新装版 鬼平犯科帳 (14) (文春文庫) (文春文庫 い 4-65)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142667

作品紹介・あらすじ

鬼平犯科帳が、時代を超えて現代人の心を強く捉えるのは、部下を束ねる平蔵の“リーダーシップの見事さ”にある。部下を思いやる心の篤さ、だからこそ部下も我を忘れて働く……名管理職・平蔵の真骨頂を描く「五月闇」のほか、お頭へ盗賊を周旋する口合人(くちあいにん)と平蔵のかけひきが愉快な「殿さま栄五郎」、兎忠こと木村忠吾が久しぶりに活躍する「さむらい松五郎」、そのほか「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「浮世の顔」の全六篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 鬼平犯科帳 (14)

    ショック・・。
    「五月闇」で、ヤキモキして、「さむらい松五郎」の冒頭で“ああ・・。”と、がっかりしました。
    サブキャラの一人とはいえ、これだけ喪失感があるという事は、自分が密偵・伊三次というキャラに、愛着がわいていたのだなあと。
    そんな読者の寂しさを埋めるかのように、「さむらい松五郎」は“兎忠”こと木村忠吾さんが奮闘しています。イケメン先輩同心・小柳さんに“ひどく威張ったな・・”とチクチク言われて狼狽する忠吾さん。という場面があるのですが、何か笑えて、“伊三次ロス”の辛い気持ちが少し癒されました。

  • さらば伊三次。
    密偵の中では愛着のあるキャラクターなので、ここでさよならとは本当に悲しい。
    以前はうっかり兎忠に探索内容を漏らして、お頭に泣いて謝った事もある伊三次・・・。
    さびしくなるなぁ・・・。
    余談ですが、今回妙に年寄り臭いお頭に、吃となって反論する佐嶋もややかわいい。

  • 「あごひげ三十両」何も抜かなくても
    「尻毛の長右衛門」痴女怖
    「殿さま栄五郎」バレるの早っ
    「浮世の顔」どちらにしろ強姦魔は死刑
    「五月闇」ありがとう伊三次
    「さむらい松五郎」もう兎とは言わせない

  • ※読了2回目と思われる
     売却済み

  • 3021.8.8 読了


    とうとう この日が来てしまった。。。

    テレビシリーズで初めて見た時も
    かなりショックで 呆然としましたが、
    とうとう 密偵の伊佐次が。。。


    続く 忠吾が すごくすごく
    伊佐次のことを 悼んでいて、
    それも 余計 泣けたし、
    その話も とても面白かった。

    いろいろ印象に残る巻でした。


  •  池波正太郎 著「鬼平犯科帳 14」、2000.9発行。6話。第1話「あごひげ三十両」と第6話「さむらい松五郎」は面白かったです。あとの4話は、ストーリーが面白くないです。キレもなく、半太郎、平十、伊三次など助けるつもりの者が死んでしまっては読後感が悪いです。

  • 時代を超えて多くのファンに愛されるシリーズ第14作。「五月闇」「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「殿さま栄五郎」「浮世の顔」「さむらい松五郎」を収録。
    本巻の最も衝撃は、「五月闇」の伊三次の死。やんちゃさとスマートさを兼ね、そして仕事は堅実。置かれた立場上を考えると、いつ死んでもおかしくはないが、その無情さと無念さが伝わる傑作である。

  • あごひげ三十両
    尻毛の長右衛門
    殿さま栄五郎
    浮世の顔
    五月闇
    さむらい松五郎

    「殿さま栄五郎」馬蕗の利平治の密告により、平蔵が「殿さま栄五郎」になりすまし火間虫の虎次郎一味に潜入。火間虫一味に偽物栄五郎とバレてからがひやひや。
    「五月闇」鬼平シリーズ再読なので、この巻を読むときとうとう来てしまったかと思った。伊三次好きだったので、この話はつらい。
    「さむらい松五郎」冒頭にて、伊三次がいなくなってしまった寂しさを感じる。今度は木村忠吾が「さむらい栄五郎」になりすまし。忠吾も登場時に比べて頼もしくなった。

  • 伊三次さんはそんなこと望んでたの?
    過去と向き合った上で覚悟決めてたんでしょう?
    別に相手が苦しむの望んでたわけじゃないでしょう。
    忠吾さんがやったことは、ただ自分が腹が立って仕方なかっただけで、伊三次さんのためでも何でもないと思うんだけどな。

    それにしても女性の扱いがやっぱりひどい。何て世の中…。
    でも今も変わってないのかもしれないな。

  • 伊三次が死んでしまった。その死を悼む鬼平も辛い、私も辛い。悲しみがみなぎる「五月闇」のほか、「あごひげ三十両」「尻毛の長右衛門」「殿さま栄五郎」「浮世の顔」「さむらい松五郎」を収録。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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