赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝 (文春文庫 い 47-7)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174101

感想・レビュー・書評

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  • IWGPシリーズの外伝。
    羽沢組の話なので、サルが沢山出てくる。
    少しタカシも。
    主人公はワタル。
    現実逃避のため、ギャンブルにはまったワタルが金のために奔走する。
    スピーディー。
    ギャンブルはするもじゃない。
    店側が勝つようになってるんだよなぁ。
    ラストもパパッと伝説の男を仲間にして勝つ。
    良いとこもっていったなぁ。
    女性は強い。
    彼女を大事にして下さい。

  • 終盤のお祭り騒ぎは、高揚感が湧いて爽快に読めた。
    最後は割とアッサリ終わるので、もう少し余韻が欲しかったかな。
    あと、落ち目の男を見捨てず、支えようとする香月とアグネスの良い女感はよかった。

  • IWGPシリーズの番外編で、本編でも登場するサルこと斉藤富士男が準主役を務める長編作品です。

    映像ディレクターの小峰渉は、ギャンブルで首が回らなくなり、村瀬勝也という男たちと協力して、カジノ・バー「セブンライブス」の売上金をうばう計画にくわわることになります。ところが、仲間の一人である鈴木と名乗る男の裏切りにより、村瀬は命を落とし、小峰もカジノの元締めである氷高組に身柄を拘束されてしまいます。小峰は、氷高組のサルの協力を得て、一か月の猶予期間のあいだに鈴木という男のゆくえを突きとめ、金をとり返すことを約束します。

    本編よりも闇社会に半歩ほど深く踏み込んだ内容といえそうですが、ハードボイルドに徹しているわけではなく、やや微温的に感じられます。本編では、それがかえってマコトのキャラクターとマッチしているのですが、こちらの作品の小峰では本編のような魅力が出せていないような気がします。小峰の恋人の秋野香月とのラヴ・シーンにもうすこし叙述を割くなど、本編から差別化する内容がほしかったところです。

  • お手本みたいな構成の話だと思った。これを教本にして三幕構成を勉強できそうなレベル。
    最終的に運任せで決めるの、素人博打打ちって感じでいいなあ。
    マコトが直接出てこないけど存在を匂わせまくるのがいい。サルのプロっぽいところがいっぱい見られてよかった。

  • 昔読んだので記録。
    面白かった記憶だけ残ってるのでまた読み返そう。

  • 主人公が特になにもしてないはったり男なのが気になるのと、やくざ達の甘さが気になる、、展開に説得感がないなぁと感じました。「なんでそこでそうなっちゃうの?」というかんじ、、。最後の大勝負を運任せにしたのも私は「ウーン」と思うけど、まぁ自分で張らないよりは意味があるのかな。好みの範囲かも。
    クライムサスペンスというにも、ノワール小説というにも中途半端ですが、シリーズ通して読んでると「外伝」という面白みがありました。

  • IWGPシリーズ外伝。
    ヤクザの裏カジノへ強盗に向かい、仲間割れで失敗し、金を奪われた。その償いとして5000万円の借用書を書かされたが、交渉し犯人と金を取り返したら、自由+1000万円の報奨金で組長と約束を取り交わす。サルと一緒に行動して、裏に同系列組の仕業と解るが取り返す事が困難であった。そこでその組主催のカジノで金を取り返す!伝説の張師など登場し、最後は自分で賭けに勝った!!スリルとサスペンスがとても面白かった。

