管仲 上 (文春文庫 み 19-16)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167259174

感想・レビュー・書評

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  • 中国の歴史物読んでみたい!という方におすすめ
    ポッドキャストのコテンラジオの影響 春秋戦国時代が面白いとのこと 三国志しか知らないけど 歴史系の上下巻久しぶりだけど読めるかな 「管鮑の交わり」という言葉は聞いたことある 紀元前700-600年ごろの話
    全体通して大変すぎ 国の争いと同盟 すぐ破棄 国内は後継争い 入れ替わりが激しすぎる
    解説を読んだところ史実を元にした小説とのこと でも登場人物が生き生きとしていてとてもリアル 途中にさしこまれる作者の史実解説も自然に読めて面白い
    前半の管仲はとにかく大変 つらい 鮑叔との友情信頼関係 家臣や女性との繋がり 
    泣けるのは最後鮑叔のおかげで桓公に仕えることになるところ やっとここまで来た 途中の流れも国同士の関係入れ替わりも読者メモが大変でした でも面白い!メモなくても管仲と鮑叔だけ気にしてれば大丈夫だったかな 他の作品も読んでみたくなりました

  • 宮城谷昌光への期待と同時に、管仲はある程度知っていることから、本書を購入、味読することにした。管仲も鮑叔も青年であるにもかかわらず、一家を成した言動を示している点は少し怪訝に思われるものの、管鮑の交わりと言われるように、彼らの友情は非常に熱い。小説を読む側は気分が沸騰する思いである。ところで、小説では、心理にせよ、国情にせよ、家政にせよ、あらかた詳らかになっていて、読む方は安心していられるが、当時の状況にあっては、一寸先は闇であり、知謀をもって現状打破を図ったに違いない。その点を踏まえると、大いに我々現代人の置かれた状況とも近似して、読む熱意が倍加する。我々もまた庶民レベルの春秋戦国時代である。

  • 管仲を読む。
    2020年は年明けから「呉漢」を読み、続けて「楽毅」を読みと、宮城谷昌光(というか中国史)に傾注しつつありますが、そのなかでこの管仲は特に刺激的でした。

    管仲が生きた春秋時代。いくつもの国があり、互いを出し抜き、生き残りをかけた時代。同盟を結べば、次の瞬間にはそれを破棄するなど、とにかく打算的で狡猾な時代という印象があります。後に管仲が活躍する斉の国もかつては敵国の鄭と結んだり、元は友好関係にあった魯と敵対したりと、時勢に応じて敵味方を入れ替えます。同じ国の中でも後継者争いはもちろんのこと、仕えるべき君主を暗殺したり、かつての同輩を陥れたりと、野心と裏切りが蔓延します。
    だからでしょうか、本書で描かれる管鮑の交わりは、そんな打算と狡猾な時代において、眩しいほどの輝きを感じるのです。斉の後継者争いに破れた管仲が、争いに勝利した鮑叔の配慮により、彼の家族を無事に送り届けられる場面、
    「全身が熱くなった管仲は、涙で曇った目を鮑叔にむけた。すべてが鮑叔の配慮による。
    『助けられたり、助けたりするのが、人の世であろうよ』
    と微笑とともにいった鮑叔は、二、三日後には、魯を脱出したなんじの臣下も到着するであろう、とささやき、馬車にもどった」
    この問答には、感動のあまりこちらの目も曇ってしまう始末。はからずも異なる太子に仕え、雌雄を決した二人ですが、互いを尊敬し、認め合う気持ちは終始変わらず。管仲が春秋時代初めての覇者として桓公を押し上げることができたその背景には、鮑叔の熱い友情があったことに疑いの余地はないでしょう。

  • 管鮑の交わり、という言葉でしか知らない管仲の話。
    だと思って読んでいたが、割と他の登場人物の視点も多く、やや話が煩雑になっている印象。

  • 「管鮑の交わり」という故事成語がある。深い友情を意味する言葉で管仲と鮑叔は実在した人物だ。「仲(ちゅう)曰(いわ)く、我を生む者は父母、我を知る者は鮑子(ほうし)なり」(Web漢文大系)と称(たた)えた言葉が数千年を経て現代の日本にまで届いている。
    https://sessendo.blogspot.com/2022/03/blog-post_5.html

  • 中国史上に巨大な名を残す宰相・管仲を主人公に据えた歴史小説。
    「管鮑の交わり」の故事で知られる、管仲と鮑叔との間の友情は、若き管仲を見舞う労苦の数々の間に垣間見えるからか、殊更に眩しく感じる。
    女性の描き方はやはり古めかしいけれど、管仲と梁娃とのやり取りには、善く生きたいと願う人間の儚さや強さが感じられるようで、いじらしく、また美しい。

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    「管鮑の交わり」の故事で有名な管仲・鮑叔が主人公の小説
    上巻は管仲と鮑叔の出会いから管仲・鮑叔がそれぞれ別々の斉の公子の傅となるまでの物語となっている。
    しかし、管仲が斉に仕えるまでの記録がほとんど存在していないため、大部分が著者の創作なのだが、少ない記録を織り込みながら著者の考える管仲というものが表現されている事が印象に残った。
    私の印象としては数多くの出来事で管仲が徐々に浮世離れしていく様子が非常に不思議に感じた。

  • 管鮑の交わりという言葉を掘り下げてくれる小説です
    ほんまにこういう出会いやったんじゃないかと思わせてくれるストーリーでした

  • 感想は下巻

  • >「管鮑の交わり」で有名で、
    なんて書きましたが。。。言葉は見たことは有るけれど、実際それがどういう事なのかは、実は私も知らない(笑)
    相変わらずの宮城谷さんです。
    読み始めてしばらくして、これは初期の作品かと思いました。漢字に対するこだわりが凄いので。目容、晦匿、匡正、尤なる(p22-24)。読めます?意味分かります?普通の辞書字ダメですよ、広辞苑くらい持って来なきゃ(ちなみに広辞苑には目容以外はありました)。意味が解らないと辞書を引かなきゃ気のすまない人は大変でしょうね。更には登場人物が多い上に、名前で呼んだり、役職で呼んだりするし。。。。
    というわけで、速読は出来ませんが、じっくり読めば味わい深い宮城谷さんです。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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