新装版 御宿かわせみ (11) 二十六夜待の殺人 (文春文庫) (文春文庫 ひ 1-93 御宿かわせみ 11)
- 文藝春秋 (2005年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167168926
感想・レビュー・書評
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「平岩弓枝」の連作時代小説『新装版 御宿かわせみ (11) 二十六夜待の殺人』を読みました。
『「御宿かわせみ」ミステリ傑作選』に続き、「平岩弓枝」の作品です。
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二十六日の月の出を待ち、一句ひねろうと、同好の士と目白不動へ出かけた俳諧師が川に浮かぶ。
傍らに半紙にしたためた不出来な句が残っていた…表題作ほか、『牡丹屋敷の人々』 『源三郎子守歌』 『虫の音』など全八篇。
大川端の旅篭を舞台に、女主人の「るい」と恋人「神林東吾」、親友の八丁堀同心「畝源三郎」たちが繰り広げる人情捕物帳。
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江戸時代末期を舞台に、大川端の小さな旅籠・かわせみを舞台とした「御宿かわせみ」シリーズの第11作… 以下の8篇が収録されています。
■神霊師・於とね
■二十六夜待の殺人
■女同士
■牡丹屋敷の人々
■源三郎子守唄
■犬の話
■虫の音
■錦秋中仙道
二十六日の月の出を待ち、一句ひねろうと出かけた俳諧師が川に浮かぶ… かたわらには半紙にしたためた不出来な「月待つと その約束の かねの音 六夜の月 高くなるまで 待たせておいて」という句が残っていた、、、
事故死ではないと感じた「東吾」が残された句をヒントに真相を探る… 誰が殺したのか?その動機は?そして、不出来な句の意味は? 収録作品の中では最もミステリ色の強い『二十六夜待の殺人』がイチバン面白かったかな。
婚礼を目前にした老舗漆器問屋宮越屋の娘「おしま」が漆にかぶれてしまう… 漆器の品物を納めた木曽の檜細工店の若主人「木曽屋新助」と、漆かぶれとなった「おしま」の祝言で代役を務めた妹「おきぬ」が絡んだ騒動、、、
その意外な真相と、ほっこりさせられる顛末が忘れられない『錦秋中仙道』も印象的でしたね。
あとは、美貌の生き神様をめぐる『神霊師・於とね』や、京菓子屋の初孫がかどわかされる『女同士』は、女性の業の深さ感じられる作品で、印象に残りましたね。
かわせみの女主人の「るい」と恋人「神林東吾」、親友の八丁堀同心「畝源三郎」たちが繰り広げる人情捕物帳… 面白いですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かわせみシリーズ再読。
安心して読めて、ちょっとドキドキして、ホッとできる時代ものミステリー。
るいをいつまでも待たせないで、と思ってしまう。 -
8話短編。
日常のこまごました話は色々あるのだな、と。
一番問題あり、なのは、当然(?)表題でしたが。
目の前でしていないのなら、それはそれで
チャラになりそうな気もしますが。
そこはきちんと決めていた、という事でしょうか?
後ろから2番目の話は、結局犬は
飼い主がいないまま、なのでしょうか…。 -
いつ読んでもやっぱり季節感がいいなぁ
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面白かったです。この巻は女性の事件が多かった印象です。女の女に対する嫉妬が引き起こす… というような。
るいが東吾との子を望んで願掛けをするところが可愛いなぁと思いました。源さんのところも幸せそうだし、少しほのぼのとした巻でした。 -
「錦秋中山道」
ちょっとほのぼの話。
たとえ山奥の暮らしであっても、好きな人となら幸せだろう。
家柄や順番じゃないのよ、きっと。 -
御宿かわせみシリーズ。第11巻。神霊師於とね・二十六夜待の殺人・女同士・牡丹屋敷の人々・源三郎子守唄・犬の話・虫の音・錦秋中山道。生き神様もさかりがあるのかと思う「神霊師於とね」、昔馴染みだが片や玉の輿に乗り、片や落ちた女が出合う「女同士」、目病みが縁で盗賊を一網打尽の「牡丹屋敷の人々」、母親同士の張合いが生む不幸が恐ろしい「虫の音」など。源三郎の妻お千絵の懐妊が分かると同時に、源三郎が所帯持ちになったことを知る以前の縁談相手との出会いなど、ドラマチック。るいと東吾の恋愛模様以外では珍しいので新鮮。
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『御宿かわせみ』シリーズ第11弾。
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かつて祝言を挙げるはずだったおいねが残した赤子をあやす源三郎。
源三郎子守歌
かわせみに迷い犬が...犬の話 収録