源氏物語の京都案内 (文春文庫 編 5-9)

制作 : 文藝春秋 
  • 文藝春秋
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167217822

感想・レビュー・書評

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  • 2008年の発行、帯には「『源氏』誕生一千年」とある。
    当時、とりあえず今買っておかなくては!と思って購入したのは覚えているが、その後長く積読になってしまった。
    来年の大河ドラマの主人公が紫式部ということで、この機会にと思って読んでみた。
    単なる観光ガイドだろうと思っていたのが申し訳なく、素晴らしい『源氏物語』入門書であった。

    源氏物語54帖の1帖ごとに4ページを使用。
    あらすじ、それを理解するための簡単な系図、「ちょっと読みどころ」、ゆかりの観光スポット、ちなみのお菓子、絵画など。
    「文藝春秋・編」とあり、どの文章を何という人が書いたのかは分からないけれど、あらすじはごく短いのに、現代人に分かりやすい。
    「ちょっと読みどころ」は更に、ここはポイントね〜、作者はこれが言いたかったのかしらね?ちょっと意地悪ねー、などと、源氏物語を読んだことのある人も初めての人も、とても興味を惹かれる。

    なぜ和菓子を紹介するのかというと、今の時代の一般人が手に入れやすい雅(みやび)だということ。
    和菓子といえば、お茶会のためのもので、同じページには素敵なお抹茶茶椀の写真もある。
    この茶碗は「五十四帖茶碗」で、巻末に「個人蔵」とされている。
    写真だけでも素敵。

    瀬戸内寂聴さんのエッセイも。
    現代語訳の紹介もあり、同じ箇所の読み比べが面白い。
    この後も、新しい「源氏物語・現代語訳」は出たのでしょうか。

    来年の大河が、紫式部をヒロインとする。
    「源氏物語」のお話ではないけれど、紫式部は自分の生きた時代をモデルに物語を書いている。
    ゆかりの場所を訪ねるには参考になるのではないか。

    何と言っても、源氏物語を知りたいけれど、今からじゃ遅すぎる!!
    という人たちの助けになると思う。
    古い本なので、和菓子屋さんの紹介記事はどうなっているか分からないけれど・・・
    もしかしたら来年の大河に合わせて、この本は再版されているかもしれない!

  • <目次>


    <内容>
    『源氏物語』の簡単な解説(見開き2ページだが、そこに必ず関係系図がついているので、わかりやすい)で紹介する。後半には、いろいろな訳を比較しながら分析している(大和和紀の「あさきゆめみし」や小泉吉宏の「まろ、ん?」まで紹介されている)。サクッと読めて、よくわかる。

  • 本編より付録の源氏物語各訳読み比べの方が面白かった。与謝野晶子、谷崎、寂聴、円地文子、田辺聖子、橋本治、果ては「あさきゆめみし」まで、同じシーンをどう描写しているかを比較。原典のどこに着目するかで、受ける印象ががらりと変わる。物語の懐深さゆえだろう。

  • 源氏物語の五十四帖を1帖各4頁に、あらすじ、解説、人物関係図、各帖のゆかりの地(観光名所)、京菓子案内(笑)まで詰め込んだ構成。これに源氏物語口語訳の、与謝野版、谷崎版、瀬戸内版、橋本治版にあさきゆめみし版の違い・特徴の解説等々までついて、京都を旅する(主に女性)向けの企画ものという感じ。文庫本という事もあって持ち歩きやすいし。
    今kindleで与謝野版にトライしていますが、なかなか進まず。こういった本はザックリと内容を把握するには良いと思います。

  • 各帖が短く要点をまとめてあるので人物関係がわかりやすい。
    なにより現代語訳はよかった。自分は橋本治しか読んでないので5人分くらいの訳を見せてもらうとなかなか興味深い。
    あさきゆめみしまで載せているのがなかなかやるなと思った。
    まろ、ん?も面白そうだと思った。今度買おう。
    お菓子の紹介は敷居の高そうな店が多くちょっと手がでない。

  • やはり(普通の意見かもしれなませんが)紫の上が一番好き。京都行きたくなるー。竹林と渡月橋とか、とか、とか。

  • この本を片手に京都へ行きたくなります。
    紹介されているお菓子がおいしそう。

  • /?day=20081203

  • 今年は源氏物語千年記とかで、ちまたに源氏物語に関する本がいろいろ出回っていますが、これもその一つ。各章ごとに登場人物の相関関係がイラストで描かれていて、物語を忘れかけた人には親切です。でも、やっぱりあらすじをあらかじめ知っておかないと、何が何だか分からないと思われます。
    気に入ったのは、ゆかりの京菓子が紹介されていること。どれもみんな美味しそうで、想像力をかき立てます!(源氏物語の想像じゃないのか??!)
    写真も綺麗で、文庫本で軽いので、京都観光のお伴にもいいと思います。

  • 京都案内といいつつ、内容的には、一帖を見開き1ページでまとめる試みなのかなぁと。
    そうすると、「まろ、ん」には、勝てないかも。

    京都のお菓子案内は、あんまり和菓子に興味のない私には……。まあ、京都の子なら、おもしろいかもしれませんが。
    京都では、おみやげで持ってきたお菓子を、もらった人は食べて、

    「これは、ドコドコさんのお菓子ですねぇ」

    と当てないと、莫迦にされるという恐ろしい文化があると聞いたことがあります。本当でしょうか?

    むしろ、この本の読みどころは、後半にちょっとだけしかないけど、現代語訳の読み比べだと思います。これは、おもしろかった。これだけで、1冊つくっても良いぐらいだと思います。

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