- Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167220044
作品紹介・あらすじ
日本の将来を案じ、海防の要を説く松平定頼は甚助をその秘偵にとりたてる。井伊直弼、吉田松陰、坂本龍馬…。徐々に世界に目を転じはじめた幕末の群像。そして決定的なジョンこと中浜万次郎との邂逅。海こそ自分の生きる道だと確信して海外に雄飛する甚助改めジム・スカイを通して、近代日本の黎明を描破した激動の歴史ロマン。
感想・レビュー・書評
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上巻についですぐ読みました。
甚助も立派になりアメリカ人となりました。
松平氏が薩摩藩士として死ぬのは残念。
明治政府に対する著者の考えがあまり深くかけていないのが残念。
最後は燃料切れでしょうか。
日本の歴史小説では日本の英雄 坂本龍馬だとか勝海舟の活躍にスポットを当てがちですが
米英の都合でそうなったということをさらりと書いてあるので勉強になります。
日本がどういう方向にいくべきかなんで幕末に正しく読める人はいたのでしょうか。
とりあえず武器をもつことが大切だったのはわかる。
思想や人間性より武器となったが明治維新か。うーむ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
下巻では甚助、松平定頼そして太地と三つの物語が別々に紡がれる。琉球から上海に渡った甚助は、アイルランド人のフォガティ船長の元で職を得た。隻腕の日本人が真面目に実績を積む中、中国人海賊団にフォガティ船長の船が襲撃を受ける。この窮地を甚助の獅子奮迅の活躍により脱し、このことにより甚助は上海の西欧人社会での英雄となり、また、フォガティ船長との深い絆で結ばれることになる。一方、定頼は井伊直弼の直接密偵の使命を帯び浪人に身をやつしながら反幕府の勢力を探るなか桜田門外の変で井伊直弼が水戸藩の浪人の凶刃に倒れ、紀伊藩に復活する道が絶たれてしまう。定頼が紀伊藩士時代に海岸線を歩いて認めた海防の書が攘夷の志士も認めたことから定頼自身も幕府から追われる身となり薩摩藩にかくまわれるようになり、やがて薩摩藩に召抱えられる。時代が大きくうねりながら変遷する中、別々の物語が再び撚り合される。フォガティ船長の息子ライアルの元で遂に船長となった甚助は、薩摩、長崎への回航の帰り、故障を装い太地湾に停泊し秘かに家族の元を訪れる。実に日本的なきめ細かい情緒を描写した名著だと思う。本書の終盤に甚助が銛一という性を名乗る場面がある。甚助の孫、銛一三郎が帰国して帝國海軍に士官し大活躍する次の物語と繋がっていく。
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「太地町」「鯨捕り」で手に取ったが
「鯨」よりは幕末の時代小説
が題材
良くも悪くも
ニコル氏にとっての「武士魂」に対する
好き嫌いがかなりはっきり解る
もっと
太地町の歴史、捕鯨の歴史をからめた内容に
して欲しかった
続き・海洋小説
盟約;日露戦争編、甚助の末子・銛一三郎
遭敵海域;第一次世界大戦編
特務艦隊;第一次世界大戦編 -
鯨猟の最中に、片腕をうしなってしまう怪我をしてしまった、主人公 銛一の数奇な人生と、幕末の日本の熱い時代が
いきいきと描かれている作品のひとつ。
銛一の行く末は・・・ -
全然関係ないんだけれど、これを読んで、昔のNHKのドラマ「日本岩窟王」(草刈正雄主演)を思い出してしまった。
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胸が熱くなる!