天才伝説 横山やすし (文春文庫 こ 6-10)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167256104

作品紹介・あらすじ

1996年1月21日、深夜のラジオが横山やすしの死を伝えた。それを聞いて著者は数年前にかかってきた彼からの電話を思い出す…。80年に芸術祭優秀賞を受賞、漫才ブームの頂点に立った「漫才道」の求道者、横山やすし。一方で不祥事が絶えず、謹慎を繰り返すやっさん。自暴自棄の中で自滅した彼の芸と人を描く。

感想・レビュー・書評

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  • 横山やすしとそのころの時代、漫才について詳しくなかったが、小林信彦さんの目を通してざっと知ることができた。

  •  著者は横山やすしの初主演映画「唐獅子株式会社」の原作者。ここでは「評伝」のカテゴリに入れたが、内実は回想録的なエッセーで、あくまで著者の交際圏の中での「横山やすし」像を回顧している。

     文中、はっとさせられたのは、横山やすしとビートたけしが3歳しか違わないという箇所で、いかにやすしが早熟であったか、さらに80年代初頭の「漫才ブーム」が芸能史の曲がり角であったかを思い知らされた。

  • 書評漫才(SBR)グランプリin Osaka
    日時:2012年12月22日(土) 午後2時~4時 (開場 午後1時30分) 
    会場:大阪市立中央図書館 5階大会議室
    定員:発表するコンビ 12組 (多数の場合は、アピールポイント等を参考に選考します)
    観覧者:300名(当日先着順、事前申込不要)
    審査員:寛座純一(大阪市立西高等学校 校長)、古川綾子(ワッハ上方学芸員)、福田恵(漫才コンビ「安定志向」)
    http://www.oml.city.osaka.jp/teens/2012sbr.html

    文藝春秋のPR
    「漫才の求道者にして、暴力沙汰をくり返す破天荒な芸人横山やすしの五十一年の生涯を、著者自信の親交を通して描ききった傑作評伝」

  • さすが小林信彦 さんです
    横山やすしさんを
    「天才」ではなく「天才伝説」
    と冠をつけておられる
    そのセンスに何度も
    頷かされました

    客観的にも
    そして
    いやおうなく
    知り合ったがために
    主観的にも 
    一人の「芸人」としての
    「横山やすし」を
    見事に描ききっておられる

    情におぼれることなく
    さりとて
    他人行儀でもなく
    一人の天才漫才師
    であり
    破滅型の芸人の
    生き様を
    読ませてもらえました

  • 【本の内容】
    1996年1月21日、深夜のラジオが横山やすしの死を伝えた。

    それを聞いて著者は数年前にかかってきた彼からの電話を思い出す…。

    80年に芸術祭優秀賞を受賞、漫才ブームの頂点に立った「漫才道」の求道者、横山やすし。

    一方で不祥事が絶えず、謹慎を繰り返すやっさん。

    自暴自棄の中で自滅した彼の芸と人を描く。

    [ 目次 ]
    無名の二人
    「漫才のために生れた少年」
    1974 秋
    漫才史の中のやすし
    色川武大のいる風景
    対面まで
    映画化をめぐる憂鬱
    のるかそるか
    やっさん
    1982 秋
    嗚咽
    不安
    禁煙スタジオ
    「漫才が下手になる…」
    有頂天のとき
    不意の告白
    胎児殺し
    ピーク時を過ぎて
    1986 夏
    偽善と偽悪
    酒をめぐって
    甘え
    バラは贈らんでくれ
    謎の事件
    突然の死
    やっさんのいない大阪

    [ POP ]
    中学校から高校時代、テレビの番組欄で「やすきよ」の名前を見つけるとわくわくしながら、その放送時間を待っていた。

    今でも、横山やすしの、メガネをまっすぐ伸ばした人差し指で直すしぐさや、あの声色を思い出すことができる。

    当時のお笑いの中では、ぴか一に光っていたのだ。

    そうした、「絶頂期」しか知らなかった私には、この本で描かれた彼の姿は、あまりにも哀しい。

    それほど、行間から立ち上がる、横山やすしのイメージは、生々しいのだ。

    淡々とした著者の視線から浮かび上がる「やっさん」は、笑い、泣き、苦悩する人間そのもの。

    もしかしたら、読まなかったほうがよかったかもしれないと思わせるほどに圧倒的な「人間・横山やすし」が描かれている。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 小林信彦って言う人はとんでもなく記憶力の確かな人だな。いや、唐獅子株式会社の製作ストーリーはメモがあったというが、それ以外のところも記憶だけを頼っているとするならとんでもなく細かい。
    それと、すごくつまらないことで怒るこの人。やっさんっぽい?

  • 上質なミステリーであり、スリリングなドキュメントであり、汚濁きわまる暴露本でもある。現職、存命であろう人物を実名であからさまに批判し、恥部を暴き立てる。ここまで攻撃的な小林信彦の著作を知らない。やすしが横暴だというが、この筆の口に戸たてぬ、歯に衣着せぬありようこそ横暴で、それはたまらなく面白い。

  •  横山やすしの評伝。

     何気なく手に取りましたが、なかなか面白かったです。関西に愛着の強いわたくしには、ピンとこない著者の記述もありましたが。

     ビデオを見直す気になりました。

  • ブックオフで購入する。再読です。抜群に面白いです。唐獅子株式会社の部分は、特に、面白いです。でも、時代背景が分からないと分からないかな。

  • やすきよ、たけしの次に島田紳助が多く触れられている…横山やすし天才伝説を改題したのはよかったものの、週刊文春連載当時の挿絵がないのが惜しい。似顔に頼らないと映画関係者の区別がつきにくい。

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著者プロフィール

小林信彦 昭和7(1932)年、東京生れ。早稲田大学文学部英文科卒業。翻訳雑誌編集長から作家になる。昭和48(1973)年、「日本の喜劇人」で芸術選奨新人賞受賞。平成18(2006)年、「うらなり」で第54回菊池寛賞受賞。

「2019年 『大統領の密使/大統領の晩餐』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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