新装版 当社別状なし (文春文庫) (文春文庫 し 2-31)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167139315

感想・レビュー・書評

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  • ワンマン社長の暴走ぶり、今では少ないが似たような会社は多いと思う。粉飾のくだりをもう少し詳しく描いて欲しかった。 小説だから難しいか。

  • 何か淡々と物事が進み過ぎているような記述に感じたのは、時代の移り変わりのせいなのかどうか。
    よく分からない。

    ジャンルとして近いであろう、池井戸作品に対するような「のめり込み」は感じる事が出来なかった。

  • 少し前の日本が成長過程にあった時代の話。だけど、いまの時代でも十分通じるところが…。権力者はいつの時代も同じ過ちを繰り返すということか。非常に以前自分が勤めていたワンマンオーナーの社長に酷似していて他人事とは思えない思いで読まされた作品でした。どんなに優れた才能を持っていても、創業者だとしても、会社を、会社の資産を私物化しちゃ駄目なんだよね…。

  • 昭和41年の小説が違和感なく心に入ってくる。
    地方の中小企業社長が、個人会社を自分の思うように
    経営していく内容である。
    社長は我が強く、ワンマンであり、根回し上手
    で豪快な姿が魅力的である。
    現在の経営に取り入れるところがいくつかある気がする。

  • 高度経済成長の頃に、自分が働く製鉄工場に人生を捧げた男の話だった気が。。。
    自分の世界とは違いすぎていろいろ勉強になった。
    男の仕事に対する感覚はまた女とは違うんだな。

  • 成り上がりの地方中小企業の経営者と、大手企業から子会社に出向させられている技術者。

    その出会いをきっかけに急成長していく企業と、その華々しい発展の影にうごめく欲望のドラマ。走り続けないと死んでしまうー。

    いつかどこかで体験したような。。

    夢を持ち、まっすぐに進んでいくときの麻薬のような気持ちよさも、
    いつか終わりがくることを感じながらただ仕事をしているときの憂鬱さも、苦味を持って迫ってくる。

    城山先生の、この読後感がたまらない。

  • この本は昨年書かれました、と言われても遜色ない作品である。実際は、昭和41年の刊行。今から46年も前の作品なんだけど、オリンパスや大王製紙の転落のメカニズムは、この本に出てくるワンマン経営者、中丸のキャラクターに集約することができるだろう。もしも、我が社の内実もこんなことになっていたら…考え始めると恐ろしくなる一冊である。

  • 中小鉄鋼会社の社長の成り上がりから転落まで。
    スピーディーでドラマティックな展開でとても読みやすく、面白かった。
    終わり方も余韻があってよい。


    小規模な華麗なる一族 − 家族のイザコザ みたいな小説。

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著者プロフィール

1927年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。57年『輸出』で文學界新人賞、59年『総会屋錦城』で直木賞を受賞。日本における経済小説の先駆者といわれる。『落日燃ゆ』『官僚たちの夏』『小説日本銀行』など著書多数。2007年永眠。

「2021年 『辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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