- Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167174033
作品紹介・あらすじ
「池袋ウエストゲートパーク」は東京の池袋を舞台に、現代の若者の友情、愛情が描かれるエンターテイメント作品です。
現代の病巣ともいえるネット社会などについても言及もあり、社会学の書物としても注目されます。筆者の石田衣良は直木賞を受賞しており、その点で小説の面白さにはお墨付きがなされているものといえます。
感想・レビュー・書評
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〝池袋西口公園(俺たちはカッコつける時はいつも「ウエストゲートパーク」と呼んでいた)〟を舞台に、工業高校卒業後に池袋西一番街にある果物店を手伝うトラブル・シュ-タ-<マコト(真島誠)>を主人公とした、大都会の夜を疾走する若者たちのクールで爽快な青春クライムノベル4篇の連作短編。 解説の<池上冬樹>氏いわく「マコト・シリ-ズは、海外エンタ-テインメントの上質の部分を吸収した俊英による傑作シリ-ズであり、青春小説としての輝きにみちたハードボイルド・ミステリである」に加えて「西部劇」的な面白さも。
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存在意義・理想の人物像を
追求する少年達の物語
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【感想・考えたこと】
✏︎池袋で繰り広げられる、不可解な事件や少年グループの抗争を通じて、成長過程のこどもの精神的な脆さや、危ない道を選択してしまった際には取り返しのつかない力になってしまう恐ろしさが表現されていました。
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✏︎自分の知らない世界では繰り広げられているかもしれない、見えない権力争いの一端をイメージすることができ、恐ろしくなるものの、ハラハラドキドキする展開が繰り広げられ、どんどん読み進めてしまいました。
【メモ】
✏︎ガキどもにはモデルがない。身近なところに目標になる大人がいないし、夢も見せてもらえない。おれたちはモデルと絆を用意する。自分が必要とされている充実感、仲間に歓迎を受ける喜び。規律と訓練。今の社会では得られないものを、力をあわせ見つける。
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✏︎まわりで人が死ぬと、自分もすこしずつ死んでいくんだ。愛してる人が死んで、愛してくれる人が死んで、自分の死を待ってるだけのときに、おれはここにいる仲間と出会った。やつらはおれのために死ぬだろう。おれもやつらのために死ぬだろう。ためらう理由はない。どうせいつか死ぬんだ。それに死んでしまえば、もうこれ以上誰かが死んでいくのを見なくてすむ。
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✏︎おれたちはみんな弱い。だから嘘をつくことがある。おれたちはみんな臆病だ。だから武器をもつこともある。おれたちはみんなバカだ。だから傷つけあうこともある。でも、おれたちは許すことができる。誰がついたどんな嘘だって、きっと許せるんだ。 -
マコトにとって、
最初のトラブルシュート。
全ての始まり。
私にとって、
最初の小説でした。
全ての始まり。
このスピード感!
そしてマコトの語りへの親近感!
このシリーズは、私が一番好きな
シリーズです。
IWGP最高! -
池袋西一番街に住むトラブルシューターの主人公が、池袋で起きる問題を解決していく物語。
主人公やその周りの若者たちを通して、その時の社会問題に触れられた様に感じました。
文章からは情景が鮮明に浮かび上がり、主人公の内心が面白く書かれているので、時おりクスッとさせられます。
2作目を手に取ってみたくなる一冊。
『誰だって開けることのできない部屋をひとつもってる。そんなもんじゃないだろうか。『亡き王女のためのパヴァーヌ』が流れる白い部屋を考えた。おれの部屋、おれの独房。』
『おれたちはみんな弱い。だから嘘をつくことがある。おれたちはみんな臆病だ。だから武器をもつこともある。おれたちはみんなバカだ。だから傷つけあうこともある。でも、おれたちは許すことができる。誰がついたどんな嘘だって、きっと許せるんだ。』 -
どの話も面白かった。この先続編にどうつながれていくのか楽しみ
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平成の美味しいところを煮詰めてプレゼントされたような読み味。この石田衣良はいい石田衣良。
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はじめて新宿鮫を読んだ時のような感触。限られた世界で背伸びしながらギラギラしている若者が皆、魅力的に感じた。
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池袋を舞台に、若者たちが引き起こすさまざまな事件にかかわるトラブル・シューターの役目を演じる真島誠という青年が主人公を務める連作短編シリーズです。
第一話「池袋ウエストゲートパーク」は、いつものように新宿西口公園にすることもなく集っていたマコトが、ヒカルとリカという二人の少女と出会います。その後、身体を売っていたリカが、客の男性に首を締められて殺害されたらしいことをマコトは知り、その犯人をさがし出そうとします。
そのほか、マコトの友人で「Gボーイズ」というチームのリーダーを務め、池袋の少年たちの「王様」である安藤崇や、やはりマコトのかつての同級生で、暴力団に入った「サル」こと斉藤富士男、引きこもり少年の森永和範、そしてマコトの幼なじみで警視庁のエリートである「礼にい」こと横山礼一郎など、続編でもマコトと協力関係を結んでさまざまな事件を解決にもたらすキャラクターたちも登場します。
約20年前の作品で、若者たちの世界をえがいているので、さすがにいま読むと古びたように感じるという読者もいるのかもしれません。とはいえ、スピード感のあるストーリー展開など、エンターテインメント小説として秀逸なものを含んでおり、時代の変化に左右されずにたのしんで読むことができるのではないかと思います。 -
ドラマが当時から大好きで、読んだことなかったので懐かしさで借りてみました。
面白かった。
時代背景も懐かしくて、キャミソールとかメイクとかピッチとか当時が蘇る…
池袋は高校生の頃よく行っていたし、描写が一個一個青春を思い出しました。
独特の細切れな文体がとっても読みやすく。
まるでマコトの日記を読んでる感じ。
ポツポツ区切るあの文体がマコトのらしさが出ていい。
ただ、その中でチョイスする言葉がちょいちょいダサい。キザというか…
いやいや!この当時の若者で、ましてやマコトみたいな子がそんなん言うかなwって感じること度々でした。
書いてる作家さんが真面目な方なのかな。
ドラマで溢れるマコトの男らしさが、そんな言葉のチョイスで少し半減。
これを読んで、あそこまで個性的に魅力的に演じれた役者達に気づけ、逆にドラマの凄さを再確認しました。特に窪塚すごい。
ただ、原作のマコトは、いまいち皆から一目置かれているかよくわからなかったな。
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ドラマは見たことあったけど
原作は読んだことがなかったから
手に取ってみました
マコトのキャラはもうすっかり長瀬だし
タカシはすっかり窪塚になっちゃったけど
おもしろかったです。 -
軽くて読みやすい
主人公が魅力的。トラブルシューターですごい人なんだけど、女性に弱かったり大人しく家業の果物屋を手伝ったりしてて、クレバーな部分としょぼい部分を併せ持っている。
池袋のストリートギャングの少年少女たちの話なのでハードな内容。ヤクザ、少女売春、麻薬、などなど。不法移民や引きこもりも話に絡ませて社会派な面も。 -
マコトは19歳と思えなさすぎる。。。かっこいいよな。。。
それにしても池袋ってこんな街なの?!
