ザ・ベストセラー〈上〉 (文春文庫)

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制作 : Olivia Goldsmith  安藤 由紀子 
  • 文藝春秋 (2000年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167136246

ザ・ベストセラー〈上〉 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 【小説家が主役のお話シリーズ】

    私は小説家が主人公のお話が好きだ。
    そのお話の中で、作家である主役が小説を書いているシーンや、自分の創作について語るシーンには、そのお話を書いた作家自身の考えや経験がたくさん盛り込まれていて、とても興味深く面白い。

    *******************************************

    私の好きなO・ゴールドスミスの作品。
    面白い。とにかく内容ギッシリこれでもかってくらいにギュッと詰まっててとても読み応えがある。

    ゴールドスミスの常で、この話も複数の主役級人物のエピソードが複数同時進行で語られ、最後に一つにまとまって終わる。そこが見事。
    主役級の中には作家だけで5~6人は出てくるし、他にもエージェント・編集人・発行人などなど、出版業界に携わるさまざまな職業の人物が登場する。
    他の【小説家が主役の小説】と違うところは、作家以外の業界人がそれぞれの立場から本について語っているところだ。

    物語の中で作家たちが叫んでいるのは「どうやったら自分の本が売れるのか」
    編集人や発行人が叫んでいるのも「どうやったら自社の本が売れるのか」
    両者は同じ事を願っているようにみえて実は違う。作家は「自分の本をより多くの人たちに読んで欲しい」から「たくさん売れて欲しい」
    でも発行人は「内容はなんでもいい。どんなに悪趣味だろうがこけおどしだろうがどうでもいい。とにかく売れて儲かればいい」のだ。
    このギャップをゴールドスミスはいつもの辛口なユーモアで少々えげつないほどあけすけに語っている。

    この話はゴールドスミスが自身のデビュー作『第一夫人同盟』を出版するまでに舐めた艱難辛苦が元となって書かれたらしい。
    おまけに登場する作家たちがみんな「どこかで見たような」実在の作家を彷彿とさせてそこも面白い。
    (『ロマンス作家はなぜかいつも名前が3つある』ってセリフはこの話で出たんだったかな。思わず爆笑した。スーザン・E・フィリップス、カレンM・マニング、リンダ・ラエル・ミラー、そしてスーザン・ベイカー・エドモンズ(※この小説に登場する大御所ロマンス作家)ね)

    上下巻たっぷりの900ページ。読み応えたっぷりで面白い本だ。

  • 出版社の実情や売れない作家たちの悲哀こもごもの実情を描いたアメリカのエンターテイメントノーべル。
    山田詠美さんがエッセイの中で薦めていた本。

    各章のはじめに著名な作家の引用があり、登場人物は多いが各章の物語がそれぞれ短めであるため、同時進行で進むそれらの物語も理解しやすく楽しく読める。

    なんといっても本好きなら興味深い内容。
    作家として売り出すための苦労や、売る側(出版者、代理人)の策略には、日本でも似たり寄ったりの部分があるのだろうなと想像させられる。

    たしかに名が売れているというだけで、同じような内容を違う本で繰り返し述べている作家の顔も浮かんだりして。
    それをつい読んでしまうのは売り手の策略に見事のっかっているわけだが。。
    しかしその経験があると、その作家の本からは自然と遠のいていくのも事実。

    とにかくエンターテイメントに徹しているので、どんどん楽しく読める。
    出版や本屋などの話は大好きなので、ぜひ映画化されないかと願っている。

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