パッチワーク・プラネット (文春文庫 タ 9-3)

  • 文藝春秋
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167254414

感想・レビュー・書評

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  • 普段の小説とは違う読み物と知りながら読めていたら、もっと楽しめた気がするのが悔しい。
    日常系なぞ目じゃないほど、登場人物もストーリーも「全部普通」で、だからこそ珍しい。ずっと、これは伏線か...?と思いながら読んでいた自分が笑えてしまう。
    登場人物に対して、大好き・大嫌いと思うことなく全員うっすら嫌だなあと感じるのも、あまりに普通だからだと思う。その辺にいる。なんなら毎日の自分でもある。
    表現が秀逸で、浮き出て見えるくらいにとてつもなくオシャレな表現が多々ある。好きな人にはガツっとハマるような本だった。次は普通と知ったうえで読みたいなあ。

  • 図書館で。
    イメージ的にはライ麦畑の主人公がそのまま30になって世間とズレてる俺を自覚しつつもどうしようもない、というようなイメージ。個人的にはあまりこの主人公も作品も好きになれないかなぁ… アクシデンタルツーリストの方が個人的には好きかな。

    バーナビーは徹頭徹尾、自ら変わる事よりも外からの「なにか」によって自分が変わることを待っている。ある意味奇跡を待っている訳だけれどもそんなの他人に求められてもねって感じで。本人も薄々そのことに気が付きながらもじゃあどうしたらよいのかがわからない。こういう人は生きにくいだろうな。何せ自分が何を求めているかがわからないのに世間や他人に認めてもらいたいと望んでいる。彼に必要なのは良いサイキアナリストかもしれない。(そんなオカネ無いだろうけど)

    そして人生と言う名の冒険は続く。さらに言えば冒険にはオカネが不可欠である。終わりは切なく世知辛いけどまあそれが現実だよね~。バーナビーはきっとトラックをシェアしてる彼女と付き合った方がうまくいくと思うんだな、なんて思いながら読み終わりました。

  • 途中ふわっと幸せな気持ちになるところとか家族の感情とかで虹をつかむ男の田中裕子の台詞を言いたくなりつつ,予想どおりではない展開に余韻が何ともよい。

  • そうかこれが噂の、書評家や通は軒並み大絶賛のアン・タイラーか。いいよ、すごくいい。・・けどバーナビーはやっぱり(マイナスの方向にではあるけど)特別で、そこらにはいない魅力があるし、やっぱさすが小説の主人公だなと思った。‥アタシコイツちょっとキライかもしれない。なーんて思わせてくれた作家は久しぶりだなv

    何回か出てくる綴りのエピソード(マーゴの最後にtをつける、とか)は、日本語を使う日本人にはちょっとわからないけど、英語的に「気取ってる(または明らかにカッコイイ)名前」とかあるんだろうなぁと興味深かった。だって「二階堂」と「田中」の違いって、日本人には明らかだけど外国人にはわかんないよね?

    こういう使い捨て(つまり複線じゃない)だけどそそられるエピソードを織り込むって、まさに文章巧者にのみ許されたワザだな〜。というわけでこれから読みたい作家です。

  • 2007/6 図書館から借りて読んだ。薄々あたまのどこかで「望ましくない行動だぞ」とわかっていながらも悪いほう、悪いほうへその時々の行動をとってしまってるバーナビー、という気がする。善良な人間は運がいいだけじゃないか?というのは、よくわかる。劇的なことは起こらない小説。最近、本好きと自称するひとの話をきくと「非日常の話でないと読んでる意味がない。だからミステリーが好きだ」「西村京太郎、内田康夫、赤川次郎、宮部みゆきはほとんど読んだ。京極夏彦は文体があわなくて面白くなかった」とのこと、文体以前の話ではなかったかと思ったが口をつぐんだことを思い出す。

  • バーナビー大好き。分かるよおれは君の事。最後にそういうことをしてしまうのもなんとなくわかる。わかるからこそ好きじゃないラストなんだが。いずれにしろ、いよいよもってアン・タイラー最強説完成。誰かが「女性版アーヴィング」って読んでたけど、どっちも大して読んでないけどアーヴィングの作品ほうがたぶん小説としてすごいんだろうけど、好き度はこっちが上。例えば、これや「結婚のアマチュア」よりも今年読んだ「ガープの世界」のほうが面白かったし、あの小説はめちゃくちゃ好きだけど、どっちが好きって言われたらアン・タイラーって言うしかない。

  • 便利屋 30男 バツイチ 天使 家族 老人

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