容疑者Xの献身 (文春文庫)

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著者 : 東野圭吾
  • 文藝春秋 (2008年8月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110123

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容疑者Xの献身 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  • 天才VS天才の頭脳対決!のような、ありがちな話ではなくて
    もっと深い話。上手く言えない自分がもどかしい。
    ここまで人が人を愛せるかなあ……。

  • 無償の愛・・・という言葉がある。
    はたして石神の花岡母娘に対する行為は無償の愛だったのだろうか。
    もちろん、石神は花岡に対して特別な思いは持っていたと思う。
    でも、それだけで犯行におよんだとは考えにくい。
    もっと強烈な、石神自身の問題だったように感じた。
    何も悪いことはしていないのに大学を追われ、教師としての情熱も持てずに、毎日を暮らしているだけの毎日。
    花岡母娘に起きた不幸な出来事は、表現は悪いが石神にとっては「またとない機会」だったのでは?と思う。
    誰かのために自分の知識を総動員して対応を練る。
    頼られているという実感、自分の存在意義をはっきりと意識させてくれる日々。
    死んだように過ぎていた時間が、再び動き出したような喜び。
    石神の中にはそんな思いがあったようにも感じた。
    湯川と石神の攻防が読み応え十分だった。
    先の先を読み、事件のシナリオを書いていく石神。
    そして湯川が解きほぐしていく石神のトリック。
    どうやら「純愛」というのが物語のキーワードとして宣伝媒体に使われていたようだが、個人的にはちょっとした違和感があった。
    石神の完璧な犯罪計画は、花岡母娘のためでもあったが、無意識だったとしても石神自身の存在価値というのが大きかったと思う。
    石神が沈黙することで得られるもの。
    それは、花岡母娘の脳裏から絶対に消えない自分の記憶・・・だった気がするから。
    穿った見方だな、と思う。
    もっと素直に「純愛」ってすごい!!という感想でもいいじゃないかと思う気持ちもあるけれど。
    「ガリレオ」シリーズの傑作は、いろいろな受け取り方ができる奥の深い作品だった。

  • 読み終わった後感動で胸が震えました。
    あやうく涙が出そうでした。

    容疑者Xの献身。
    タイトルからして一度見たら忘れないインパクトのあるタイトル。
    黒い表紙に赤いバラが一輪。
    その全てが感動に色を添えてると思いました。

    とにかく内容は何も語れません。
    下手なことを書いて少しでも小説の内容が分かるようなことはしたくないです。

    中盤から話の中に引き込まれて、小説の風景が見えてきました。
    登場人物の誰かになってこの本の中にいました。
    ここまで引き込まれるのは久しぶりです。

    実は私、東野圭吾さんの本の中でガリレオシリーズは好きじゃないんです。
    でもこれは別格だと思いました。
    まったく違う雰囲気だと思います。

    また、この作品は映画化されるようですが、作中の石神さんは私の中のイメージでは完璧に温水洋一です。

  • 今や有名になったガリレオシリーズの長編。2005年直木賞受賞作品。
    緻密に散りばめられた事象が、最後のまさかの展開で繋がっていく。
    殺人ありの推理小説ですが、東野さんらしく、優しく切ない人間を描写していて、とても読みやすい作品です。

  • 東野圭吾のガリレオシリーズが好きで記憶は定かではないですが映画を見てから小説を読みました。「献身」という二文字にふさわしい純愛推理小説でした。自分の身を犠牲にし一方的に愛する人に「献身」する。純粋な愛とゆがんだ愛が混ざった映画と小説でした。

  • 最後まで読んで辛くなった。
    誰かが救われてほしかった。
    「人殺し」をした人に幸せになってほしいと思ってしまうのもおかしいのだろうか。

  • またもや東野圭吾にしてやられた。
    今度は騙されまいと注意深く読み進めたつもりだったのに、始めっからまんまと術中にはまってた。

    この人の作品には全く無駄が無い。人物や情景の余計な描写を極力省き、文章の全てをプロットの構築とその補強に費やす。何気無いエピソードの一つ一つが後々明らかにされる仕掛けの伏線となっている。その騙しの手法はまるで手品のようだ。読者を巧みに錯覚や先入観に誘導し煙に巻く。
    そして仕掛けが明かされた途端、まるで騙し絵を読み解いた時のような快感が待ち受けている。
    この作品でも、冒頭で語られる石神の人間観察力を示すホームレス達の描写も、実は重要な伏線として用意されたものだった。
    また、物語の骨格に登場人物達の友情や愛情を盛り込み、泣かせ所も忘れない。今回もラストで石神が慟哭する場面では、ともに涙してしまった。

    この作家の魅力は、欲張りな小説家達が求めがちなリアリズムや社会問題などに走らず、エンターテイメントに徹しているところ。そして練り上げられた鉄壁のプロットにウェットな情感を交差させ読者を作中に引きずり込む。

    あぁ、また東野圭吾に騙されたい...