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早い展開で、読んでいると情景が浮かぶような文体。
当時の十代の人たちのヒエラルキーのあり方と、流されず群れず、社会の表も裏もなく存在感のある主人公のあり方が面白い。
ドラマは見ていないが、こんなに面白いのならもっと早く手にとっておけば良かった。 -
全く世代でないのに、風景が思い浮かぶ、、、池袋って今も昔も変わりなく、カオス。
そんな綺麗で汚い池袋、わたしは大好き -
「おれのPHSの裏には一枚のプリクラが貼ってある。」みたいな書き出しにまず殴られましたね。平成〜! 短文、体言止めの多用、いくつものみずみずしい比喩表現。詩みたいなマコトの語りがハードボイルドめな世界をやたら静かに描いていて、不思議な小説だった……筆致はドライなのに、加奈との恋愛の部分なんかすごくしっとりとドラマチックだし。
石田衣良、じつはエッセイは大好きで出れば読んでいたしご本人も好きでメディアにでられたらチェックしていたんですよね。でも小説はあまり読んできていなくて、今回なんとなく手に取ったんだけどこれは新作まで追いつきたいシリーズだなと思いました。ペットショップ無惨が文庫化するまでに既刊制覇したいなー。 -
かっこいいの一言
主人公もかっかいいけど、登場人物みんなカッコいい。また文章もかっこいい。ついでにいつも行ってる池袋も。
私の心はボーイズ&ガールズに釘付けです。 -
喧嘩してぇ!!
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不思議な中毒性があって、なかなか読むのがやめられません。 展開が早くて読みやすくて、一気に読んじゃいました。
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すぐ近くにある空間の裏側では、このような物語が毎晩のように繰り返されているのかと、本当に感じるような描写。文体がとてもスピード感がある。
主人公はクールだが、やさしさと弱さを併せ持つ魅力的なキャラクターで、正義感と抜群の行動力で事件を解決していく。
有名な作品だが読んだことが無く、夏休みに読んでみた。
石田衣良は、娼年、4TEEN、SEX、日経の人生相談(笑)と読んできたが、全く違う雰囲気のストーリーで幅の広さを感じた。 -
ブクロさいこー^^
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すっごい簡単なのに読むのにめちゃくちゃ時間かかった
苦手なのかもしれないこの手の本
あまりにも独白体が過ぎるとなんか恥ずかしくなる -
文体が新鮮で、ストーリーに合っている。
ハードボイルドな作品は馴染みがなかったため、最後まで読めるか不安だったが、4つの短編に分かれていたためか、一気に読み通せた。1編目を読んだら、先が気になって、途中からは止まらなくなった。
自分とは縁遠い世界だけに、知りたいと思わされた。そこが私にとってのこの作品の最大の魅力的なとこ。
語り手で、リーダーの真島誠。19歳。仲間のために動く姿がかっこいい。こんな人がパートナーだったらどんな人生なんだろう。きっと毎日がヒヤヒヤだろうな。
自分の性格から考えて、やっぱりこの作品世界の観客で良かったと、読み終わった後しみじみ思った。
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今更ながら読んでみた。
90年代の池袋を知らないけど、主人公マコトが魅力的で、この作品がドラマ化されて人気が出るのは分かる。 -
初めは主人公が一人で事件の解決に挑んでいたけど、途中から仲間が増えてチームで互いに協力して事件に潜り込んでいく過程が好きでした。シリーズものらしいのでこれから、その主人公の仲間との共闘が見られるかなと楽しみに次巻も読んでみようと思います。
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あー、めんどくせー!
ブクロサイコー!
って、クドカンさんのドラマのイメージがめちゃ強くて、IWGPの原作はどんな感じ何だろと読んでみた。
ドラマとはだいぶイメージがちがうけれど、面白かった。作品はシリーズ長く続いているので、ちょいちょいと読んでいこうかなと。
ドラマも細々した印象的な部分しか記憶にないから、久しぶりに見てみると印象変わるかな。
アニメは見てないけど、アニメはアニメで良いのかな。
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YouTubeで著者のチャンネルを見て読みたいと思った。
文体が柔らかく、細かく刻まれているので非常に読みやすい。しかし、次作を読んでみたいとはならなかった。