聖女の救済 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110147

感想・レビュー・書評

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  • 今回も倒叙形式で死因は毒殺。
    最初から犯人はわかってます。
    けれど、トリックがはっきりしないまま
    捜査は進んでいくわけです。
    湯川先生ったら「可能だけど、ありえない」とか
    トンチみたいなこと言うし。
    虚数解とか言われても、数学苦手なんでわかんないよ…。
    しかし何よりこの事件の最大のポイントは
    草薙刑事が犯人である被害者夫人に一目惚れしたこと!
    揺れる刑事心で真相に近づきつつ苦悩するのだ〜。

    さすがだなぁ…と思うのは
    内海クンの参入も草薙氏の恋心も
    最終的には事件の解決に
    大きく関係するものだったというところ。
    同性である女刑事だからこそ
    犯人の言動に違和感を覚えたわけだし
    草薙氏の恋心ゆえの行動が
    トリックを証明する鍵になると後々判明する。
    意見を異にする(夫人が犯人か否か)
    ふたりの刑事それぞれの捜査が
    大きく迂回して合流するラストスパートは
    気分爽快だったわ。

    それにしても『献身』といい、これといい、
    ちっとも被害者に同情できないのは
    何故だろう何故かしら。
    今回の被害者もこれまた嫌な奴なんですわ。
    タイトルのつけ方もひとひねり。
    聖女「を」救済するんじゃなくて
    聖女「が」救済するんだったのか!
    その意味は、読んでからのお楽しみ…。

  • ガリレオシリーズ再読。
    発売当初に読んで以来だったから
    ドラマの方がやっぱり頭に残ってて、話全然違ってびっくりw

    もともと不妊症だったってとこも変わってるし
    昔の関係があった女性(津久井じゅんこ)と、主人公の綾音が知り合いだったことも違ったし、
    なにより湯川先生と綾音が知り合いじゃない!
    もう全然覚えてなかったー笑

    そして草薙さんが恋によって自分失いすぎてる感がちょっとイライラしたよ笑
    自分だったら旦那にこんなふうに言われたらどうだろうって殺すとかじゃなく結婚せんけどなーてなった。

  • ちょっと期待していたのと違うかな~
    東野圭吾のを何冊も読んでいるから、他のと比較してしまう。登場人物に心を沿わせたり、同情したりするまでに至らない。私の読み方が浅いからだろうけど…。東野さんの作品はトリックだけではないはずなのに。

    • teaさん
      あちゃー、自分のにいいねしちゃった❗はずかしいです
      あちゃー、自分のにいいねしちゃった❗はずかしいです
      2021/10/05
  • ☆特長
    夫婦とは?というテーマに対する考え方の、被害者と登場する女性たちの乖離が事件を呼ぶことになる。

    ☆感想
    謎だった殺人トリックが、文字どおり「聖女の救済」だっとところに、奥行きを感じます。
    被害者の元恋人たちが、嫉妬を感じることはあるものの、お互いに尊重しあっているのが救い。

    ☆魅力
    完全犯罪となりうるアリバイとトリック。
    被害者と3人の元恋人たちや草薙刑事、内海刑事の人間模様。

    ☆おすすめの人
    トリックやアリバイなどミステリー好きの方。
    男女の人間模様が好きな方。

    ・表紙のパッチワークの絵、読書中何度も見直しました。間接的な伏線となっています。
    ・この本のタイトルが、動機やトリックを示唆していたとは…。
    ・「子どもが出来なければ結婚の意味がない」
     「1年で子どもが出来なければ離婚することが結婚の条件」
    といった極端なライフプランポリシーを持つ社長が浮気発覚とともに殺される。
    ・容疑者は妻、浮気相手、過去の恋人。最も動機が明確なのは妻だが、鉄壁のアリバイが。
    ・内海刑事は女性特有の勘で真実に迫るが、証拠を挙げられず、草薙刑事は最有力容疑者に恋したためにことごとく内海と湯川の推理を否定。
    ・事件の背景を過去に遡って明らかにすることにより、完全犯罪を解く鍵につながっていく。
    ・まさか草薙が容疑者を慕うあまりにとった不可解な行動が、逆に容疑者を追い詰めることになろうとは

  • これは凄い!凄い犯罪。
    よくまあこんな物語を考えつくものだなぁ、と思わず唸ってしまう。

  • 現在ハマりまくっているガリレオシリーズ。最近Amazonプライムで、容疑者Xの献身、真夏の方程式を観返した。原作も良いけど、このシリーズは実写もイイ!

    こちらは長編。5作目。
    今回は、とある夫婦と、夫の愛人をめぐりある殺人事件が起こる。
    そして、草薙刑事が、あろうことか、容疑者の夫人に恋心を抱いてしまう。
    恋する余り、何としても疑いを晴らそうと、内海と議論する姿も新鮮。
    草薙刑事の人間らしいところ、好きだなぁ。今後も、内海も良いんだけど、草薙刑事の活躍姿ももっと見たいな。

  • 草薙がかっこよかった

  • 驚愕のトリック!
    確かにその通りで、こんなトリックを考えつく人が実際にいたら怖くてしょうがない。
    身勝手な男とそれを愛してしまった人たちを見ていると、ばかばかしいと思いながらも悲しくなる。

  • 聖女の救済の題名からすごい…ラストにこの意味が分かった時はゾクッとしました。さすがです。読みやすくて面白くて完璧でした。

  • ガリレオシリーズ 2作目の長編

    容疑者Xの献身とどうしても比べてしまい、それにしてはスリス感が全くないなと思った。
    けれど、こんな内容を思いついてすごいなと思います。犯人は最初からわかってしまっていたけれど、どうやって犯行したのか全くわからなかった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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