少年計数機 池袋ウエストゲートパークII (文春文庫 い 47-3)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174064

作品紹介・あらすじ

自分が誰なのか確認するために、まわりのすべてを数え続ける少年・ヒロキ。その笑顔は十歳にして一切の他者を拒絶していた!マコトは複雑に絡んだ誘拐事件に巻きこまれていくが…。池袋の街を疾走する若く、鋭く、危険な青春。爽快なリズム感あふれる新世代ストリートミステリー、絶好調第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • ヒロキーーーーーー!!

    ドラマの際に特に好きだった回でした。

    マコトが大事だと思った人のために
    全力で動く姿にカッコよさを見た!

    水の中の目も良いね。
    IWGPの小説のなかでベスト5に入るでしょう。

  • ブクロサイコー!のIWGP。
    ドラマはかすかな記憶だけど凄くハマっていたような。また見返したい。アニメは見てない。
    そんなんでちょっと小説もシリーズ読破していこうかと2冊目。

    石田衣良さんのというか、このIWGPのマコトの話すテンポ、というかこの文章の流れも割と好きかも。

    今回もマコトは事件に巻き込まれていくというか自ら関わっていうというか。

    登場人物の魅力は相変わらずで、少し寂しいところもあるけれど、良い読書体験でした。

  • 面白かったけど、人が死に過ぎたのでしばらく読みません。

  • IWGPⅡもやっぱり脳内で
    マコトを長瀬に変換して読んだ。

    けっこうグロい部分もあって
    辛かったなぁ

    でもおもしろかった

  • 今作もマコトのクールさには圧倒。
    こんなクールで大人っぽくて頭のキレるストリートボーイって相当なギャップ。
    池袋という地で真っ直ぐ生きるのは難しいのではないかと思うくらいここは闇を感じる。
    闇営業の話、組織の話、自分には縁のない話、普通に生活してれば関わることも入ってくることのない話だけれども、こういう世界が実際にあるんだと思うとゾッとするけれど、だからこそ面白いです。実際現実で見たり聞いたり当事者になったら恐ろしいけど、小説という場でこういう世の実態を知れるのは、そういう世界とのいい距離の取り方と思います。
    フィクションのストーリーだけれど、内容の面白さ以前にリアリティがあってのめり込まされます。

  • 最終章、水のなかの目は、たぶん東京綾瀬の女子高生コンクリート詰め殺人事件をベースにしています。私の中では、1番か2番めに凶悪な事件だと思っているので、物語の中でも、悪が完全にやっつけられてスッキリしました✨

  • いつも主人公・マコトの恰好良さにハートをキックされる。池袋ウェストゲートパーク(IWGP)で果物店を母親と営む。彼は誰からも愛される、特に、池袋のチームギャング、ヤクザ、警察、さらに水商売の女の子。池袋で事件が起こるとその解決にマコトが指名される。その理由は過去にも事件を劇的解決しているからだ。このIWGPは、マコトの目線が日常を一生懸命に生きる1人の若者の等身大であり、池袋を危険から守ることに命を懸ける「シャイなあんちくしょう」を応援したくなる。池袋を守るために疾走するマコトを神もって応援したい。

  • 「醜悪な目に遭う」ことが物語上のスパイスとして使われる..

    ●本の概要・感想
     石田衣良の人気シリーズの第2作目。池袋の果物屋の息子でありながら、便利屋として仲間たちに頼られる主人公・マコト。犯罪まがいのトラブルに取り組み、傷つきながら、解決に導いていく。 
     「ワルっぽい世界」が観れるのはこの作品のイイところ。マジメに生きてきた者にとって、触れられない世界や人間模様は魅力的だ。ただ、気になるのがあくまで「邪悪な」「胸糞悪い」コトがただの一コンテンツとして描かれていること。誰かが酷い目にあうことに、意味はない。その描き方が苦手だ。残酷な描写は物語を進め、各エピソードの問題を解決するまの一風景でしかないことに、違和感を持った。例えば、マコトが、拉致強姦暴行を受けた仲間の女性に応対するシーン。読んでいて、「現実だったらそのように接することができるだろうか?」と疑問がぬぐえなかった。その醜悪な体験が、あくまでもスパイス的に扱われることに、私自身は「入りこめない」と感じてしまうことが多かった。
     本作のように「裏社会の人々」を描く作品として、私自身が読んだことがあるのに「ウシジマくん」がある。あれももちろん残酷なのだが、「醜悪さ」の取り扱いが中心にあるのだと、本作の対比で気づいた。物語が「因果応報」のように進むので、ひどい目にあうヤツがいても「まぁ、こいつなら仕方ねえか」と思わせられる。あくまで安全地帯から、ダークな社会の部分を観て面白がることができる。各々の登場人物が持つ「ダメさ」がゆえに「残酷な目に合う」。これが、ウシジマくんが万人に広がった理由なのだろうなぁ、と思った。一方で、本作の残酷さは理不尽だし、物語の進行に必要ということもない。ただ、ひどい奴らが出てくることで、物語を「ダークっぽく、裏社会っぽく」しているだけのように感じる。本作の物語をドライブさせる仕掛けはミステリーチックだし、「醜悪な奴がひどい目にあう」という進み方はしない。一章ごとのプロットは面白いと思うのだが、ライトに強姦とかストーカーを扱う物語は、苦手だ。

