駆ける少年 (文春文庫)
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★3.26
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みんなの感想・レビュー・書評
「銀河の町」「駆ける少年」「痩せたせなか」を収録。鷺沢萠は早熟だったなあ。どれも二十歳そこそこの小娘とは思えない題材だよ。時代が今よりもっと軽佻浮薄な感じだったと思うんだけど、そのなかにあってどうして作品を書こうと思ったんだろう。こういう世界に関心をもったんだろう。
3つとも底に流れているのは、「あきらめる」「あきらめられる」「あきらめられない」ってことかなと思った。もちろん、「あきらめずに頑張らないとダメ」みたいな軽いメッセージじゃないよ。人はちょっとしたはずみで、自分でも知らないうちにあきらめてしまうことがある。あきらめようと思っても、あきらめきれないことがある。あきらめたかのように見えて、あきらめていないことがある。荒んだ情景のなかで、心の中にポッと光を灯すような佳作たち。
泉鏡花文学賞受賞作。『銀河の町』『駆ける少年』『痩せた背中』どれも切ない。別々の理由ですっかり抜けてしまった何かを追いかける人たちの最後の拠り所は、一体どこで、そこに着いたとしても、それは幸せなのだろうか。生きながら自分のルーツ、拠り所を探す難しさを表しているようにも思える3篇。
図書館で予約して借り、一日で読み終える。とっても痛く切なく、ひどく苦しく息が詰まった。歪んだというか、落ちこぼれたというか、いわゆる「フツウ」であることから少し違う道を歩む人々(本人にとってはそれが「フツウ」の日常)が行き場のない想いを背負い逃れられない輪の中を延々ぐるぐると歩き続けるような印象を受けました。この世界観と向き合う作者も相当ヘビーな精神状態だったのだろうなと想像してしまいます。
筆者の「ウェルカム・ホーム!」が面白かったので、別作品にも手を出してみた。泉鏡花文学賞受賞作なので代表作かと思い手に取ったが、随分と作風が違う。哀愁漂うという感じ。
薄い本のなかに、三編。
高速道路の下の、都会の谷間に佇む飲み屋のカウンター
会社を立ち上げがむしゃらに働きながら、追う父の姿
女遊びのやまない父をもった息子がみた、父の恋人の痩せた背中
鷺沢萠の若い頃の本を読むといつもおもう。
どうして、18だか19だかの
少女と呼ぶのがふさわしいころに
こんな小説がかけたんだろう。
ひとの、人生のつらいことやかなしいことを全て知って
知ったうえで、肩ひじはるのをすこし、やめたような
そんなおとなの話がどうしてかけたんだろう。
足下のコンクリートにも、きちんと色があるのだってこと
思い出させてくれるような
灰色も一色ではないのだと教えてくれるような
そんな、鮮やかな本。
レビューはブログにて。
http://tempo.seesaa.net/article/19523253.html
ニュースを見て、そういえば高校生の頃に何冊か読んだなぁと思い出し 図書館で借りてきて読んでみました。 最初の20〜30ページくらいは あんまりよくないかなぁと思って読んでたのですが 途中から小説の世界と自分の世界が少しずつ馴染んできて 最後には面白く読めました。 面白くって表現は内容的にちょっと適当じゃないかもだけど。 3編の小説が入っているのですが 「駆ける少年」と「痩せた背中」... 続きを読む »






