聖女の救済 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167110147

作品紹介・あらすじ

『容疑者Xの献身』から3年。今度のガリレオの敵は、女!
男が自宅で毒殺されたとき、離婚を切り出されていたその妻には鉄壁のアリバイがあった。湯川が推理した真相は「虚数解」だという
ガリレオシリーズ長編がついに文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 約2年半ぶりに手にした東野圭吾作品は約4年半ぶりのガリレオです♪

    いやはや、今回のトリックはヤバイです。
    確かに、それしか方法はない。
    でも、そんなこと現実的に可能なのか?

    そんな謎に今回もガリレオが挑みます。

    <あらすじ>
    ガリレオシリーズの第5弾。物理学者の湯川学と警察の内海薫が、難解な毒殺事件の謎に挑みます。
    真柴綾音は夫の義孝から子供ができないことを理由に離婚を切り出されます。しかし、綾音は義孝に対してある宣告を下します。それは彼女が一年間の「救済」を終えることを意味していました。翌日、義孝は自宅で毒殺されて発見されます。毒物は亜ヒ酸で、彼が飲んでいたコーヒーに混入されていました。しかし、綾音には北海道の実家に帰省していたアリバイがあり、毒物の混入経路も不明でした。捜査に当たった草薙俊平は綾音の美貌に惹かれてしまいますが、内海は綾音の犯行を疑います。内海は湯川に協力を依頼しますが、湯川は綾音が完全犯罪を成し遂げたと断言します。湯川は綾音が離れた場所から義孝を毒殺したトリックを暴くために、ある指示を内海に出します。その結果、湯川は驚愕することになります。綾音が行ったのは、理論上はあり得ても現実にはありえない「虚数解」という奇妙なトリックでした。綾音はなぜ義孝を殺したのか、そして彼女は本当に「聖女」なのか。湯川は綾音の真意とトリックの全容を明かします。




    ガリレオが迎えた新たな敵、それは女
    資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが…。
    シリーズ累計1320万部突破。驚愕のトリックで世界を揺るがせた、東野ミステリー屈指の傑作。

    内容(「BOOK」データベースより)

    資産家の男が自宅で毒殺された。毒物混入方法は不明、男から一方的に離婚を切り出されていた妻には鉄壁のアリバイがあった。難航する捜査のさなか、草薙刑事が美貌の妻に魅かれていることを察した内海刑事は、独断でガリレオこと湯川学に協力を依頼するが…。驚愕のトリックで世界を揺るがせた、東野ミステリー屈指の傑作。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    東野/圭吾
    1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。エンジニアとして勤務しながら、1985年、「放課後」で第31回江戸川乱歩賞受賞。1999年、「秘密」で第52回日本推理作家協会賞受賞。2006年、「容疑者Xの献身」で第134回直木三十五賞受賞。同書は第6回本格ミステリ大賞、2005年度の「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」各第1位にも輝いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 安心のガリレオシリーズ。
    四作目をこちらの本と勘違いして、
    図書館で借りました(こちらは五作目)。

    ※探偵ガリレオ
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110075#comment

    ※予知夢
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110083#comment

    ※容疑者Xの献身
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110121#comment

    三作目の「容疑者Xの献身」に続いて、
    こちらも長編ミステリー。
    こちらも物語の冒頭に犯人は明らかにされているのだが、
    その鉄壁のアリバイをどのように崩していくのかを楽しむストーリー。
    アッと驚くトリックは、さすがとしか言いようがありません。

    個人的には「容疑者Xの献身」ほどの興奮は味わえませんでしたが、
    それでもガリレオシリーズの長編ミステリーは、
    安心して楽しめる作品だと思います。

    ここなん作か連続して東野圭吾さんの作品を読んで、
    ブクログで平均3.8以上の評価を得ている作品は、
    自分も楽しめる作品であることが分かってきました。
    (4.0以上なら、期待度かなり高し。)
    図書館にあるガリレオシリーズを読んだら、
    ブクログ平均3.8以上の作品をチマチマ読んでいこうと思います。

