聖女の救済 (文春文庫)

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著者 : 東野圭吾
  • 文藝春秋 (2012年4月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110147

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聖女の救済 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

  •  出版後、すぐにハードカバーで読みましたが、先日のドラマされたものを観て、「あれ、こんな話だったかな?」と思い、再読。
     
     原作はもちろんとてもよい作品なのですが、ドラマ版もよく2時間にうまく収めたなと関心しています。時間の都合上、登場人物や犯行動機、トリックも大きく変更されているところがあり、それは別の作品としてみればおもしろいと思いますが、やはり原作の奥深さは超えられません。ドラマ版しか観ていない人は是非、原作も読んで欲しいと思います。

     この作品を初めて読んだ時、思い出したドラマがあります。『古畑任三郎』シリーズの『ニューヨークの記憶』という、鈴木保奈美さんがゲスト出演されている回です。夫を殺したものの裁判で無罪判決となり、完全犯罪を成し遂げた女性が、そのことを「ある友達の話」として、偶然長距離バスで隣り合った古畑任三郎に話して聞かせるというもの。(うろ覚えなので間違っていたらすみません、)
     
     綾音も、ほんのあと少しで完全犯罪を成し遂げられたのに……という思いで二度目を読み進めました。完全犯罪を遂行するためには、炎のような執着心と氷のような冷静さ、気の遠くなるような精神力、忍耐力、綿密な計画性が必要不可欠で、それは女性にしか無理なのではないか……と、この2つの作品を通して思いました。

     この作品の評価は分かれると思います。こんなトリックはどう考えても無理だと思って白けてしまう人。「理論的にありえても、現実的には考えられない」方法に夢をみる人。私は後者でした。1年間も夫を浄水器、いやキッチンにすら近づけさせず、夫を守る聖女のように、真柴の言葉を借りれば「リビングの高価な置物」としてパッチーワークをしながら佇んでいる綾音の姿を想像すると、胸が震えます。

     
    以下、自分メモ↓
    ・草薙が如雨露代わりの空き缶を取っておいたのは、ただの刑事の勘だけではなくて、彼も綾音を実は疑っていたということを表しているのではないか。大学時代の捨て猫を介抱している場面で「(介抱しようがしまいが、どちらにせよ猫は死んでしまうが)それがどうした。」という発言をしている。綾音が犯人かもしれない、でも「それがどうした」、ただがむしゃらに他の犯人の可能性を否定しないで捜査し続けたのかと。
    ・内海は今回、いつもにもまして鋭い推理をしていたと思います。シャンパングラスや化粧直しの痕跡など、女性らしい細やかな視点での推理がおもしろいです。
    ・ドラマ版の良い点。天海祐希の演技。しっとりと抑えた演技が素晴らしかったです。真柴との仲睦まじい回想シーンもその後に続く展開を知っているだけに、より優しく残酷に映し出されていました。庭とベランダにある花をパンジーではなく、薔薇にしたのも華やかになりよかったと思います。映像化ならではですね。湯川と綾音が一緒に博物館にいって恐竜のCTスキャンの話をしたのは良かったと思います。
    ・ドラマ版の悪い点。2時間に収めるためには仕様がなかったのかもしれませんが、登場人物を大きく削ったために、犯行動機の重さを表現できていなかったのではないでしょうか。また、湯川と綾音が同級生だったという設定もなくてもよかったのでは。『容疑者Xの献身』での湯川の悲壮が報われないと思ったのは私だけではないはずです。

  • ガリレオシリーズ。
    犯人が誰かというより、どうやったのか、何故そうしたのかを追いかけるミステリ。
    すっかりドラマのキャスティングで読んでしまう。

    思わせぶりな発言の湯川先生に引っ張られ、あっという間に読了。そしてそのトリックに脱帽。
    完全にミスリードされていて、思わず頭からまた読み返してしまった。

    今回は容疑者に恋心を抱いてしまった、草薙刑事の想いとその結末も切ない。

    こんなところで久しぶりに虚数解なんて言葉を聞くとは。
    虚数解=i =愛とかかっているのかな。

    福山雅治の曲を聴いちゃうのは、何のサービスなんだろう 笑

  • ガリレオ・シリーズの長編第二弾、前作"容疑者Xの献身"が男の情念を描いたものならば、
    こちらは女性の情念を描いた、とも言えましょうか。

    相変わらずに読ませる構成で、一気に読んでしまいました。

    - それが女性なんです

    内海さんがいい味出していると、思います。
    "救済"との言葉の真意を知った時、背中がゾッとしました。

    ん、それにしても湯川さん、イメージがすっかり福山さんになってますね。

  • 湯川先生、草薙刑事もの。

  • 読み始め…16.4.18
    読み終わり…16.4.19

    ガリレオシリーズ5作目。やっときました~。
    このシリーズを読んでみようというきっかけになった「聖女の救済」にやっとたどり着きました。それはカバーのデザイン(写真)でした。遠目にみると万華鏡のような感じにも見えますけれどキルトなんです。キルトが東野圭吾さんの、あの、ガリレオのカバーになるなんてね。これは中身がどんなお話なのか気にならないわけがありません。そしてその中身というのがあれま。。キルターさんだったなんて!

