灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパークVI (文春文庫 い 47-10)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167174132

感想・レビュー・書評

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  • 「池袋フェニックス計画」がお気に入り!
    依頼されたトラブルを収拾しながら、池袋の街全体を苛政から救うため奔走する話。
    これくらいスケールの大きな話の方が、IWGPシリーズの空気感とあってると思う。

  • 四話目でおふくろさんが最終兵器として出てくる展開が熱かった。しかし韓流ブーム懐かしすぎるな…世相を反映している小説だ…
    マコトが本気になるタイミングが依頼人の件じゃなくて「知り合いが脅かされたから」というのが良かった。

  • 表題作よりも許すことの強さをテーマにした「野獣とリユニオン」のが良かったかな。エンタメとしてはラストの「池袋フェニックス計画」が良かった

  • 毎回良くもここまでテンポの良い清々しい幕切れの
    短編が思い浮かぶものだと感心してしまう。

    読み終わってそれほど心に残る物語というわけでもないのだが、
    このシリーズは短い時間でサクサク読めてしまい、
    後味が抜群に良い。

    所謂、水戸黄門の後味(*^-^*)

    シリーズ6冊目にしても、衰えるどころか
    あらゆる人を味方に引き込んで、マコトの魅力はさらに大きくなっているのではないだろうか。。。

  • 2013/04/18読了

    IWGPシリーズ6 エンターテイメント小説は時間を忘れて読めるからいいね。シリーズ化することで、これまでに登場した人物や事件も絡めてくるから、尚更ファンにとってはたまらない。

    <灰色のピーターパン>
    "インストール"に似た感じ。
    頭の使い方一つで、子どもでも楽に大金を稼ぐことができる時代なのだから、なんだか虚しく思ってしまうマコトの気持ちもわかるな。
    まさか春麗が出てくるとは。
    子どもが帰る場所「親」が、ラストにあるっていうのがいいね。

    <野獣とリユニオン>
    今作で一番好きなエピソード。
    妹にしてみれば煮え切らないところもあるかもしれないけれど、最も美しい終結の仕方だったと思う。人を許す、認めるということはきっとこういう覚悟と心意気がなければできないのだ。

    <駅前無許可ガーデン>
    Gボーイズ&ガールズとは一体何者なんだろうかと常々思うけどそれは無粋かな。
    サリンジャーの『ライ麦畑で捕まえて』 のキャッチャーミットの話が出たのはちょっと嬉しかった。色んな解釈があるけれど、私はこの作品で提示された解釈が好きだから。
    日本は闇の淵の不条理しかなくて、それこそキャッチしてもらわなければ救われないようなものだ。それが子育てとか、親という責任的立場にある、ともいえる。
    "母" としての笑顔のくだりがお気に入り。

    <池袋フェニックス計画>
    シビルウォーのように、緊迫した空気感こそIWGPっぽいなと思う。
    革新の後ろには傷が生み出される。それを知らずに革新を進めれば、精神的にも物理的にも、弱者の死体だらけになってしまうのだ。
    エリートはそれを知っている。見ないフリを決め込んでいるだけなのだ。
    心苦しいシーンもあったが、計画が動き始めてからは爽快だったね。現実の日本でも完全に遂行できるはずのない排除・消毒がまかり通っているふしがあるから、何ともいえない気持ちにはなったけど。

  • ★★★★☆
    野獣とリユニオン、駅前無認可ガーデンが入っていたから4★

    宮藤官九郎脚本で猛威を奮ったテレビドラマの原作。クドカンだからあーなったし、だから猛威を奮ったと思う。
    視点は、「携帯電話やパソコンと同じようにデリヘルもモデルチェンジしているようだった。なにもかもそんなスピードで変わらなくても、おれはいいと思うんだが。(池袋フェニックス計画p217」同様に多様化若年化する社会問題への風刺。

  • またまた安定のIWGP。

    窪塚洋介のキングも良かったですが、段々小説のキングもいいなと思います。

    野獣とリユニオンが面白かった。
    池袋フェニックス計画ではサルが活躍。

  • 積読6冊目。

    灰色のピーターパン
    家計を支えるために犯罪に手を染めて金を得る小学生をジャンキーから救う話。
    この頃からマコトを兄貴分として慕うキャラが増えてきたような。
    サルと共闘して小芝居を打つところもユニークでした。

