その男(一) (文春文庫 い 4-23)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142230

作品紹介・あらすじ

主人公、杉虎之助は微禄ながら旗本の嫡男。十三歳で、大川に身を投げ、助けられた時が波瀾の人生の幕開けだった。幕末から明治へ、維新史の断面をみごとに剔る長篇。(佐藤隆介)

感想・レビュー・書評

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  • 購入してから永きに渡り本棚に積まれていたが(17年程…)、出張の供に選ばれ遂に読了♪流石は池波センセ、とても面白いです

  • 映画『狼よ落日を斬れ』の原作。まずは黎明の第一巻……

  • 「寝る場所と、女を抱く場所と、酒を飲む場所。この3つは、どんな野郎にとっても欠かせねえものだ。この3つが、どこの誰にもうまく行き渡った世の中ならば、騒がしくはなりますまい」

    幕末から明治への世の中を舞台に、主人公の杉虎之助の生涯を描きながら、維新史の断面を描く物語。

    虎之助は微禄ながら旗本の嫡男だが、生来の病弱に加えて義母に疎まれ、そんな我が身を儚んで13歳のとき大川に身を投げるが、謎の剣士・池本茂兵衛に助けられ、彼に弟子入りし、諸国漫遊の旅に出る。

  • 幕末から明治までの時代を生きた剣士の数奇な人生を描いた作品。3巻にわたる長編小説であるが、この1巻は主人公・杉虎之助が義母にうとまれた挙句川に身を投げることから始まり後に大きく関わることになる薩摩藩との出会いまでが語られる。

  • 杉虎之助は、病弱な男であった。
    父親は、誠実で、実直な人であったが、子供に十分配慮する余裕もなかった。
    後妻に、男子が生まれ、義理の母に冷たくされて、
    いっそのこと。死んでしまおうと川に身投げをするが、
    池本茂兵衛に 助けられるのだった。
    そして、師と仰ぎ、身体を回復し、呼吸法を学び、
    剣術を学び、見違えるほどになった。

    時代は、幕末。
    そこを、駆け抜けようとする男の物語。
    池波正太郎が、幕末という時代の変化を、とらえ、
    まっすぐな、青年を描き切ろうとする。

    死を直面する伊庭八郎の想いが、切なく、清々しい。
    八郎と虎之助の交友が、互いを理解し、尊敬し合いながらも、
    青春らしく、ハニカミもあり、いいなぁ。

    礼子、お秀の二人に、虎之助は、どうつながって行くのだろうか。
    物語は、始まったばかりだ。

  • 913.6 イ (1) 登録番号8934

  • 1巻しか読んでいないが、まあ面白い。

    作者の筆力でぐんぐんと惹き付けられる。が、格好よく謙虚で剣の冴える主人公が色々な事件に遭遇し、善意から対処していくというストーリで2巻を読もうという気にイマイチなれない。読んでもいいけど、もっと他に楽しい本があるんじゃないかなって思って止めてしまった。

  • 2011/10/04完讀

    ★★★★☆

    杉虎之助出生在一個旗本家庭,但天生體弱多病,加上又不得後母歡心,鬱鬱寡歡。他13歲時遇見劍客池本茂兵衛,便離家跟隨池本學劍。

    後來虎之助回到江戸,已經是十九歲的堂堂青年及傑出的劍客。池本幫他找了房子,讓他悠閒練劍,同時也想想在亂世接著應如何自處。但師傅行走各地似乎有其隱情,祕密一直纏繞在他心頭,後來他幫助了一個神秘的女子礼子,也漸漸發現師傅和礼子似乎是幕府的密探,都去了京都。在這期間,他還認識一個神秘女子お秀(後來也去了京都)。在江戸居住的這段時間,他結識了天才劍客伊庭八郎,伊庭有肺結核,知道時日不多,所以把心形刀流的密技傳授給他。

    虎之助決意上京尋找師傅和礼子,在路程也和薩摩的武士大山格之助交了手。到了京都終於見到池本師傅,才了解原來師傅和礼子都正奉命調查薩摩,所以才一直遭到薩摩藩士的追殺。此時,薩摩精忠組的暴亂似乎正一觸即發…

    **
    沒想到今年那麼久沒讀池波了。隔了很久再來讀他作品,還是一樣很棒阿!

    (318page)

  • これぞ池波正太郎の娯楽時代小説。剣あり、女あり、友情や師弟愛あり。江戸末期、病弱な少年は謎の剣士を師と仰ぎやがて自身も剣士となりかえってくる。江戸で京で杉寅之助の活躍が始まる。

  • 3巻まで読み終わったらそちらに書きます。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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