田宮模型の仕事 (文春文庫 た 45-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167257033

感想・レビュー・書評

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  • とにかく模型へのこだわりの強さを感じた一冊。

    突き詰めて作り込むことが、世界でも評価されるための道なのかと。でもその「作り込み」はあくまでも買う側にとってうれしい中身であることが前提で、ここが家電業界とは違うんだろうな。
    入れときゃ便利なのは間違いない、と思って開発者目線で盛り込んだのではユーザーには決してウケない。この田宮模型の思想はそれとは一線を画しているのがこの本を読むとよく分かる。

  • もっと早く読んでおきたかった一冊。
    田宮の模型がなぜ、すごいのか、読めば分かる。

  • 小さい頃にお世話になった
    ミニ四駆の誕生秘話も描かれている。

    発想力や行動力にただただ感心。
    こういう経営者に憧れます。
    プラモデルには詳しく無いので
    パソコンで色々調べながら読んで見たのですが
    そのディテールや進歩に感動しました。

    世に色々な創業者の本はあれども
    田宮さんのこの本は読んでみるべき。

  •  製造業はQCDの3本柱で成り立っているといわれているが、模型業界も例外ではない。QCDとは、それぞれQuality, Cost, Deliveryをあらわしている。Qualityに拘り続けることで、同業他社との差別化を図り、存続を続け、成長し続けてきた。その様子を実例を交えながら語られている。
     あのタミヤマークを見る度に、昔作ったプラモデルを思い出し、わくわくしてしまう。ひとえに製品の質の向上を追い求め、子供であった自分の記憶に鮮烈に今も残り続けるという、ある種の変わったブランド形成力に驚く。しかし、本書を読み進める内に、そのプロセスを知り、納得する。
     Cost, Deliveryへの拘りはメーカーを疲弊させると思うが、Qualityに拘ることはメーカーを成長させることを示しているように思う。
     終盤のミニ四駆の件は、小学生の頃の記憶を思い出し、ノスタルジーに浸りながら読めた。

  • 男子なら必ず知っている「タミヤ模型」の社長が、会社設立から現在に至るまでの歩みを熱く語る一冊。小学生の時分に店頭に飾られている戦車のジオラマを見て、自分も作りたいと心を熱くしていた少年時代を思い出した。あんなのを作る腕など今でもないのに。その戦車プラモデル一つとっても、わざわざ海外に足を運び、写真を撮りまくって細部を忠実に再現する。ポルシェの模型を作る際はポルシェを分解したという逸話はすごいものを感じる。仕事はやはり夢と情熱は必要だということを痛感。久方ぶりにプラモデルが作りたくなった。おすすめです。

  • [「ホンモノ」を、作ってきました]技術も知識も金も人もない......。そんな中から情熱と不屈の精神だけで立ち上がり、今や世界に冠たる模型メーカーとなったタミヤ(旧:田宮模型)。模型と言えばタミヤになるまでの紆余曲折、そしてその中で出会った数々の人との思い出が綴られた胸震える作品です。著者は、現在も会長職にとどまり、後進の育成や模型の魅力を伝えることに熱意を燃やし続けている田宮俊作。


    展示された図画工作の作品で、授業参観に来ていた親を凍らせた経験があるほど不器用な自分としては、模型なんてぜんぜん興味のなかった世界なのですが、タミヤの苦労に涙し、その成功に歓喜し、田宮氏の模型にかける思いに感動させていただきました。内部を確かめるためにパジェロを自ら購入して解体しちゃう様子なんて、「そこまでやるか!」と驚かされてしまいます。模型の奥深さに目を開かせる思いがしました。


    一歩引いてタミヤを眺めてみると、事業には欠かすことのできない情熱、そして明るさが十二分にこの会社には備わっていたのではないかと思います。自らが好きであればこそ、どのような細部も見逃すことがなく、苦労をいとわず地球の裏側まで本物を取材することができたのではないでしょうか。そういう意味では、模型ファンならずとも、経営本としても、自己啓発本としても万人にオススメしたくなる一冊でした。

    〜模型づくりの楽しさとは実物の背景にある物語をそれぞれの人が新たに読み解くことにある、と考えるようになりました。〜

    ミニ四駆とか思わず懐かしいなと☆5つ

  • ”好きな事は仕事にしない方がいいよ”
    とは、
    自分が就職したバブル余韻(弾けた直後)の頃、
    よく社会の先輩方から訳知り顔で云われた台詞。

    ま、真意はいろいろ在るんだろうけど。

    生い立ちや、環境や、性格や、そもそも指向や、
    みんな違うので普遍的な答えなんか無いのでは?
    が、
    冒頭の台詞に対する今の答え。

    ...だけでは身も蓋も無いので、もうちょっと想いを。

    好きな事を仕事に選んで、
    そこに潜む好きじゃない現実も見て、
    手も下して、塗れて、
    それでも好きで居て、
    その好きな事で世を、誰かをシアワセに。

    ...している人は、大人、だなぁ、と。

    ハナから好きな人、
    後から好きになる人、
    そこに差は無くて、
    深さ、広さ、なのかな。

    なんて、いろいろ考えてしまいました。

    この本は総じて痛快!!
    紆余曲折あっても、しっかり考えて、
    成功にたどり着く物語は気持ちいいですね!

    作中に出てくる、様々な人々との
    思いやりのキャッチボールも素敵です。

    伝説の”タミヤの零戦”、やっぱり作って見ようかなぁ。
    (プラモ苦手で、素組で終わっちゃうんだけど(苦笑))

  • 「行っけーーービートマグナム!!」

    『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』をコロコロコミックで読んで、テレビで観て、マネをしていた小学生の頃。自宅のコースで公園で道路で走らせ、壊れては直し、大会にも出たあの頃。僕の中で「行っけーーービートマグナム!!」はマイ流行語大賞でした。僕が「田宮模型」という名前を知ったのは言うまでもなく、ミニ四駆が流行っていた頃だったから、僕の中で「田宮模型=ミニ四駆」というイメージがあった。だから、田宮模型が最初、木の模型を扱っていたことなんて全然知らなかったし、全盛期しか知らないから、ヒット商品がなかなか生まれなかった事実を知って驚いた。本書は田宮模型の歴史をざくっと紹介している。著者は作家さんでないため文章が少し稚拙な感じは否めないが、写真が多く掲載されているため、名前のわからない戦車や飛行機が出てきても困らなかったです。ただ、「田宮模型=ミニ四駆」な僕としては、フルカウルのミニ四駆のことをもっと詳しく書いてほしかったなーと思い☆3とさせていただきました。田宮氏のもう一つの著書『伝説のプラモ屋』も読んでみたいと思います。

  • とりあえず、書きかけ。
    本屋で見かけてずっと気になっていた本。
    購入して旦那に見せたら「あなたの守備範囲の広さには感心するわ……」と呆れられた。仕方ないじゃないか、ものづくり大好きなんだし。タミヤの☆マークはやっぱり目を引くし(その時点でどうかと)。
    積読を順番に片付けて、ゆっくり読みたいと思います。

  • 実物に勝る取材はない。実物を追い求める熱量がタミヤ模型の質の源泉なのだろう。

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