  • 言わずと知れたIWGP2作目。

    【読間】
    再読。(初読は11~12年前くらいか?)
    小説の再読など、普段はほとんどしないのだけど、、、これの前に読んでいた作品が面白すぎて一気読み。計算が狂い、、、朝の出勤前、自宅に未読の本が一冊もないという緊急事態。

    通勤時間が長いので本無しでは辛すぎる・・・と本棚から引っ張り出した1冊 。“題材”は覚えているものの内容(展開も結末も)はほとんど思い出せない。思いの外新鮮な気持ちで読み進めているところ(笑)。

    ★「妖精の庭」
    当時は年に1冊ペースで刊行されていたIWGP、世相を反映させた世界観がシリーズの特徴だとは周知の事実だが、こうして十年以上を経て読み返すと、やはりいろいろ懐かしい(笑)。

    インターネットの覗き部屋・・・ああ、そういえば話題になったなぁ。

    PHS・・・使ってたなぁ。今の若者はPHSなんか知らないんだろな(苦笑)。

    デジカメ・・・まだ普及しきっていない頃だったのか。そうか、、、。

    荒い画質でカクカクとコマ送りのように動く中継動画・・・コレを“ああ、分かる分かる”と懐かしむことの出来る最後の世代なのかも、自分。

    ストーリーよりも、そんな↑あれこれの方が頭の中を大きく占めたという一編だった。

    ※思えばマコトとは同年代のはず(同い年か、1コ違いかくらい)。いつのまにかマコトもけっこうな年下になってしまった悲哀・・・。

    ★「少年計数機」
    表題作。
    ガングロメイク、ヤマンバギャル、厚底サンダル
    ・・・あったあった。
    こういうのを読み返してすこし前の世相を懐かしむの、案外イイかも(笑)。

    ど真ん中なヤクザの会長と夫婦になってる芸能人・・・マスコミ的に、世論的に許されるのかしら?

    ★「銀十字」
    今回は、バイクを使った引ったくり…かな…。
    今でもたまに聞こえてくる話だから、別段懐かしくも無し。

    じいさん二人組が、生きざまも事件の落とし方もどちらも至極格好良し。

    ★「水の中の目」
    今回は、、、
    大人のパーティー、電話Box、女子高校生監禁事件、、か。

    シリーズ屈指の胸糞悪くなるハナシ。

    再読なため黒幕の存在を知りながら読んでも、何かに背中を追いたてられるような感覚が止まなかった。逆に、再読だからこそ府に落ちる点もあったり。再読も、たまには悪くないな、と。

    クライマックスでマコトの下した選択も、初読の時には嫌悪感を抱いたものだが、10年の歳月は、同じ場面を別な色に写してくれた。

    ★3つ、7ポイント半。
    2017.11.10.再読

  • 池袋ウエストゲートパーク。通称『I.W.G.P』
    果物屋兼コピーライターの主人公マコトが、池袋で起こるいざこざを独自の方法で解決していく話、シリーズもの。

    今作少年計数機は、その二作目にあたる。爽やかな語り口で、すらすらと読める内容。池袋の街を本当に歩いているかのように描いてしまうのは作者の力量。見事というしかない。出てくる端役達にも細かな描写がされており、池袋という街で本当に彼らが生きているような気がしてしまう。

    面白くスラスラ読めたけど、何か心に残った言葉があったわけではない。けどもいつか、ふらりと池袋に寄った時には、この話を思い出すに違いない。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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