沙中の回廊 下 (文春文庫 み 19-15)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167259167

感想・レビュー・書評

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  • 全2巻

  • 中国春秋時代最高の宰相と言われる晋の士会の物語。秦へ亡命し、その後晋へ引き戻された士会はついに宰相となる。(下巻)

  • 再び堪能致しました。

  • 士会は凄いね。

  • 史実に忠実に脚色なしで通すか、思いっきり脚色するかのどっちかなんだろうけど、ちょっと中途半端で物足りないなぁ。

  • なんとなくこの人の書く文章に慣れてきたのかもしれない。
    脱線がわかりにくいのかもしれないなー

    鄭の裏切りの連続が今の中国人の河南省の人は信用できないに通じているのなら面白いと思った。
    それにしてもこの時代は複雑だ。

  • 安定の宮城谷クオリティ。特に春秋時代の晋ときたらもう。いくつめですか。

    要するに晋の正卿No.1と評される士会(范武子)のサクセスストーリー。
    あれこれ紆余曲折はあるけど、家臣も含めて正義貫いちゃうよ!成長しちゃうよ!的な。
    まあ、わりとお決まりなパターンではある。嫌いじゃない。

    一通り読んできた人からすると、他作品との対比ができるので面白いけど、初読の人は誰が誰だかちんぷんかんぷんだろうから、ハードルが高いかも。
    「重耳」→「介子推」→「孟夏の太陽」と読んでからがよいと思います。

    極めて個人的だけど、「孟夏の太陽」で主役だった趙盾の扱いが単なる独善的な人としてこきおろされていたことが印象に残る。
    本書を書くまでの間に、何か心境の変化でもあったのだろうか。

    わりとわかりやすい正義というか仁義というか、そうしたものを貫くことは、確かに話としては明瞭になるし、面白いことではあると思う。
    けれどその一方で、なんとなく、奥行き浅くないかなー、と思わなくもない。
    そこここに現れる、著者の倫理的な潔癖さみたいなものが好きかどうか。
    自分は好きです。

  • 面白かった!
    宮城谷さんの本は『天空の舟』を読んだことがありますが、もうずいぶん以前のことなんで詳しい内容は霧の中、ただ「面白かった」という印象しか残っていません(^^;ゞ
    で、この主人公の士会は、宮城谷さんの書かれた他の小説にもチラホラ出没しているのだそうで、この『沙中の回廊』で満を持しての登場、ということのようです。
    だからなのかどうなのか、士会がめちゃくちゃカッコよいです(笑)
    その信義をつらぬき、礼をわきまえ、驕らない姿は、清々しくて、何ていうか、非の打ち所がない感じ。
    こういう人物でありたいな、という気持ちになります。
    また、不遇を囲っていても、お天道様はちゃんと見ててくれるんだ、とか、要は気の持ちよう、とか、始めるに遅すぎるということはない、とか、まぁ、何が心の琴線にひっかかるかは読み手次第なんですが、私にとっては人生訓みたいなとこがツボでした。
    本人の類まれな才能という前提はありますが、不遇の時代を経て出世するという物語なので、組織の中で働く男性好みかもしれませんね。
    士会の兵略家としての活躍よりも、その人となり、に魅力を感じる本でした。

  • 晋の英傑士会

  • 宮城谷さんの書かれる話の主人公は、大抵、真、信、義に生きているので、この本に書かれている士会の生き様や考え方に、自分がやっちゃったばかりの大失敗を反省するばかり。

    士会の若いころよりも、中年で円熟してきたころが読み応えあり。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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