火水(かみ)さまの京(みやこ) 東京育ちの京都探訪 (文春文庫 あ 40-4)
- 文藝春秋 (2010年7月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167186067
感想・レビュー・書評
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作詞家である著者が京都の町家に移り住み、京の四季折々の風景、催事、伝統などを作詞家ならではの視点でつづった本。
作詞家だけあって文章がきれいで、一つの事象、風景等へ深い洞察があるのはさすがと思った。
一方、京都への偏愛っぷりも文章からあふれ出てきていて、これで京都にすごい興味を覚える人と、もうおなか一杯と言う人とに分かれるようにも感じた。私はどちらかというと、後者に近い方・・・。 -
久しぶりに著者の京都本を手に取る。
自分も東京生まれ東京育ち。
京都の雰囲気が大好きで、町家に住むという著者を何度も羨ましく感じている。
著者と同じく、下鴨の糺の森が大好きで、京都に行くと早朝に1人ふらっと歩いたりする。
残念なのは、最近、そこにマンションが建ったことだろう。
ただ、現代の寺社の金銭的苦労は理解できるので、一概には非難はできない気もしているが、。。。残念だ。。(梨木神社も同様に。。。)
火水ってなんだろ
水火天満宮(日本最初の天満宮。上京区にある)なら知っているが。。。とおもっていたら、神様のことを火水さま。ということがあると知り、なんとなく納得。
京都の文化には、必ず神様に繋がっていると思っていたが、神様を火水さまというのは、自然信仰に通ずるものがあるなーと思う。
著者が『神さまは神さま。私などは、もっと漠然としたものに手を合わせているような気がします。火や水、山といった自然、あるいは悠久のれきしにたいしてあ、手を合わせている。』(174頁)と書いているのを読んだとき、しっくりきた。
自分が感じているのもこれだなーと。
京都の外で生まれ育ち、京都に住んだからこそわかる京都があると思う。
著者は、それを思いっきり味わっていて、溶け込んでいる。
あ、また羨ましく思った(笑)
サブタイトルの『火水さまの京』。
これこそが、京都なんだと思う。
知らない間にいろんな全てに火水さまが関わっている京(みやこ)。
あー、京都に住みたくなってきた(笑)
でも、いろいろ大変そうだけれど。。