御宿かわせみ (19) かくれんぼ (文春文庫) (文春文庫 ひ 1-66 御宿かわせみ 19)
- 文藝春秋 (1997年10月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167168667
作品紹介・あらすじ
御殿山のお屋敷の庭でかくれんぼをしていた源太郎と花世が、迷い込んだ隣家で遭遇した殺人事件。その背後には、一通の手紙を巡って西国の雄藩から前御台所までも巻き込む複雑な事情があったと分かったが、肝心の手紙の行方が杳として知れず…。表題作ほか「マンドラゴラ奇聞」「薬研堀の猫」「江戸の節分」など全八篇を収録。
感想・レビュー・書評
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【8作収録】
・朝鮮人参と似ていながら、使用すると人を狂わせる植物マンドラゴラ。それを売り歩いていた男が遺体で発見されるが、マンドラゴラが見つからない。殺される直前に、男は捨てたと言い張ったが・・・
・かわせみへ一人で歩いてきた花世。褒められたことで味を占め、後日再び慣行するも、見知らぬ男に連れ去られる。何とか脱出し、永代の元締めに助けられる
・20年前の殺人の罪を償い江戸へ戻ってきた女。時が経っても当時の動機はわからぬまま、娘の婚儀の足枷にならぬよう江戸を出ようとした折、娘がかどわかしに遭う
・かくれんぼの最中、壁のすぐ向こう側の殺人を聞いてしまった源太郎と花世。薩摩藩と前御台所の密書が紛失し、疑心暗鬼にかられた内部同士の犯行
・行方不明になった猫が近所の隠居に連れられていたと言う芸妓。隠居は長旅に出たばかりで帰りはいつになるかわからず、息子夫婦は芸妓の度重なる苦情に町を出て行く様子で・・・
・質の悪いねずみ講が流行る中、老女1人がかわせみへ滞在する。金を持ち逃げしたねずみ講の元締めの女ではないかと疑う中、老女は大川へ身投げしようとする
・薬湯の元が売れに売れる湯屋の女主人がかわせみに滞在する。同じ頃かわせみへ滞在している老夫婦を目の当たりにし、一度も結婚することなく商売一筋できた自分の人生が果たしてよかったのかと感傷にひたる
・名主の娘が陵辱された挙句に殺された。その数日前には、不審火が続き、偶然現場に居合わせた男がひっ捕らえられていた。男は名主の娘と恋仲に近い関係であった。2つの事件の関連性はあるのか詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
00年5刷本
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2007/9/24
BM-H E