風の果て (上) (文春文庫) (文春文庫 ふ 1-20)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167192204

作品紹介・あらすじ

軽輩の子・桑山又左衛門は家老職につくが、栄耀とはまた孤独な泥の道にほかならなかった。ある日、かつての同門野瀬市之丞から果し状が来る。運命の非情な饗宴を描く長篇。(皆川博子)

感想・レビュー・書評

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  • 会社の方の本。感想下巻で。

  • 2018.2.2(金)¥100(-2割引き)+税。
    2018.4.2(月)。

  • NHKのドラマで観て、原作を読んでみたくなりました。ストーリーは知っていますが、いいですねえ。上巻は青春編とでも呼ぶべきでしょうか。下巻を読み終えた後で、通しての感想を書きたいと思います。

  • 首席家老・桑山又左衛門の許に、ある日、果し状が届く。恥知る気あらば決闘に応じよ、と。相手は野瀬市之丞。かつては同じ部屋住み・軽輩の子、同門・片貝道場の友であるが、市之丞は今なお娶らず禄喰まぬ“厄介叔父”と呼ばれる五十男。…歳月とは何か、運とは非運とは?運命の非情な饗宴を隅なく描く、武家小説の傑作!

  • 読み物としては、面白いが・・・

  • 史事をベースとする歴史小説とは異なり時代小説はその時代の持つ風俗や雰囲気を借りた一種のファンタジーと言える。作品によっては一部交叉するが前者の代表が司馬遼太郎であり後者が藤沢周平ではなかろうか。本書でも架空の藩を一から作りあげており、話を読み進めるうちに読者もこの異世界に取り込まれるような軽い目眩を感じる。カットバック手法と言うのだろうか。旧友から果し状を突き付けられてから果し合い当日までの時間の流れと主人公の青春時代の回想が交互に語られる。冒頭に悲劇的結末が暗示されているにも関わらず青春の日々は美しい。

  • 道場で知り合った幼馴染の5人の武家子弟。同じ武家といっても身分は大きく違う。夫々が家を継いだり、養子に入ったり、別れの日が来る。そして運命は大きく彼らを引き裂いていった。首席家老の主人公・又左衛門(隼太改め)を巡る旧友達との非情な縁は「喜知次」における3人の友情とは異なり、あまりにも寂しい関係です。しかし、主人公が養家に入り、どのように家老に出世していったか、そして藩内の陰謀と権力闘争などドラマティックな展開は惹き込まれます。

  • 桑山又左衛門は筆頭家老に登り詰めると、かつての幼馴染み・野瀬市之丞に果たし合いを申し込まれる。
    ここから又左衛門の回想が始まる。
    部屋住み時代、養子入り、お役目への情熱、政争。
    隼太と呼ばれていた部屋住み時代から、己の出世も含め理想を追い求めつつも現実も受け止め、真摯に生きてきた結果が筆頭家老。
    もちろん時にはうまく立ち回ったな、と思うこともあったが、それは人間として当たり前のことで卑怯ではなかった。
    ただ、隼太はラッキーでもあったな。
    最後も、少し(笑)卑怯じゃないの?と思った切り札が使えなくなり、結局正々堂々とするしかなくなったが、これもうまくケリがついた形に。
    私も振り返ればほろ苦く、いや苦く思い出されることもいろいろ。
    私もいつか、自分の風の果てを見るはずだけど、さて、どう思うのかな。

  • 首席家老・桑山又左衛門の許に、ある日、果し状が届く。恥知る気あらば決闘に応じよ、と。相手は野瀬市之丞。かつては同じ部屋住み・軽輩の子、同門・片貝道場の友であるが、市之丞は今なお娶らず禄喰まぬ“厄介叔父”と呼ばれる五十男。「ばかものが」戸惑いつつも、又左衛門は隼太と名乗ていた過去を振り返っていく……同門仲間五名の回想シーンが青春群像劇のように描かれ壮年期へと……。武家の掟を軸に、…歳月とは何か、運とは非運とは?運命の非情な饗宴を隅なく描く。1985年・朝日新聞社より、2007年 NHK 佐藤浩市でドラマ化。

  • 読んだきっかけ:奥さんが持ってた。

    かかった時間:12/22-12/25(4日くらい)

    あらすじ: 主席家老・桑山又左衛門の許に、ある日、果たし状が届く。恥知る気あらば決闘に応じよ、と。相手は野瀬市之丞。かつては同じ部屋住み・軽輩の子、同門・片貝道場の友であるが、市之丞は今なお娶らず禄食まぬ”厄介叔父”と呼ばれる五十男。…歳月とは何か、運とは悲運とは? 運命の非情な饗宴を隈なく描く、武家小説の傑作!(裏表紙解説より)

    感想: 前回市井物長編だったので、対照的に武家物長編を…。やはり、面白い!

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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