新装版 鬼平犯科帳 (15) (文春文庫) (文春文庫 い 4-66)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167142674

作品紹介・あらすじ

二夜続けて、腕利きの同心が殺害された。その剣の手練は、半年まえ平蔵を襲った兇刃に似ている。あきらかに、何者かの火盗改方への挑戦だ。その目的は? あの大鴉のような男が向けてきた刃の凄さを思い返した長谷川平蔵は、湧き上ってくる闘志を押さえかねて思わず身震いした──正体不明の恐るべき強敵の登場に、じりじりと追い詰められる平蔵。亡き恩師・高杉銀平の言葉が思い出せれば、手がかりになるのだが……シリーズ初登場の長篇〈雲竜剣〉は、興趣満々の作品。

感想・レビュー・書評

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  • 鬼平犯科帳 (15)

    今回は特別長編「雲竜剣」という事で、読み応えばっちりのスペシャル版となっております。

    二夜続けて腕利きの同心が殺害され、その剣の手練は、半年前に鬼平さんを襲った凄腕の剣客を彷彿させるもので・・。
    正体不明の恐るべき強敵の前に、暗中模索の火盗改方の面々。まさに“総動員体制”で事にあたりますが、それでも手が足りず、鬼平さんの剣友・左馬之助さんも駆り出される始末です。
    手の付けようがない程の困惑状態から、絡んだ糸をほぐすように事を明らかにしていく過程に、自分も探索の一員になったような気持でページを繰りました。
    そして、鬼平さんはじめ火盗改方の与力、同心、密偵の皆さんが一丸となっている姿に胸が熱くなりました。忠吾さんもいつになくテキパキと仕事していましたね。左馬之助さん、久栄さんもお疲れ様でした。あ、辰蔵さんもラストで頑張っていましたね。

  • 内容は全編が長篇〈雲竜剣〉編。
    これまでにありそうな話を長く伸ばしたような感じ。いつもより長めの聞き込み・追跡の繰り返し。ただ探索区域が広く、みんなも散らばっているため誰がどこで何を見張っているかわかりにくい。
    鬼平の世界は短編のほうがいいかも・・・

  • 2021.9.6 読了


    いつもは 短編集ですが、
    この巻は 長編でした。

    いくつかの事件が起こり、
    それが だんだん繋がってゆく。

    いろんな密偵、同心が出てきて
    大捜索網が ワクワクしました。


  • 二日続けて火盗改方の同心が何者かに殺害される。非道な火盗改方への挑戦に、長官・長谷川平蔵の怒りと闘志が湧き上がる。恐るべき敵に立ち向かう平蔵の縦横の活躍を描く長編作品。
    久しぶりに堪能した池波作品、そして鬼平犯科帳。長編作品なので登場人物も多彩かつ個性的であり、何よりあの忠吾が人として同心として大きく成長した姿を見せてくれるのがうれしい。

  • 久しぶりに長編を一気読み。
    はじめは闇に手足を突っ込むような不気味な雰囲気から、「急変の日」辺りから一気に網の目がはっきり狭まっていく。
    今回は火盗改方をはじめ、左馬之助、辰蔵などこれまでの登場人物がいたるところで活躍する。特に、忠吾の堂に入った連絡や辰蔵の思わぬ登場が頼もしい。佐嶋は過労で倒れるのではないかと心配になるほどだった。
    剣客、火盗改方の長官両面から平蔵の勘ばたらきが冴え渡る。

  • 人が変わったようですね、兎さん。
    でもそれはそれで寂しいような。息子さんが以前の兎さんの役目を担ってくれていますけどね。
    でも、女性のこととなるとやっぱり以前のテイストを残しているのですね。

  • 短篇のほうが切れがあるかな。

  • 「鬼平」初の長編、読み応えがあった。

  • 謎の剣客の影を中心に、複数の盗賊が絡むシリーズ初の長編で、次々に火盗改メ関係者が殺されていくくだりは、読み手のハラハラが募るばかりだ。捜査の範囲が北は牛久宿から南は相州・藤沢宿の広範囲におよび、限られた人数で捜査網を狭めていく様が、読む速度を否応なしに速めてくれる。最後の最後にそれぞれの点が結びつけられ、解決後のほのぼのとした情景を思い浮かべるにつけ、読み手の肩の力がようやくに抜けるのを感じた。

  • 鬼平犯科帳 15巻目。
    2016年の年末スペシャルの原作。
    自分は、そのドラマを見て、鬼平犯科帳にハマったので、楽しみにしていた巻。

    忠吾の成長が手に取るようにわかり、なんだか、うれしくなった。
    また、平蔵さんの息子、辰蔵の成長も、これから楽しみ。
    この巻では、まだまだ頼りないけれど。。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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