新装版 御宿かわせみ (2) 江戸の子守唄 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 291
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167168810

作品紹介・あらすじ

小さな宿の女主人るいと、次男坊ながら親代々八丁堀与力の家に生まれた東吾。尋常にいえば縁組の成立するわけがなかった-。二人の"忍ぶ恋"を縦糸に、江戸下町の四季の風物を織り交ぜながら描かれる、人情味あふれる捕物帳。今日も「かわせみ」には様々な人が泊り、様々な事件がおこる。人気シリーズの新装版第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸情緒が溢れる捕物帳シリーズ「御宿かわせみ」の第二弾。
    「江戸の子守唄」「お役者松」「迷子石」「幼なじみ」「宵節句」「ほととぎす啼く」「七夕の客」「王子の滝」の全8短編を収録。
    相変わらず、東吾とるいの恋愛模様を背景に(るいの言動が可愛い(笑))、捕物劇が重なり合って、時にはスピード感を持ち、時には江戸風情をゆっくり噛みしめながら展開される物語が楽しいです。
    最初の方の物語はどちらかというと物悲しい話が続きますが、今回は「幼なじみ」「宵節句」「七夕の客」などテレビシリーズで観た記憶のある物語も多く、テレビの配役と声を重ね合わせて楽しむことができました。やはり自分は八丁堀同心の畝源三郎がいいですねえ。(笑)また、今回は「江戸の子守唄」をはじめ、麻生家とのかかわりが描写されはじめて、東吾とるいの緊張感をもった関係もよくわかるようになっています。後半の「ほととぎす啼く」「七夕の客」、そして特に「王子の滝」はミステリー要素の色合いも濃く、多様な面を持つ本シリーズの魅力をよくあらわしているといえるでしょう。
    本シリーズは長いですが、また次を読んでみようかなと思わせる作品群です。

  • ▼「江戸の子守唄」「お役者松」「迷子石」「幼なじみ」「宵節句」「ほととぎす啼く」「七夕の客」「王子の滝」

    ▼2巻まで読んで、悪く言えばマンネリだが、良く言えば安心安定という魅力も良く分かった気がしました。(自分にとっては)面白いです。もちろん読みたい気分のときとそうじゃないときがありますけれど。

    ▼やっぱり、女性である「るい」が一応の感情的な主人公。作者が女性だから、というのは置いておいたとしても、やっぱり女性目線の子供や家族についてのエピソードが印象に残った気がします。

    ▼それも、江戸時代末期の江戸(つまり都市文化爛熟)で、独身の女性が事業主となって宿泊業を経営していて…という物語の前提なので、(東吾との恋愛自体は当然ながら江戸時代的というか昭和的な男女関係感覚ではあるにしても)女性の社会的なポジション取り、という観点かもけっこう、面白いと思います。

    ▼断続的に読み続けるでしょう。池波正太郎は電子で、平岩弓枝さんはBOOKOFFで、と深い理由なく決めたので‥‥。

  • 第2弾。

  • 再読。江戸の季節ごとの風物詩が楽しい。

  • 江戸捕物シリーズ第二弾。1979年刊行だから随分古くに書かれたものだが題材的にも内容的にも色あせない。結びを綺麗に装うきらいはあるが。2018.1.12

  • 一話目の江戸の子守唄が良かったです。
    兄嫁の香苗さんも良かったし、
    妹の七重さんも好きにはなれなかったですが心意気の良い人でしたし、
    山形の紅花の色あいも想像出来て、
    最後にあの子がお母さんと幸せになれそうでとても良かったです。

    お役者松の変わった掏摸の松吉、
    幼なじみの恋愛模様も良かったです。

  • よくこんなに考えられると感心する。

  • 御宿かわせみ文庫2巻、旅籠「かわせみ」を舞台にした人情捕物帖「江戸の子守唄」「お役者松」「迷子石」「幼なじみ」「宵節句」「ほととぎす啼く」「七夕の客」「王子の滝」8篇。江戸の市井の情景と四季をバックに、南町奉行所吟味方与力・神林通之進の弟で部屋住みの身の東吾と元奉行所同心の娘庄司るいの幼なじみで相思相愛ながら身分違いを気にするるいと東吾のなかなか進展しない恋愛模様を描く短編集。かわせみの奉公人嘉助・お吉や、東吾の友人で八丁堀の定廻り同心の畝源三郎等の会話・やり取りの中で市井の事件を解決していく。


    以前地元の図書館で借りて読んでいる御宿かわせみシリーズ文春文庫全34巻だが、蔵書の抜けている、2・6・13・16・22巻を購入し読了後、寄付予定。

  • うーん。
    40代以上の男性のあほらしさ、弱さ強く思います。

  • するすると読めてしまうけれど、残るものは少ないような…^^;
    るいと東吾の二人は一緒になれないなりにも、気持ち的には安定している関係だと思います。その二人の会話とか関係性は女性作家さんならではのものがあるのかなぁと感じます。
    この巻は印象に残る話があまりないように思えました。残念。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。戸川幸夫の知遇を得、その推薦で長谷川伸の門下となる。1959年『鏨師』(たがねし)で第41回直木賞を受賞。1991年『花影の花』により、第25回吉川英治文学賞を受賞。また、これまでの業績により、1997年紫綬褒章を、1998年第46回菊池寛賞を受賞。2004年文化功労者に選ばれ、2016年文化勲章を受章した。著書に南町奉行所内与力・隼新八郎がさまざまな事件を解く「はやぶさ新八御用帳」「はやぶさ新八御用旅」シリーズや「御宿かわせみ」シリーズなどがある。

「2019年 『新装版 はやぶさ新八御用帳(十) 幽霊屋敷の女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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