- Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167218102
感想・レビュー・書評
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一時期、海外ミステリーばかりを読んでいた時期があり、本書の筆者であるトマス・H・クックはお気に入りの作家のひとりだった。日本語に翻訳された作品は20冊強で、そのほとんどを読んでいたと思っていたが、この「夜 訪ねてきた女」は読んでいないことに気がつき、今回読んでみた。
本書は、本国のアメリカでは1990年に発行、日本での翻訳の発行は1993年なので、既に30年程度が経過している。日本での翻訳の発行順としては4番目のものであり、クックの初期の頃の作品といって良い。クックの作品の日本での最後の発行は「サンドリーヌ裁判」であるが、それも2015年のこと。発行されてすぐに読んだ記憶があるので、そこから既に6年くらいが経過している。
クックの作品は、何か最初から悲劇の匂いがするものが多く、その暗い部分に惹かれながら読むことが多かった。久しぶりに読んでみたクックの初期作品は、それとはテイストが随分と違う気がした。主人公はさえない私立探偵。どちらかと言えば、アメリカで一時期多く書かれていたハードボイルドの私立探偵小説のテイストであった。こんなテイストのものも書いていたっけ、と少し驚いたけれども、内容は450ページ超の文庫本をほぼ一気読みするくらいの面白さだった。
上記したように、日本での作品翻訳は2015年が最後。ウィキで調べてみると、「サンドリーヌ裁判」以降に3冊の本を書いているようであるが、日本では翻訳発行されていない。私のようなやや古い時代のミステリーファン以外には知られた存在でもないだろうので、翻訳書が発行される望みは薄いのではと思うが、何とかポケミスで発行して欲しいな、と思いながら本を読み終えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
フランクとは、もっと長く付き合いたかったのに、
もう会えないのは残念です。
フランクは何もいわなかった。 -
最後の最後にほんと少しの希望が見えた。
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トマス・H・クックらしい、淡々と流れるミステリー。
フランク・クレモンズ私立探偵の3作目。
良かった。じっくりと文をかみしめられた感じ。
秋の夜長の読書だな。 -
元警部捕クレモントシリーズの最後。クックの記憶シリーズを読んだ後だと、ちょっと文体やなにかが違ってて読みにくかった。が、このシリーズは最後に微かな希望の光みたいなものがあって好きだ。特に、今回のはずっと暗かったのが、本当に最後にちかっと光って終わった。でも、クックって1作1作で上手くなっていくよな(笑)