  • 題名に「池袋ウエストゲートパーク外伝」と在る。確かに「池袋ウエストゲートパークの作中世界」が意識され、『池袋ウエストゲートパーク』シリーズの「常連劇中人物」である“サル”は本作の主要な劇中人物となっていて、加えて“キング”こと“タカシ”も登場している。しかし「別作品」である。故に「外伝」なのだ。
    本作の主人公は小峰渉(こみね わたる)という人物だ。作品は「一人称の語り」ということでもない「三人称な綴り方」である。
    小峰はフリーランスの映像ディレクターで、色々なコンテンツの制作に携わっているという30代の男だ。何やら妙な事に関わろうとしている場面から話しは起こる…
    池袋の“裏カジノ”の売上金を奪い、1千万円の分け前を得ようとしているのだ。
    売上金を奪うことに成功し、分け前が得られそうになった。だが、今度はその売上金を眼前で丸ごと奪われて、分け前を得られなくなってしまった。更に“裏カジノ”の背後に在る暴力団に拉致されてしまった。
    連れて行かれた氷高組では、失われた売上金を補填するとして5千万円もの負債を押し付けられてしまった。金利を加えると、残る一生でも返済等覚束無い金額だ。
    そういう状況下、小峰は氷高組側に申し出た。失われた金の行方を追い、取り返すとである。取り返して負債を帳消しにし、分け前ということだった1千万円も手にするという約束になった。
    こうして小峰は、氷高組が連絡調整役、仕事の相方として寄越した“サル”と共に、“裏カジノ”の売上金の一件に取組むこととなるのだ。
    タイトルの『赤・黒(ルージュ・ノワール)』が「ルーレット?」ということを想起させたが、終盤のクライマックスでルーレットは確りと登場する…
    紐解き始めると「どうなる?」、「そう来る?」とワクワクしてしまい、素早く読了に至ってしまった。

  • 違法ギャンブルで身を持ち崩した主人公とIWGPの名脇役サルの話。氷高組長の銀行マン的な考え方とサルの主人公への応対が面白い。
    いつも脇役のサルが冷めた対応をしながらも主人公に付き合っていく様が楽しい。サルはいい奴なんだ!と思わず思ってしまう。
    氷高組の組長も計算高いがビジネスマンなのね。
    最後の勝負は出来過ぎだけど面白かった。

  •  まあ、こんなもんかな( ´ ▽ ` )ノ
     IWGPシリーズって、ミステリーと考えるとどうしても低評価になっちゃうんだけど、あくまでミステリーっぽい風俗小説と捉えればいいんだな。今頃になってやっと気づいた( ´ ▽ ` )ノ

     この外伝もしかり。ヤクザ相手のコンゲームとしては、仕掛け(完全に人任せ、運任せ、いきあたりばったり)もスリル、サスペンス、固唾・手に汗もすべて物足りず(>_<)
     ギャンブルもの就中ルーレット小説と限っても「ある晴れた日のウィーンは云々」やら「桜宮サーガ」中の何だったかやら先行作品は多々あるけれど、それらと比しても本書の出来は今ひとつ(「赤(と)黒」というタイトルもありきたり……たしかシリーズ前作でマコトちゃん、スタンダール読んでたんだっけ? 「パルム」かなんか?)
     が、まあIWGPシリーズはここらへんまで来たらもう固定読者もしっかりついてたんだろうし、下手な実験や冒険は必要なかった、ってことかな?( ´ ▽ ` )ノ

     自分(シリーズに特に思い入れはない)としては、主人公がこんなどうしようもないクズで完全に後がないどん詰まりまで追い詰められてるのに切迫感・絶望感がほとんど表現されていない点で白けちゃった……(´ε`;)ウーン…
     もちろん、そういうキャラ・物語を書きたかったという作者の意図は分かるんだけど……心理描写も言動も、なんというか「清々しく計画的で前向きなバイタリティあふれる情に厚く知性的なクズ」? こんなちゃんとした人間ならそもそもギャンブル地獄にハマったりしないんじゃないの? って思うんだけど……(´ε`;)ウーン…
     
     正直、本物のギャンブラーからすれば本作などチャンチャラ鼻先ε- (´ー`*)フッってなもんだろうし、実際 解説氏も作品の内容そのものにはろくに触れていない(「感動した、リアルだった」等のヨイショもない)――んだけど、これがまためっぽう面白いんだよなあ( ´ ▽ ` )ノ
     人の本の中でよくもこうまで好き勝手書くもんだなあと思ったけど、キワドい情報満載で、この解説のためだけでも本書を読む価値はあるかも……極言すれば、解説だけ読んで小説は読まなくても可かも……( ´ ▽ ` )ノ

    2019/11/29

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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