    それにしても女の執念というものは怖しい~..。夫が家にいる時にはリビングルームのソファに座って、パッチワークをしながら夫の世話ができるように待機して見張るとは。。いくら同業者といえども私には絶対にできないな...。しかしながら妻が妻なら夫も夫なのです。俺のライフプランだなんて、、そもそもそこがいけません。さっさと別れていればよかったのに...。

    カバーのキルト作者は蜷川宏子さん。
    演出家蜷川幸雄さんの奥様で写真家蜷川実花さんのお母様です。赤を基調としたキルトには蜷川さんらしい作風が感じられます。

  • そんな発想はなかったって感じですねー
    しかし被害者の夫は本当に最低な男だ!
    容姿端麗で頭も良いとこんな調子にのった男になるのかな!

    草薙さんが苦しみながらも最後は仕事を全うする姿が格好良かった!

  • 天才物理学者・湯川学が警視庁の捜査を助けるガリレオシリーズ。水に亜ヒ酸を混入させて殺害することができ、かつ殺害の動機がある人間は一人しかいないのだが、どうやって殺害したのかが分からない。湯川が導き出した結論は、虚数解のように、まさに現実にはあり得ないような方法だった。実際、面白いけれども、なかなか納得しにくい殺害方法という印象。同時に、こんなにひどい男がそんなにもてるか、という気も。

  • 湯川先生のガリレオシリーズ5作目。「聖女の救済」です。

    面白い!今のところ、ガリレオのシリーズではこれが1番!

    犯人の予想はついても、謎が全く解けません。
    「おそらく君たちは負ける。僕も勝てない。完全犯罪だ。」
    のコメントが湯川先生の口から出ます。

    そして結末。犯行の手口は・・・

    やっぱり、長編でドキドキしながら読むのが面白いですね。

  • タイトルの『聖女の救済』は、「聖女を救済」ではなく「聖女による救済」という意味だったのが最後に分かって、いい意味で騙されました。
    ★4なのは同シリーズということで、どうしても容疑者xと比較してしまうから。

  • タイトルの意味は最後の最後にわかる。それまでが長い!

  • 天才物理学者ガリレオシリーズ。理系の込み入った話は理解できない文系脳だけど湯川先生はやっぱり素敵。ドラマの影響で福山氏に変換されてますが。

    恐竜の化石をCTスキャンの喩えは興味深かった。消去法で真実を突き止めるつもりで、肝心なものを排除している場合もある。
    医療分野以外のアートや歴史研究の分野でもCTは活用されていることを再認識。そう言えば古いお寺の木材部分の調査協力してたな…

    義孝には人間的な感情が欠落しているようにも思えて反発を感じたけど、逆に彼の立場になって考えれば致し方ない部分もあり。後継ぎが必要なお家だったりすると昔からよく聞く話だし。

    結局、誰も救済されなかった悲劇。そう言う意味では全員被害者…。

  • 湯川先生の最新文庫。

    今回の相手は必然性を秘めた相手。
    さすがの湯川先生も大苦戦の話です。

    後付で犯罪を起こすのではなく、起こるべくして起こった事件。
    なるほどのラストです!

    是非、読んでみて下さい!

  • 子供を産めるって幸せだけど
    そこだけに価値がある訳ではない。

  • 久しぶりに鳥肌がたちました。

    面白かった~。

    奥さんに勧めるかは悩んだけどね。

    長編もいいね。

  • ガリレオシリーズ第5弾!
    とても面白く一気読みさせて頂きました!

  • 理論上は可能、それを成し遂げたのだ
     ガリレオシリーズ第5作長編。湯川も認めた完全犯罪。
     IT会社の社長が毒殺される。その妻には完璧なアリバイがあったが・・・。草薙と内海でそれぞれ調査を進めていくのが目新しいですが、動きは控えめでストーリーは地味。しかし、読み終わるとその理由が分かりました。
     単純にトリックが凄いのではでなく、犯人の恐ろしさに絶句するのです。しかも、通常のそれとは全くベクトルが異なっているのが特徴。やっぱり東野圭吾はとんでもない作家でした。
     本シリーズにしては小難しい科学技術も登場しないですし、本格ミステリ好きにもおすすめします。

  • 登場人物達へ思う事

    草薙刑事には見損ないました。
    真柴夫人に一目惚れしたからと言って捜査の手を緩める感じ嫌悪感しかありません。
    他人の親友は吊し上げといて自分の惚れた相手に甘くなるようでは警視庁捜査一課の刑事としてどうかと思います。