  • 超頭良いけど恋愛経験ゼロな厨二病童貞が頼まれてもないのに一目ぼれした母娘のためにヒーロー気取りで色々頑張っちゃってたのに、突然出てきた自称友人のKYで変態な天才物理学者に色々ひっかきまわされて誰も幸せにならずに終わる話。

    としか思えん。
    純愛。どこが純愛なんだろう…。
    「こんなに深い愛情には出会ったことがない」とか書かれてるのもえらい興が醒める。それはこっちが勝手に感じ取りたいです。マジやめて。

    トリックなんかの外枠は面白いのに、中で実際に動いてる登場人物たちがみんな自己陶酔してるだけで相手のことなんか考えてなくて嫌になっちまう。
    罪の意識に押しつぶされちゃうほど善良で弱い人はさっさと自首させてやるのが親切なんじゃないですかねえ。幸せでいてほしいってのは石神が自分の願望押しつけてるだけ。

    湯川も湯川で「靖子が真実を知らないんじゃ石神が報われない」的なことを言いつつしゃしゃり出てきちまってるけど、それは靖子が自首した後に言えば良い話であって(美里が手首切ったりしてたし、湯川が話さなくても自首は時間の問題だったと思われ)友達のためを思うならあのタイミングでは決して言ってはならなかったことだと思うのよね。
    結局靖子に自首させてすっきりしたのは湯川だけじゃないすか。何だそれ。

    しかしキャラ造形がこんな雑なのにそれでも話は面白いってのはある意味すごいのかもしれん。
    映画を補完したくて読んだけど、補完したかった箇所は原作でも書かれてなかったわ。ざーんねーん。

  • ミステリー小説のなかで、生まれて初めて泣けた作品。
    文庫で読んだのに、単行本を購入したいとおもった初めての作品だった。最後の種明かしのところで、だいどんでん返しがあって、読み進めればよい進めるほど、のめりこめた作品。
    ミステリーやサスペンス小説の中ではピカイチ!

  • タイトルが本当にぴったりで、まさに「容疑者Xの献身」という他ない。
    ラストに至るまでの色んな人の心情の流れが凄く、特に最後の急展開にはびっくり!
    それぞれの気持ちを思うと、切なくてたまらない。
    それでも読み終わった時にはもやもやしなかった。

    湯川先生なりの考えがあって彼なりにアプローチしていくんだけど、それらの行動は全て他の誰かの視点から見るせいで、やっぱり何考えてるのか分かりづらい人。だがそれがいい。
    それでも湯川先生の言葉や行動の節々に感情を感じられた。
    認め合ったもの同士の言葉の裏の駆け引きは面白い半面、切なくもあった。

  • 原作を読まずに映画を観た。というかその頃は本なんて掛け値なしに全く読まなかった。
    映画がとても好きで、本も読んでみたくなった。
    本を読む人はよく映像化されると文句をいうが、この作品は気にならなかった。もちろん、再現性は完璧ではないが、映画を観てから本を読むと、イメージが湧きやすく(なかなか文章を頭で映像化するのが苦手なので助かった。)、結末を知っていてものめり込めた。湯川のイメージが少しズレてるのも対比を楽しめた。

  • ご存じガレリアシリーズの代表作。
    内容は数学一筋の数学教師が隣戸の母娘に献身的なまでの協力をする話である。献身のあまり他者の殺人を他の殺人を犯すことで隠蔽を図るといった何ともいえない気持ちになる話である。また、状況が同情を誘うだけにまた、、、。
    犯人側の主格が湯川先生も認める頭脳の持ち主、また、友人であった為、できれば解きたくない謎明かしも頷ける。ラストは人間とはこうあるべきであろう、と共感する。

