北朝鮮に消えた友と私の物語 (文春文庫 は 17-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (433ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167260064

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  • 「北朝鮮に消えた友と私の物語」萩原遼著、文春文庫、2001.05.10
    434p ¥580 C0195 (2023.06.29読了)(2003.03.28購入)

    【目次】
    序章
    第一部 大阪篇
    1.密航少年との出会い
    2.おまえはなんで大阪にきたんや?
    3.朝鮮人部落
    4.コミュニズムは世界の青春である
    5.吹田事件
    6.尹元一の北帰行
    7.金竜南との出会い
    8.大阪外大朝鮮語科
    9.「赤旗」記者に
    第二部 済州島篇
    1.緑の島
    2.洞窟の死闘
    3.嵐の前
    4.武装蜂起
    5.李徳九先生
    6.首を切り落とされた女ゲリラ
    7.逮捕、仁川に移送
    8.朝鮮戦争勃発
    9.逃避行
    10.九死に一生をえる
     ほか
    第三部 ピョンヤン篇
    1.あこがれのピョンヤン
    2.最初のショック
    3.悲しい人びとの群れ
    4.七・四南北共同声明をめぐって
    5.日朝両党間のあつれき
    6.六七年問題 金日成親子のクーデター
    7.江口浩氏との出会い
    8.花束少女金賢姫について
    9.高英三をたずねる
    10.奇妙な電話
     ほか
    第四部 ワシントン・東京篇
    1.「赤旗」退職
    2.ソ連に占領された北朝鮮
    3.ソ連の衛星国
    4.朝鮮民主主義人民共和国の創建
    5.歴史を歪曲する北朝鮮の李徳九評
    6.李徳九司令官の最期
    7.四・三闘争の帰結
    8.帰国運動の暗流
    9.金日成と韓徳銖の陰謀
    10.在日朝鮮人運動と日本共産党
     ほか
    終章
    あとがき
    解説 戦後アジア人の「詩と真実」  深田祐介

    ☆関連図書(既読)
    「朝鮮史」梶村秀樹著、講談社現代新書、1977.10.20
    「物語韓国史」金両基著、中公新書、1989.05.25
    「閔妃暗殺」角田房子著、新潮文庫、1993.07.25
    「韓国併合」海野福寿著、岩波新書、1995.05.22
    「韓国併合への道」呉善花著、文春新書、2000.01.20
    「韓国」渡辺利夫著、講談社現代新書、1986.10.20
    「徹底検証朝日「慰安婦」報道」読売新聞編集局著、中公新書ラクレ、2014.09.30
    「謎の独裁者・金正日」佐々淳行著、文春文庫、1999.02.10
    「北朝鮮大脱出 地獄からの生還」宮崎俊輔著、新潮OH!文庫、2000.10.10
    「北朝鮮の暮らし 浮浪児と美女軍団」宮塚利雄著、小学館文庫、2003.01.01
    「朝鮮戦争」神谷不二著、中公文庫、1990.03.10
    「朝鮮戦争」萩原遼著、文春文庫、1997.06.10
    「ソウルと平壌」萩原遼著、文春文庫、1998.10.10
    「朝鮮と私 旅のノート」萩原遼著、文春文庫、2000.04.10
    「拉致と核と餓死の国 北朝鮮」萩原遼著、文春新書、2003.03.20
    (「BOOK」データベースより)amazon
    1972年「赤旗」平壌特派員となった私は、大阪の定時制高校で席を並べた親友の尹元一を訪ねた。友は「地上の楽園」で幸せに暮らしているはずだった―。帰国運動の悲劇を描き満票で第30回大宅壮一ノンフィクション賞に輝いた記念碑的名作。

  • [暗闘に消えた友情]戦後間もない頃、共産主義運動に青春を傾けながら友情を分かち合った著者とその友人の尹。北朝鮮への帰国事業に参加した後、音沙汰が途絶えてしまった2人の関係であったが、「赤旗」の平壌特派員として北朝鮮に送り込まれた著者は、ある人物から「尹が今ここにいるから来ないか」との誘いを受け......。満場一致で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した渾身の作品です。著者は、本書の執筆中も身の安全への不安から震えにたびたび襲われたという萩原遼。


    自らの人生路をたどりながら帰国事業の真相、体制が糊塗しようとしたもの、平壌における生活の一端などを明らかにしていくのですが、若き頃から朝鮮が身近であった著者だからこそ書ける臨場感に満ち溢れていました。また、友人を死地に追いやってしまったかもしれないという懺悔にも似た思いから溢れる切迫感も著者の筆からひしひしと伝わり、北朝鮮の底深き一点を著者と共に覗かせてもらったように思います。


    本書の白眉は北朝鮮への帰国事業の内幕を、公文書などを用いながら徹底的に暴ききったところ。「地上の楽園」と北朝鮮を喧伝しつつ、迎える側も送る側もその虚偽を知りながら、いわば独善と少数のための影響力確保の観点から進められたこの事業の恐ろしさ(そしてこんなことを許したというやり切れなさ)を改めて知ることができました。戦後初期の日・朝鮮関係に特に顕著に見られる、国家単位の関係までには表立ってこないどろどろした感じを体感できたところも有意義でした。

    〜お人好しもまた罪悪である。〜

    いろいろと目を開かせてくれました☆5つ

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(佐藤優選)157
    国家・政治・社会

  • 当時の北朝鮮の状態について知ることができるが、いかんせん登場人物多すぎ話広がりすぎで、途中で読むのが苦痛になった。
    自分の家庭環境と共産主義と北朝鮮と…
    同じ話題が何度も出てくるし、もうちょっと絞ってくれればいいのに。
    元赤旗記者というけど…

  • 4167260069  433p 2001・5・10 1刷

  • 大分前に購入した本です。部屋に積んでおいたら父がこの本読みたくて探していたんだ、と持って行きました。そう言えば読んでなかったなあ、と父の部屋から取り返してきました。

    重い話です。在日の方が帰国運動で北朝鮮に帰ったのは1960年からとありますから自分が生まれる大分前の話です。なんとも辛い話です。でも実際にかの国で生きていかなければならない人達にはいかほどの辛苦があるのだろうか。想像するに余りあります。
    お隣の国なのに済州島の4・3事件の事も初めて知りましたし、朝鮮戦争の事もほとんど知らない事に不勉強だなあと恥ずかしく思いました。もう少し日本史とアジアの歴史を調べよう。
    韓徳ス(漢字が出てこなかった)が熱海に居たとあり祖父を思い出しました。そういう時代に祖父は生きていたんだなあ

  • 2007年72冊目

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