    若山宏美さんの態度が気に入りません。
    不倫相手が不審死したのにも拘らず警察に嘘を付いたり事情聴取の際の強気な態度が嫌でした。自分が事件に対して潔白だと主張するならばもう少し殊勝な態度というものがあるような気がします。

    真柴義孝さんのライフプラン
    非常に身勝手です。死んで当然。殺される前に傷付けた女性全員に謝れと思います。


    IT関連会社、社長の真柴義孝さんが自宅で死亡、第一発見者は不倫相手の若山宏美さん!?真柴氏が死亡した頃、奥さんの真柴綾音さんは遠く離れた北海道でアリバイ有!?
    この難事件に内海刑事と湯川先生が挑む。
    →草薙刑事は捜査の撹乱?

    エピローグに驚かされます!

  • ガリレオシリーズ。冷酷な計画犯罪だと思わせて最後に殺すことになった夫と友人を裏切ることになった過去が明かされる。辛抱強くかなり不可能に近いトリックだが一年かけて準備されていたことにゾッとする。また、犯人の綾音に惹かれてしまい、犯人でいて欲しくないと望みながら最後に決定的な証拠も自分が提示することになる草薙の葛藤も切ない。

  •  「ガリレオシリーズ」だと思って喜んで借りてきましたが、草薙と湯川の間に何か問題が起こっていたのか?湯川が捜査に協力しない、という展開にびっくりしました。
     真柴義孝は、「付き合って一年以内に子供が出来ない彼女とは別れる」というポリシーを実行していた。
    今の妻、綾音の間にも子供が出来ず、別れを口にしていた。
     そして、綾音が実家に帰っている間に、真柴義孝は毒殺された。
    一番怪しいと思われる妻の綾音には鉄壁のアリバイがある。
     最後の最後まで、トリックは全くわからなかった。
    こんな凄いトリックを思いつく東野さんはやっぱりすごいと思う。
    それと共に、凄く魅力的な男性でありながら、女性の心を全く考えない真柴義孝に対して、殺されても仕方なかったのかも?なんて思ってしまう自分がいた。

  • 最後に何かを救済するんだろうと思ってたら違った!
    救済はもう終わってたよ

  • 資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが……。
    驚愕のトリックで世界を揺るがせた、東野ミステリー屈指の傑作!
    (裏表紙より)


    作中で内海刑事が言っていた通り、毒物による殺人だからアリバイを疑うというより、
    本当に「毒物混入方法」トリックにつきる作品だと思う。そしてその方法がすごい。まさに青天の霹靂。文章構成・表現や、題名もそういう事かと思った。

    しかし、被害者はヒドい人だと思う。子どもがほしいという信念を持つのは構わない。人それぞれだ。
    ただ、猶予が1年というのもいかがなものかと思うし、それを告げるのが付き合い初めて直ぐでないのもズルいし、キチンと別れてから次を探さないのもズルい。
    この人、嫌いだなァー。

    (2016/5/7 読了)

  • 最後まで真相が見えてこない、意外なトリック、意外な人物との繋がりから事件の真実が見えてくるが、殺害の動機が最後まで分からず完璧なアリバイだと感じた終わり。絵本が思わぬきっかけだったのが大きいと感じる。ガリレオ先生の出番は少なめな感じだが、事件の進展につながるトリックを導き出すなど、事件解決に健在である。草薙刑事は刑事の目線で真相を導き出すが、違う勘で事件の真相を導き出す、内海刑事の存在感も光り、女性目線での細やかな気遣いも感じられる。殺害された夫の本性が、妻などに影響されていたと思うと悲しい気持ちになる。

  • 2016/04/19

    ガリレオシリーズ5冊目。
    妻は夫を何故殺したか。面白かった。
    今までのガリレオより、かなり主人公周辺の心理描写が細かい。
    特に、女性たちの健気さや狡猾さ、弱さ等々しっくりくる書き方でのめり込めた。
    殺さないように気をつけるという逆の発想。いやはや。

  • これも面白かったなー。
    殺し方とかほうほうって思ったような。
    色々夫婦にはありますね

  • ドラマが人気だっただろうからだけど
    福山雅治をしれっと出してきててウケた(笑)

    湯川先生好き好きオーラ出てるドラマ版内海刑事も可愛いけど
    小説版のクールで優秀な内海刑事もいい…!

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聖女の救済 (文春文庫)の作品紹介

『容疑者Xの献身』から3年。今度のガリレオの敵は、女!
男が自宅で毒殺されたとき、離婚を切り出されていたその妻には鉄壁のアリバイがあった。湯川が推理した真相は「虚数解」だという
ガリレオシリーズ長編がついに文庫化。

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