  • ここから東野圭吾すきになった
    愛の形について色々考える

  • 最後のどんでん返しにびっくり!!
    石神のトリックは最後まで全然わからなかったし、わかってから思い返すとなるほどなーだった。
    よくできたお話。

    ただし、他のコメントで絶賛されてる「純愛」には納得できない。
    石神が身代わりになることで、花岡親子が警察から逃れても、幸せになれるわけない。罪悪感からは一生逃れられないのだから。
    石神は数学的に天才でも人の気持ちはわからなかった。そんな方法では、自分の愛を相手の重荷にしてしまうことにも気づかなかった。
    そんなの純愛じゃない。ただの自己満足だ。
    靖子もひどい女だ…

  • 最後まで結末がわからなかった。さすが最高のミステリテラーと称えずにはいられない。ビッグネームゆえに敬遠される方も多いが、それだけで見逃してしまうのはあまりにももったいない。珠玉の作品です。
    あらすじ(背表紙より)
    天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。

  • ガリレオシリーズ3冊目。

    初の長編!読んだこともあるけれど、このスピード感は飽きさせない。直木賞も納得。
    本来犯人が判明してからスタートの話って、難しいと思うけど、ここまでラストにハッッとさせるのは本当にすごい。

  • ここまで人を愛する事って出来るのかな。

    好きな人に好きって伝える事だけが愛じゃない。

    相手の事を思って、何をどうするか。

    もちろん悩み抜いた答えが正解とは限らないけど。

    献身かぁ。

    好きって気持ちの表し方にも色々ある。

    湯川先生の気持ちが痛い程分かる。

    素晴らしい作品です。

  • いつ読んだか忘れたが、読んだはず。

  • 【ネタバレ含】これは…確かに傑作や!
    凄まじい時間差トリック、
    すっかりやられました。

    石神の愛の形は正しくはないけれど、
    凛と咲くトゲのある一輪の赤いバラ、
    確かにそんな強い愛だった。


    犯人の告白に勝るものはない。
    そう考えていた石神の強みは
    真犯人の告白によって打ち砕かれた…。
    なんて皮肉なんだろう。

    愛し方を誤ってしまった天才の
    悲しい叫び声が耳の奥で聞こえる。

  • ガリレオシリーズはドラマから入ったため、内海刑事がいないことに寂しさを覚えつつ読了。
    やっぱりこの作品は面白かったです!トリックもすごいし、石神というキャラの尊さ、湯川との友情。感動する話です。

    ドラマより、石神の人間らしい苦悩が描かれていて、殺人を犯すに至った感情の変化が分かりやすかった。
    現実にここまでできる・人を愛せるひとってなかなかいない。
    石神はもともと数学に対してもとてもストイック。報われなくてもどこまでも追い続ける人。捕まる時、目をつむって数学を頭に描くシーンは本当に切ない。この人が研究の世界にいられないなんて間違ってる。

    湯川とのやり取りも切ない。数少ない自分の理解者、ともに研究に励む同志を自らが追い詰めないといけないなんて。それでも、最後はあの終わり方が最善。石神の想いを知らずに終わるなんて悲しすぎる。

  • 東野作品の最高傑作だと思います。
    動機が弱いというのはあまり気になりません。
    一目ぼれでもありでしょう。

  • サスペンス風味のミステリー、といったところか。
    最初から犯人や共犯者はわかっていて、あとはそれをどうやって湯川や草薙が解き明かしていくかに焦点をあてた構成。

    ただし、最後の最後に明らかになるトリックは尋常じゃない。思い返せば布石はあったのかもしれないが、そう来るとは想像もできなかった。
    「不要なことはやらないが、必要なことは何でもやる」石神さんの凄みを感じた。

  • 何も言うことはない。
    「献身」です。

    映画もよかった。

    何度読んでも、何回観ても、最後は鳥肌です。

  •  読まず嫌いというわけでもなく、何となく読まなかった東野圭吾。天才物理学者と天才数学者の知恵比べという純粋的な謎解き要素もあるのだか、「人は愛する人にどこまで尽くせるのか」という恋愛の本質を考えさせられる作品でもある。言葉もろくに交わしたことがない相手に、そこまで尽くすことができるのか、という声もあるだろうけど、人を好きになるのは理屈じゃない。それを理詰めの世界で生きている天才数学者自らがその行動で証明しているところが、この作品を名作としている要素のひとつだろう。

  • ミステリで泣いたのは、初めて。よかった。

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容疑者Xの献身 (文春文庫)の作品紹介

天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。
ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。

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