鬼道の女王 卑弥呼〈上〉 (文春文庫)

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著者 : 黒岩重吾
  • 文藝春秋 (1999年11月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167182335

鬼道の女王 卑弥呼〈上〉 (文春文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 卑弥呼については神秘的というぐらいしか持つイメージがありませんでしたが、こうして物語として読むと、そういうこともあったのかもと身近に感じられるようになりました。ただ、巫女といえば生涯を神に捧げるものという概念があるので、この卑弥呼が随分と生々しい気がしてしまいました。物語前半は卑弥呼の父の中国遠征が書かれていて、巻頭の地図を見ながら読んだせいか、読むのに時間がかかってしまいました^^;

  • 「鬼道に事え、能く衆を惑わす」。日本古代史の永遠の謎、女王ヒミコの生涯を描く壮大な歴史ロマン。後漢時代、中国沿岸部の倭人集団の首長ミコトは、幼い娘ヒメミコの予言と宣託に導かれて海を渡り、乱世の倭国に帰還した。成長して神託を受け巫女王となったヒミコは、その卓越した判断力と超能力によって、倭国の統一に乗り出す。

  • 卑弥呼の小説ってそういえばあんまり見ないなあと。教科書でも細かく記述の無い時代なので、色んな意味で勉強になったというか、卑弥呼の時代を振り返ることの楽しさを実感できました。

  • 170年頃。中国では後漢時代。倭の国の戦乱を避け中国にわたった者の中にヒミコ等一行がいた。
    そのころ中国でも五斗米道の乱や黄巾の乱などがおこり,戦乱に会うことは避けられなかった。
    このため,日本に帰ったヒミコ等は倭の国の戦乱を収束すべく,倭国統一に踏み出したというストーリー。
    ヒミコは後,3国時代を収束させた魏の国から親魏倭王という印をもらい,これにより倭国の王として
    吉備や大和地方の国々に認められていったといえる。これは,その印の重要さが認められる識者がいたということで,
    それは中国から倭の国に渡ってきた渡来人であろう。
    初期の邪馬台国を大国にしていったのはヒミコの鬼道(祈祷等の神事)による予知能力であろうが,晩年はヒミコの巫女能力も薄れ,親魏倭王の印によるものと思われる。
    物語には創作と思われる人々も登場するが,恐らくそのような人物がいたであろうと説得感があり,また,ヒミコの女性としての脆さなども垣間見られ,はるか昔の日本の情景を間近に感じさせてくれるものである。
    ただ,ナショーメ(難升米),ヤクヤク(掖邪狗),イショーギ(伊聲耆)サイシ(載斯),ウオチ(烏越)などは実在したと思われ,中国の書物にも登場する。
    ヒミコを卑弥呼等蔑視するような漢字が当てられているのは,中国の他国蔑視の思想によるものであろう。
    物語には邪馬台国を敵視する狗奴国や隼人国など九州南部の国々も登場し,その国が武力だけでなく,免田式土器のように優美な土器を製作できる感受性も備えただ野蛮な国ではなかったここが伺える。狗奴国は大和朝廷にまで抵抗することと明治維新等を鑑みると,この地域の人々の魂は幕末の薩摩藩の藩風にまで影響しているのではないかとも私は思う。
    卑弥呼亡き後は台与(とよ)が登場し,巫女王として君臨する事になるが,本書では台与以降については詳しくふれていない。
    全2巻。

  • <07/11/12-29>

  • 史料が乏しいにも関わらず、
    その中から恐らく史実に最も近いと思われる物語。
    さすがである。
    見たこともない古代の風景が、
    情景が浮かんでくるような黒岩卑弥呼。

    個人的に卑弥呼にはあまり共感は持てないが、
    それでもドラえもんが欲しくなってしまう、そんな物語である。

  • 古代
    卑弥呼

  • 話は、卑弥呼の父親、ミコトの話から始まる。この小説では、卑弥呼の祖父である、ミコトの父が、戦乱の絶えない日本国から、多くの日本人を引き連れて中国へ渡ったものの、時代は漢王朝末期。 広い中国でも戦乱が絶えず、その争いに自然とまきこまれて多くの仲間を失い、
    日本へと戻る決意をミコトはする。 本作では、こういった中国や周辺の歴史的背景を元に、日本人の首長であるミコトの娘卑弥呼が使う不思議な力を求めて集まってくる人民の集団が、やがて邪馬台国連合として成長していく様が描かれている。
    今回の作品は、なんと言っても謎の多い人物が主人公だけに、完全な筆者の想像のもとに、奇想天外な話となるようなテーマであるにもかかわらず、筆者は、綿密な資料を元に、実に史実的に話を展開している。 勿論、小説であるから、多分に想像部分も多い。神聖な存在である卑弥呼の、女としての恋の苦しみもあり、不思議な力と言っても、自己暗示に近い物のように描かれているし、広い見地から物事を見れるように、先進国中国の学問も勉強していたり、
    シャーマン卑弥呼と言うより、人間的な卑弥呼であった。 黒岩氏の作品は、今まで、男性の主人公が多かった。彼特有の滅びの美学とでも言おうか、滅んで行く立場の人間を生き生きと描写していて、それが実に人間臭く、また魅力的でもあった。
     だから、と言うわけでもないが、女性が主人公の場合は、どうも筆の切れ味がイマイチのような気がしてならない。卑弥呼以外にも、推古天皇を主人公にした作品もあるが、私個人の感想では、やはり男性主人公ほどではなかったような気がする。
     今回の作品でも、話の折々に出てくる史実の話が、肝心の話の流れを食い止めてしまっている感じがし、早く先へ進みたい気持ちを止められて、どうも話しに入り込めなかった。 それで、結局は、不完全燃焼と言う感じで読み終えてしまったような感じである。 ただ、実によく、資料的な情報が出てくるので、それだけ勉強させてもらった。 特に、邪馬台国が北九州の連合国となって、やがて大和地方へと進出し、大和政権が成り立ったと言う仮説が、スムーズに理解できるような話の流れだった。 この小説を読むと、邪馬台国北九州説が俄然有利、と思うだろう。 私自身は、元々北九州説派なので、益々確信させてくれた小説だった。

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