変面白いです。1度映画を観てから読むのもオススメです!

  • 東野圭吾氏の作品を読んでみようということで、タイトル名に聞き覚えのあった本作を購入。読み終えてから知ったのだが、どうやら本作は『ガリレオシリーズ』と呼ばれる連作ミステリー小説のシリーズ第3作だった模様。しかし、同シリーズや東野さんの作品を読んだことのない自分でも非常に楽しめた。

    高校の数学教師・石神哲哉はアパートの隣室に住む花岡靖子に想いを寄せており、彼女とその娘の美里が起こしてしまった靖子の元夫殺害の隠蔽に手を貸すことになる。
    高校教師である石神だが、本シリーズに登場する天才物理学者・湯川学をして「天才なんて言葉を迂闊には使いたくないけど、彼には相応しかったんじゃないかな」と言わしめるほどの頭脳を有しており、彼が共犯者となったことで、花岡靖子の元夫・富樫慎二殺害事件の捜査は難航を極めることとなる。

    犯人・犯行の様子・共犯者をそれぞれ知った状態で始まるミステリーを私は初めて読んだが、トリックも予想の遥か斜め上を行く素晴らしいものだった。
    数学者になる夢を諦め鬱屈とした人生を歩んでいた石神と、唯一の好敵手と認める彼の共犯に気づいてしまった湯川の葛藤。愛ゆえに罪を重ねてしまった石神の切ない最後に胸が締め付けられた。

  • 最初に犯人がわかっているパターンだけど、
    ただそれが明かされていくだけのお話ではなかった。
    数学の天才が考えついた、
    常人には思いもよらない展開にびっくり。
    でも彼が恋に落ちた理由には少し物足りなさを感じた。
    その部分にもっと驚きがあれば、
    自分を犠牲にしてまで行った犯行に説得力がついたように思う。

  • ずっと読みたいと思っていた一冊
    湯川学が活躍するシリーズの長編
    内容は映画のテレビ放映で知っていました
    というより何度も見ました
    内容が衝撃的ですごいなと思っていました
    原作はどうなのか気になっていました
    内容は映画のまんまでした
    ただ、映画だけのシーンもあったんだなと
    原作を読んで知りました
    ほぼ映画の内容まんまだったので内容の衝撃度は
    落ちますが友人の湯川に追い詰められる数学教師
    の展開はすごかったです
    東野圭吾すごい!

  • 天才数学者ながら不遇な日々を送っていた教師の石神。彼は隣人の靖子へ密かに想いを寄せていた。前夫に詰め寄られた結果、靖子が彼を殺してしまったことを知った石神は、靖子と娘を救うために完全犯罪を計画する。しかし、かつての親友である湯川がその謎に挑むことになり事態は予期せぬ方向へと進み始める。

    ガリレオシリーズを読んだのは初。どんなミステリーなんだろうと読んでみたら、それどころではない感情に襲われてしまった。靖子たちに感情移入して読み始め、謎が解けないでくれと祈りながら読むというミステリーで初めての体験に(笑)

    さらに、石神と湯川という天才同士のやり取りと漂う友情は、ミステリーとしても人間ドラマとしても魅せてくれる。最後のトドメに石神の深い愛情と動機を知って、これほどまでに愛情深い物語なのになんてやり切れないんだろう!!とため息しか出なかった。

    「人は時に、健気に生きているだけで、誰かを救っていることがある。」
    この言葉のあたたかさに救われながら、愛情というどこまでも割り切れない深い谷底へと突き落とされた気持ちでもある。あのラストは声が耳の奥で鳴り響いているようだった。みな人を愛し、信頼し、ただ純粋に生きているのに、それがこんな結末を生むとは…。ミステリーを超えて味わい深い物語だった。また噛みしめるように読み返してみたい。

  • 恥ずかしながら、東野圭吾さんの作品を初めて読みました。容疑者Xの献身というタイトルは知ってはいましたが、内容もなにも知らない中、読み始め、深い愛情に包まれながら読み終えました。

    容疑者の計画は完璧だった。ただそれに関わる人の心まではわからなかったのかもしれない。子供の心は素直だ。

    何かを犠牲してまでも愛する人の幸せを願いたい気持ちはよくわかる。今、自分がこうして愛する家族と一緒にいれることを、幸せにいれることを、特別だと思わなければいけない。

  • ガリレオシリーズにハマるきっかけの作品。

    読みやすさと巧妙な人物描写。

    そして最後に...他のシリーズももちろん読み進めていきます。


    内容(「BOOK」データベースより)
    天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。

  • 映画もよかったですが、本のほうが私は好きでした。トリックを知った上で読んでも楽しめます。登場人物それぞれの感情が豊かに描かれ、物語に惹き込まれました。
    殺された前夫さえ現れなければ、こんなことにはならなかったのに…と、切なく感じます。

  • ① この本を選んだ理由
    映画を観ていたが、小説版はどうなのか興味があったため選びました。映画はセリフを覚えるぐらい何度も観ていました。


    ②あらすじ 
    ある事件をきっかけに、東都大学の同級生の石神と対決することになる。
    映画との大きな違いは、刑事側がクサナギ中心に捜査が進んでいき、内海はでてこないということ。それでも、ストーリーに大きな違いはなく、忠実に再現していると思いました。


    ③感想
    いろんなシーンが交差することもなく、時間軸に沿って、サクサクと読める一冊だと思います。
    悲しい気持ちになりたいときに手にするといいと思います。

     

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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