新装版 鬼平犯科帳 (20) (文春文庫) (文春文庫 い 4-71)
- 文藝春秋 (2000年12月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (303ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167142728
作品紹介・あらすじ
女は、いきなり甚助へつかみかかり、「何をしゃあがる」立ちあがった甚助に突き飛ばされると、「か、敵討ちの約束がまもれぬなら、わたした金を返せ、返せえ!!」白眼をつりあげて叫んだ。逃げ廻る甚助に旧知の平蔵は助太刀をするが、事は意外な方向に展開して行く。女心の奇妙さに、さすがの鬼平も苦笑い。花も実もある鬼平の魅力──「助太刀」。ほか「おしま金三郎」「二度あることは」「顔」「怨恨」「高萩の捨五郎」「寺尾の治兵衛」の全七篇収録。
感想・レビュー・書評
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鬼平犯科帳 (20)
男女関係の“妙”が描かれた「おしま金三郎」「助太刀」。描かれている女性観についてはちょいと疑問ですが、いつの世も痴情のもつれというのは、当人同士でないと解りかねるところはあるものです。
そして、盗賊でも人としての心を失っていない者もいるという事で、「高萩の捨五郎」「寺尾の治兵衛」はまさにそんな“心ある”盗賊の話でした。特に「寺尾の治兵衛」は切ない結末に・・。鬼平さんの温情ある処置には泣けてきます。
ついに鬼平シリーズも20巻読了してしまいました。あと4巻しかないので、ちびちびと読んでいくことにします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「おしま金三郎」女の執念
「二度あることは」密偵が増えた
「顔」兄弟、それも腹違いでそんなに似るものか
「怨恨」喜十よかったね
「高萩の捨五郎」密偵増える。そしてまた伊織か
「助太刀」おしまといい、お峰といい、女と何かあったんですか
「寺尾の治兵衛」ちょっと強引な締め 秋山小兵衛がちらっといる -
女から敵討ちを頼まれて逃げ回る男に、平蔵が助太刀を申し出て意外な事実が判明する『助太刀』ほか、円熟の7編。
季節は移ろい人は入れ替わる。それでも過去の情念と行為は消すことはできない。鬼平はその全てを汲んで決断する。いつも懐の深さに感服する。 -
寺尾の治兵衛
身を捨てて子供を助けた治兵衛。平蔵は治兵衛の小判50両を治兵衛のむすめの嫁入りにと、大滝の五郎蔵に持たせて旅立たせる。
長谷川平蔵の世界はいいなぁ。 -
池波正太郎さんの鬼平犯科帳シリーズが、なぜ私に相性が悪いか、20巻を読んでて、よくわかりました。以前にも書きましたが、やたら「どこどこの土地の何ベえ」「〇〇と言われてる誰々」と盗賊が多すぎること。それも各巻ごと新しく。そして、その盗賊が火付け盗賊改め方の密偵に。いわば密偵と盗賊のはなし。人間模様は少し、大半は盗賊模様、そんな印象です。時々、楽しめる人情話はありますがw。それでも、あと数冊、シリーズ完読はしたいと思っています(^-^)
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優柔不断で状況に流される細川峯太郎は、私自身を見ているようでもある。
でも、もしあのまま彼女に会っていたとしても、今更相手にしてもらえるとは思えないんだけど…。
そんなことも考えられないほど気持ちが揺らいでいるのかな、峯太郎さん。
どの面下げてってやつですよ。 -
「二度ある事は」を読むと、細川に同情してしまう。昔の女に未練が残り、それが事件と結びつくという悪循環。男とはダメなものだ。「寺尾の治兵衛」では、だんだんと五郎蔵と同じ気持ちになってくる。これだけ手放しで治兵衛に信頼されると、捕まえられるのが読んでいても辛い。彼の最期が「このよう」になったのも、著者が良い落としどころを自然に選んだような気がしてならない。治兵衛の死を伝えるための五郎像の旅は、さぞ気が重いことだろう。
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「おしま金三郎」、「二度ある事は」、「顔」、「怨恨」、「高萩の捨五郎」、「助太刀」、「寺尾の治兵衛」の七作品を収録。
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鬼平犯科帳 20巻目。
とうとう20冊目に突入。
今回は、女性という生き物。が書かれたものが多かったような。
女性からしたら、「みんながみんな、そうだと思わないでくれ」と、言いたいところだが。。(笑)
この人は、密偵になるのだろうなーと、思っていた人が3人ほど。
その中の1人がまさかの事態で亡くなるとは。。。悲しい。。
密偵になりそうな人って、人としての心をしっかり持った人なんだよな。。
しっかりと盗みの三か条を守っている人。
惜しい人を亡くした。。
そして、故人への平蔵さんの対応に、読み手の自分もうるっと来た。