シャトウ ルージュ (文春文庫 わ 1-25)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (497ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167145255

感想・レビュー・書評

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  • 本自体よりも解説に納得して渡辺淳一さんの他の本も読みたくなった。『現代の日本社会は、ワイドショーをはじめとして、不倫とか離婚とか嫉妬とか、男女のことにすぐ大騒ぎして、批判するだけでしょう。まずそう言うものに反逆したかった、とともに、もっと自然な性を評価してあげたかった。』
    中身は大部分がエロだった。

  • 夫が性生活に不満を持ってて、自分の妻をお金を払ってまで自分好みの女性に調教してもらう。確かに妻は性に目覚めるんだけど、ねえ。夫の一方的な願望で、外国人の男たちに刻々と調教されていく妻の様子が、かなりエロが、夫がこっそり覗いている感じにリンクできる。そして調教完了後の妻の選択にも納得。人を変える前に自分が反省してみろ、と夫に言ってやりたくなった。

  • いいですねー。性への目覚めがリアル。
    渡辺洋一さんの性描写は本当にイヤらしくて大好きです。こんな奥さん欲しいわー。
    ただ、ラストが何となく想像できてしまったので星は三つ。意外性を求めたかった。

  • 結婚して2年、33歳の医者克彦とセックスを嫌う美しい妻月子27歳の物語。妻を愛するためとは私は思えないが、パリ旅行中、契約上の拉致で妻を城に幽閉、拘束された全裸の妻が男たちに調教される様子を覗き見する夫。帰国後は送られた映像を眺めて悶々とする夫。この無謀ともいえる男の策略がもたらす行く末はいかに。490頁の大作ですが、半分以下に絞れそうな気がしました。失礼しました。文庫の解説は藤田宜永氏です。

  • 主人公の克彦はフランスのパリで、妻の月子を誘拐されてしまいます。驚いた月子の両親は彼のもとを訪れ、月子を取り返してほしいと訴えますが、じつは彼女の誘拐は克彦が仕組んだことでした。

    克彦は、妻でありながら彼との肉体関係を忌避しつづけてきた月子を懲らしめるため、フランスで知り合った「Z」という男に彼女を誘拐して調教を施すことを依頼します。彼の依頼を受けたZは、月子を「シャトウルージュ」と呼ばれる洋館に幽閉し、数か月間にわたって何人もの男女の手で月子の身体に性の悦びを教え込みます。克彦は、Zたちが妻に淫らな行為をおこなっている様子をのぞき見ながら、激しい嫉妬と興奮に苛まれます。

    そして月子への調教プログラムがすべて終わり、彼女は克彦のもとへ返されますが、調教によって身も心もすっかり作り変えられてしまった月子はまもなく彼のもとを去り、ふたたびシャトウルージュへともどっていきます。

    『失楽園』や『愛ルケ』など、多くの性愛小説を執筆してきた著者の性愛観が、もっともストレートに提示されている作品ではないかと思います。もちろん、キリスト教の圧倒的な影響のもとで涜神としての性愛を発展させてきた西洋とは異なる、日本のエロティシズムを文学的に探究してきた過去の小説家や文学者たちとくらべるといささかスケールが小さいと感じますし、「アメリカの影」といったテーマへの広がりもなく主人公の卑小な西洋コンプレックスが表明されているにすぎないというのもその通りではあるのですが、性の悦びを知らない月子が西洋人の手で開発されていくプロセスが語られていくなかで、著者の性愛観における医学的・自然的な条件に文化的な条件が上書きされているところに、個人的には興味を惹かれました。

  • 時系列は逆だけど、フィフティシェイズの男性目線版のような。
    性愛がテーマだと、描写の上手い下手や好き嫌いではなく、どちらの性目線で描かれているかで読んだ後の違和感が違う。

  • [要旨]
    フランスの古いシャトウで、毎夜くりひろげられる美貌の妻の「調教」。そして、異国の男たちによって弄ばれる妻の裸身をのぞき見る夫の若い医師―。はたしてこの背徳の行為は二人の運命に何をもたらすのか?恋愛小説の第一人者が、現代の男女の「愛と性」というテーマに正面から挑んだ衝撃の問題作。

  • 現代の男女の「愛と性」というテーマに正面から挑んだ衝撃の問題作。だけに衝撃的だった。たまには、こーゆのも有かな。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    フランスの古いシャトウで、毎夜くりひろげられる美貌の妻の「調教」。そして、異国の男たちによって弄ばれる妻の裸身をのぞき見る夫の若い医師―。はたしてこの背徳の行為は二人の運命に何をもたらすのか?恋愛小説の第一人者が、現代の男女の「愛と性」というテーマに正面から挑んだ衝撃の問題作。

  • 前の会社の近くのバーのマスターから借りた本

    ただのポルノ小説でした。

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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