    野獣とリユニオン
    アニメでも放送していた話。
    虐められ恐喝された弱き野獣が青年の夢を潰し、その青年の妹が復讐しようとマコトに依頼。
    最終的にタカシの救いもあって、人間らしさを取り戻しハッピーエンド。まさにリユニオン。
    諸所、マコトが感傷に浸る描写を示す文章が切なくも、ポジティブな面があり印象的でした。
    (おれはゆっくりと待つ。 誰かが真剣に考えている時間をともにすごし、たっぷりと待つ。 おれはそんな時間が いではない。みんな、こたえを急ぎすぎなのだ。)

    駅前無認可ガーデン
    元Gボーイズのキングが経営する保育園の従業員の身の潔白と真犯人(ロリコン)探し。
    当の従業員・テツオとともに、保育園に通うヒロミを救い、真犯人を捕える。本当、日本の闇をみていると子どもが犠牲になることが多くて、時折悲しくなります・・・。

    池袋フェニックス計画
    池袋の治安維持・回復のため、過剰な街浄化作戦阻止のため、政治家・警察・ヤクザ・風俗のカオスの渦中に巻き込まれるマコト。
    それでも池袋の裏を知り、絶対的なコネクションのあるマコトだからこそ、丸く収めることができる。
    シリーズの最終話ではあまり印象になかった話でしたが、読み返すとマコトの強さを改めて理解することが出来ました。

  • 話の内容とか結論はなんとなくわかるんだけど、毎回その内容やフレーズの面白さがたまらなくて、全く飽きないです。

    実際に起きた事件が元になっていたり、社会問題が題材のものもあるので、読みながら勉強になることもたくさんあります。

    まだまだシリーズ全制覇までは長いですが、今年中にはキャッチアップしたいですね!

  •  解説を読んで、シリーズにマンネリを感じてるのはみんないっしょなんだと知り何だかホッとした( ´ ▽ ` )ノ
     前巻のレビューで「水戸黄門」になぞらえてみたけど、解説氏もまったくおんなじこと書いてた( ´ ▽ ` )ノ
     まあ、改めて考えてみると、毎回向こうからトラブルが持ち込まれるというパターンだから「天才バカボン」(バカ田大学の後輩が相談事をしにパパを訪ねてくるってのがお約束)スタイルといったほうが近いかも( ´ ▽ ` )ノ
     主人公はじめレギュラー陣が固定、まったく成長も変化もしないところもバカボンといっしょだ( ´ ▽ ` )ノ

     一巻ごとに一年が経過してるってのは、今回始めて知った(゚д゚)!
     18歳~24歳なんて人生の大転換期のはずだし、あれだけの体験を繰り返しているっていうのに、マコトもタカシもサルもほんとぜんぜん変わらないね( ´ ▽ ` )ノ
     この調子で12巻13巻までいったらマコト30歳?……さすがにこんな厨二病全開の文体(特に毎話冒頭部分)でそこまで続けてるわけじゃない、よねえ?……( ´ ▽ ` )ノ

     各巻四話構成の第1話2話が凡作、第3話4話で持ち直す、ってのもシリーズ恒例パターンになりつつあるなあ……(´ε`;)ウーン…
     春夏の池袋って退屈な街なのかな? 寒くなると活気づくの?……(´ε`;)ウーン…

     どうでもいいことだけど、作中「ラッパを吹く仮面ライダー」って「響鬼」のサブライダー・威吹鬼のことだね( ´ ▽ ` )ノ
     石平氏、当時子育て中ゆえこういうの盛り込んだんだ( ´ ▽ ` )ノ
     ちなみに今年のライダーは「ゼロワン」( ´ ▽ ` )ノ
     奇しくもIWGPレギュラーとおなじ名前だね(元はと言えばキカイダー由来だけど)( ´ ▽ ` )ノ
     アニメがどうこういう文章もあったけど、まさかマコトちゃん、2020年自分自身がテレビアニメの主人公になろうとはこのとき予想だにしなかったろうな( ´ ▽ ` )ノ

    2019/12/02

著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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