零戦燃ゆ 1 (文春文庫 や 1-9)

著者 : 柳田邦男

• 文藝春秋 (1993年6月8日発売)

感想・レビュー・書評

[stanesbyさんの感想 · 2016年6月22日]

まだ6分の1に過ぎないが、柳田邦男氏の作品はどれも詳細でありなからも読者を引きつけておけるものを持っている。

戦時中の日本人の思考と教育、組織の中での限界。対して米国の思考、分析力と組織運営。歴史を振り返ってみているので、大きな事は言えないのだが、戦わずして既に勝敗が付いていたのだ。

ただ恐ろしい事に、現代においても、各種の偽装事件等で明らかになっているように、当時と同じ所に根をもつ問題が未だに存在しているのではないだろうか？

[igaiga50さんの感想 · 2014年8月27日]

淡々と戦況が変化していく様子が描かれており、日本の戦争を知るための入り口としてもいいのかも。零戦がメインなので、飢えの悲惨な部分がないのは理解しておくべきか。グラマンとの開発競争は勉強になった。

[キョウヘイさんの感想 · 2011年3月28日]

・太平洋戦争を航空機開発競争を主軸にしつつ、それに留まらず戦局全体を丹念に描く全6巻の1。真珠湾から珊瑚海会戦を経てミッドウェー前夜まで。日米双方での緻密な取材の姿が伺える良書。
・軍からの航空機開発に関する要求と航空機会社のやり取りは、現代のSIでやってる事と何も変わりなくて共感を禁じ得ない。
・日米の設計思想の違いがあまりにも色濃くて、結末を知っているだけに読んでて少し辛い。それでも開戦当初零戦の性能が他を圧倒してたのは痛快極まる。

[奥様応援隊＿なおさんの感想 · 2008年4月23日]

全６巻までありますが、これもあっという間です。

[みや文庫さんの感想 · 2006年10月4日]

三菱自動車が好調だった時の社長さんは戦争中はゼロ戦の設計士だった・・・戦記ものってよりも経営の壮大なクロニクル。

著者プロフィール

講談社ノンフィクション賞受賞作『ガン回廊の朝』（講談社文庫）

「2017年 『人の心に贈り物を残していく』 で使われていた紹介文から引用しています。」