- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167164065
作品紹介・あらすじ
隠岐——吉野——長野——青森を繋ぐ後醍醐天皇の黄金伝説。幻のコイン、乾坤通宝は果たして実在するのか。密教集団、立川流の正体とは。塔馬双太郎が挑む歴史長篇ミステリー。(井上夢人)
感想・レビュー・書評
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いわゆる歴史ミステリーは好物なのだが、本書はあまりに殺人事件がとってつけたようで、その解決もあっさりとしており今一つだった。
歴史の謎は後醍醐天皇にまつわるもので、それなりに惹きつけるものがあった。無理に現代の殺人に絡めず、じっくりと歴史の謎に取り組む方が作品として面白くなったかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あんまり面白くないのは後醍醐天皇をよく知らないからなのか。
幻の硬貨の発見を知り振り回される歴史小説家と編集者とカメラマン。
旅行に行った気分になれるかな?と思ったがなれずに読み終わる -
新年1本目というか、年末にはほぼ読み終えてた作品。後醍醐天皇の南北朝分断から、幻の貨幣である乾坤(けんこん)通宝をめぐる歴史ミステリ…なのかな?
部隊は島根は隠岐の島から吉野、青森、長野と後醍醐天皇の足跡を追うように進行するのだが、肝心(?)の殺人事件は、わりかし地味。そして、謎の集団による殺人をほのめかす言葉のみ。
登場人物は、メインがミステリ作家と歴史研究家など、2時間サスペンスドラマのような"わかりやすい"ものだし、途中で出てくる人たちも、役場の職員など傍観のしやすい立場である。
逆に言うと、傍観し過ぎて切羽詰まったところが特に無いわけで、ちょっとダラダラした印象も受けるが、最終的にも2時間ドラマのように無難にまとまっているので、非常に読みやすい作品。
まあ、あんまり残るところもなかったかも。 -
歴史ネタをメインに据えるのか
ミステリーとしての事件要素をメインに据えるのか
ちょっとどっちつかずで中途半端になってしまった印象。
とはいえ、南北朝の後醍醐天皇ネタは
昨年吉野に行ってたこともあって、
面白く読めた。
やはり苦しかったのはミステリー部分で
わかりやすいトリックがあるわけでもなく
ゴチャついた人間関係を紐解くミステリーなので
物語への引力が薄かったように思えた。 -
昨年(2014年)秋に吉野に行った時、吉水神社の南朝行宮跡を見学し、この本のテレビドラマの撮影が、そこであった事を発見。伝奇推理小説。5点中3点
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後醍醐天皇の数奇な人生をたどりながら進む現代の推理小説。
後醍醐天皇やその末裔たちについて詳細に描くのか、現代の推理小説を描くのか、少し中途半端な気がしないでもない。
もちろん著者は後者なのでしょうが。
高橋克彦氏の時代小説が、たとえば風の陣が素晴らしいだけに期待をして読んだけど、やっぱり時代小説が良い、というのが素直な感想。 -
ドラマを見て本を読むか、読んでから見るか、昔そんなコピーがあった。今回はドラマを見て作品の存在を知ったので、見てから読むしかなかったが、原作のチョーさくに惚れた。やはり、原作はいい!しかし、本編よりあとがきを楽しんだ感もある。テーマの重たさのわりにさらっと読める作品だった。
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こういう引掛け方と動機はとても好み。
並行しているオノコロ島でもやもやした分すっきり。
本編ではないですが、井上夢人さんの解説も平易でシンプルで魅力的だし、井上さんと高橋さんと島田さんの素敵なやりとりに思わずふふふと笑ってしまう。 -
2サス化されていたので、なぜいまどき高橋克彦、それも塔馬もの? でも楽しみ、と思って見たが、あまりにイメージの違う塔馬が耐え難く、一瞬で視聴を断念した。
原作読んだはずなのに全然思い出せないので読んでみたら、内容は2サスにするために書かれたような感じだった(のに…)。塔馬も思ってたほど渋くなかった(リサ&チョーサクシリーズは浮世絵シリーズより軽いからか)が(でもやっぱ納得いかない。天才だからって奇矯にする必要ないだろが)。
乾坤通宝がニセモノであることを疑わないチョーサクたち、いくらなんでもナイーヴすぎ。 -
表紙の髑髏を敬遠して、これまで手を出していませんでした。
ふむ、塔馬双太郎シリーズだったのですね。
後醍醐天皇の配流先と過疎、という着眼点は面白かったけど
意外と早めにスジが読めてしまったので、その点はちょっとマイナスな感じ。
【収録内容】
序幕
一幕 長山と亜里沙、迷路への道行に出立すること
二幕 南朝の秘宝と隠岐での脅迫のこと
三幕 吉野にて後醍醐天皇の残照に出逢うこと
四幕 青森と長野の大川原の狭間に立つ塔馬双太郎のこと
五幕 迷路を解き明かす塔馬の新たな困惑のこと
終幕
<解説>井上夢人