- Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167217822
感想・レビュー・書評
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2008年の発行、帯には「『源氏』誕生一千年」とある。
当時、とりあえず今買っておかなくては!と思って購入したのは覚えているが、その後長く積読になってしまった。
来年の大河ドラマの主人公が紫式部ということで、この機会にと思って読んでみた。
単なる観光ガイドだろうと思っていたのが申し訳なく、素晴らしい『源氏物語』入門書であった。
源氏物語54帖の1帖ごとに4ページを使用。
あらすじ、それを理解するための簡単な系図、「ちょっと読みどころ」、ゆかりの観光スポット、ちなみのお菓子、絵画など。
「文藝春秋・編」とあり、どの文章を何という人が書いたのかは分からないけれど、あらすじはごく短いのに、現代人に分かりやすい。
「ちょっと読みどころ」は更に、ここはポイントね〜、作者はこれが言いたかったのかしらね?ちょっと意地悪ねー、などと、源氏物語を読んだことのある人も初めての人も、とても興味を惹かれる。
なぜ和菓子を紹介するのかというと、今の時代の一般人が手に入れやすい雅(みやび)だということ。
和菓子といえば、お茶会のためのもので、同じページには素敵なお抹茶茶椀の写真もある。
この茶碗は「五十四帖茶碗」で、巻末に「個人蔵」とされている。
写真だけでも素敵。
瀬戸内寂聴さんのエッセイも。
現代語訳の紹介もあり、同じ箇所の読み比べが面白い。
この後も、新しい「源氏物語・現代語訳」は出たのでしょうか。
来年の大河が、紫式部をヒロインとする。
「源氏物語」のお話ではないけれど、紫式部は自分の生きた時代をモデルに物語を書いている。
ゆかりの場所を訪ねるには参考になるのではないか。
何と言っても、源氏物語を知りたいけれど、今からじゃ遅すぎる!!
という人たちの助けになると思う。
古い本なので、和菓子屋さんの紹介記事はどうなっているか分からないけれど・・・
もしかしたら来年の大河に合わせて、この本は再版されているかもしれない!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
<目次>
略
<内容>
『源氏物語』の簡単な解説(見開き2ページだが、そこに必ず関係系図がついているので、わかりやすい)で紹介する。後半には、いろいろな訳を比較しながら分析している(大和和紀の「あさきゆめみし」や小泉吉宏の「まろ、ん?」まで紹介されている)。サクッと読めて、よくわかる。 -
本編より付録の源氏物語各訳読み比べの方が面白かった。与謝野晶子、谷崎、寂聴、円地文子、田辺聖子、橋本治、果ては「あさきゆめみし」まで、同じシーンをどう描写しているかを比較。原典のどこに着目するかで、受ける印象ががらりと変わる。物語の懐深さゆえだろう。
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各帖が短く要点をまとめてあるので人物関係がわかりやすい。
なにより現代語訳はよかった。自分は橋本治しか読んでないので5人分くらいの訳を見せてもらうとなかなか興味深い。
あさきゆめみしまで載せているのがなかなかやるなと思った。
まろ、ん?も面白そうだと思った。今度買おう。
お菓子の紹介は敷居の高そうな店が多くちょっと手がでない。 -
やはり(普通の意見かもしれなませんが)紫の上が一番好き。京都行きたくなるー。竹林と渡月橋とか、とか、とか。
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/?day=20081203
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今年は源氏物語千年記とかで、ちまたに源氏物語に関する本がいろいろ出回っていますが、これもその一つ。各章ごとに登場人物の相関関係がイラストで描かれていて、物語を忘れかけた人には親切です。でも、やっぱりあらすじをあらかじめ知っておかないと、何が何だか分からないと思われます。
気に入ったのは、ゆかりの京菓子が紹介されていること。どれもみんな美味しそうで、想像力をかき立てます!(源氏物語の想像じゃないのか??!)
写真も綺麗で、文庫本で軽いので、京都観光のお伴にもいいと思います。 -
京都案内といいつつ、内容的には、一帖を見開き1ページでまとめる試みなのかなぁと。
そうすると、「まろ、ん」には、勝てないかも。
京都のお菓子案内は、あんまり和菓子に興味のない私には……。まあ、京都の子なら、おもしろいかもしれませんが。
京都では、おみやげで持ってきたお菓子を、もらった人は食べて、
「これは、ドコドコさんのお菓子ですねぇ」
と当てないと、莫迦にされるという恐ろしい文化があると聞いたことがあります。本当でしょうか?
むしろ、この本の読みどころは、後半にちょっとだけしかないけど、現代語訳の読み比べだと思います。これは、おもしろかった。これだけで、1冊つくっても良いぐらいだと思います。