美藝公 (文春文庫 (181‐4))

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著者 : 筒井康隆
  • 文藝春秋 (1985年5月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167181048

美藝公 (文春文庫 (181‐4))の感想・レビュー・書評

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  • この本を手にとったときは、タイトルと背表紙の文句をちらと見て「48億の妄想」のような、メディア文化をブラックな方向へ暴走させた社会風刺的な作品なんだろうなと期待していた。丁度「将軍が目醒めた時」を読んだ後だったので、大スタア「美藝公」もさぞ滑稽にもて囃され私の常識を抉るような展開でもって狂気に向かってゆき、夢中にさせてくれるんだろうなと。
    しかし私のような、奇天烈な発想どころか文章すらおぼつかない人間が筒井作品の内容に見当をつけてまず当たるはずがなく、やはり読み進めていくうちに尋常では無い違和感にハテナマークばかり浮かべてしまった。とにかく登場人物全てが爽やかでプロフェッショナルで美しくて幸福なのだ。勝手に裸の王様の印象をつけてしまった美藝公はそんな幸福でロマンチックな世界の中でもさらに完璧で崇高な人間なのだから、なんだかもう胸焼けすらしてしまった。これは低能な私ではわからないパターンの難しい作品なのか、もしくはすぐそこに大きな狂気が待っているのか…
    不可思議ながらもぐいぐい引っ張られてあっという間に最後まで読み終えての感想は「とにかくすごい」アホ丸出しだ。よくよく考えて整理して貧弱な語彙で纏めると、ロマンチックなこの世界を私がんなわけねえよと半分は不快感と猜疑心で眺めていたように、私の生きる現実世界をふとした思い付きで空想した美藝公ら「藝術」に生きる彼らは残酷で低俗な世界だと絶望する。
    お互いがお互いを枠の外から眺めている図がまさか用意されていようとは思わなかった。他にももっと色々と感じたところはあるし、もっと語るべきテーマはあるだろうに後はうまく言葉にならない。

  • 2010.11.18(木)。

  • 多分ポストモダン

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