    次の長編「真夏の方程式」も楽しみです。

    ※真夏の方程式
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167110156#comment

  • ガリレオシリーズ5作目は長編仕様。
    冒頭から今回の犯人が明らかになっているけど、その犯行の経緯。
    トリックを明らかにする過程が予想外の連続で。
    結構ページ数の多い作品でしたが夢中で読んでいました。
    草薙刑事の揺れる心と葛藤。
    今回も心に残る作品でした。

  •  「愛してる人が、残酷な別の顔を持っているとしたら」
    自分だったらどうするのだろう。とかなり考えさせられた。

    びっくりする程にひきこまれる作品だった。

     殺害された真柴に関わった三人の女性たち。どんなに苦しく、切ない思いをいだいていたことか。彼女たちのやりきれない気持ちに深く共感できた。

     トリックが果てしない程巧みで、犯罪者の心情を表しているように感じた。

  • 子供ができないことを理由に離縁を通告された妻が夫を毒殺したが、毒物の混入経路がわからない。用意周到な完全犯罪を湯川先生が暴いていく、ガリレオシリーズ第5作。

    内海薫刑事らが犯人に疑いの目を向けた理由が不自然。シャンパングラスをカップボードに仕舞っていなかっただけで疑いの目を向けるというのは、ちょっと無理があるよなあ。強引なストーリー展開に興醒めしてしまって、物語にあまり引き込まれなかった(犯人自体は最初から明らかにされていたし)。トリックはなかなか面白かったのだが…。

    本作、女性読者の一部は不快感を感じるんじゃないかな。「さすがに女は目のつけどころが違うな」、「女の直感を信用しろってか」、「せっかく女性刑事を入れたというのに、発言しにくい雰囲気を作っているんだとしたら、話にならん」、「そういったことについての女性の直感というものを、僕は信用する主義なんでね」、「それにしても女性というのは恐ろしい。あれほど合理性のない、矛盾に満ちたトリックを考えつくんだからな」などなど。男目線で、女性の特異性を見下しているような感じを受けた。まあ、2008年の作品だからな。

  • 読んでないのはガリレオシリーズくらいになってしまったので、引き続き。
    さすがのトリックに驚いた。
    こんなこと思いつくなんてなぁ。
    脱帽です。

    読み終わってから、装丁のパッチワークに気づいた。リビングでずっとパッチワークしてたというのが、まさかそうとはねえ。

  • 面白かった。
    私の中ではガリレオ史上最高作品です!

    聖女の救済のタイトルの意味が分かった時に、
    なるほどーっと感心しました。

  • 自意識過剰な男の、余りにも身勝手な考え方が遠因で、周りが振り回された挙げ句に起きた事件。殺された男は自業自得だが、周りはたまったものではないね。
    殺人ではないけれど、こういう、事ある毎に周りを引っ掻き回す奴っているよね。大迷惑。

  • 天才物理学者 湯川が改名する人気連作ミステリ第五弾。資産家の男が自宅で毒殺された。容疑者は夫から一方的に離婚を切り出された妻の綾音。しかし、綾音には鉄壁のアリバイがあった。

    「理論的には考えられるが、現実にはありえないトリック」

    本作はハウダニット(How done it?)の名作。一見すると単純そうな事件であるが、犯行の手口を解き明かすことができない。真相にたどり着くまでの過程がとても面白い。そして、登場人物たちの心理描写には釘付けになりました。

    聖女に相応しい結末と「救済」の意味。

    驚愕のトリックで世界を揺るがせたこの作品をぜひ、みなさんにも味わって欲しいな、と思います。

  • あり得ない!!現実的にありえない!!!

    ってな感じですかね。物語のはじめから、離婚を切り出された妻。そして自分のライフプランを大事にする夫。の議論が展開する。そして場面が変わり、夫が毒殺されてしまうという。最初の数ページで『んふ?!いきなり!??』ってなる。だが、これは完全犯罪の幕開けであった。。解けそうで解けない難問題。。個人的には、やっぱり『容疑者Xの献身』の方が、面白さに関して一枚上手だと思うなぁ~。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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